紫陽花は別名七変化と呼ばれるほど多彩な色彩を持っています。種類も豊富な色とりどりの紫陽花を撮影してみませんか。

撮影の際はAモードに設定しましょう。風景全体や広い範囲を写すときは絞りを絞って全体にピントを合わせ、花をクローズアップして写す場合は絞りを開いて撮ると、背景がぼけて印象的に仕上がります。

雨の日の撮影で注意したいこと

特別な場所に行かなくても、雨に光る路面と紫陽花だけで、いつもの散歩道も違った景色にみえてきます。少しの雨なら傘を差してでかけてみましょう。

とはいえ、カメラは精密機械なので、水に濡れないよう注意が必要です。今は降っていなくても突然の雨に備えておくと安心です。雨の日の注意点をまとめました。

  • 機種(ボディ、レンズ)によっては防じん・防滴性に配慮して設計されていますが、防水性能は備えていません。付着した水滴は、乾いたタオルなどでふくようにしましょう。
    また、レンズ表面についた水滴には、なるべくレンズ専用のクリーニングシートを使用してください。
  • 市販のカメラ用レインカバーやビニールなどを雨よけとして利用すると便利です。
  • メモリーカードやバッテリーも防水構造ではないため、交換する場合は雨に濡れない場所でおこないましょう。

ご参考:バッテリーについての安全上のご注意別ウィンドウで開きます

紫陽花以外の雨の日の撮影テクニックは以下のページで紹介しています。

明るさと色をコントロールしよう

梅雨はくもりや雨の日が多いですが、撮影に向いていないわけではありません。くもりの日はやわらかな光が均一に回り、しっとりとした印象の写真が撮れます。紫陽花の色をイメージどおりに表現するために、露出補正とホワイトバランスを調整してみましょう。

露出補正

Aモードでは、F値を決めるとカメラが自動で適正と思われる明るさを割り出してくれますが、光の方向や天候、被写体など、状況によってはイメージどおりにならない場合があります。 そんなときは露出補正をするとよいでしょう。カメラの背面液晶やファインダーを見ながら調整し、何枚かシャッターを切りながら表現したいイメージに近づけていきましょう。

カメラの自動露出では白い被写体は暗めに判断されることがあり、白い花はグレーっぽい色で写ることがあります。この作例ではプラスに露出補正をすると明るくなり、見た目に近い印象になりました。

露出補正について詳しくは以下のページをご覧ください。
露出と露出補正

ホワイトバランス

青色系の紫陽花の色をより青く表現するために、ホワイトバランスを変更してみましょう。

オートホワイトバランス(AWB)では見た目に近い印象ですが、ホワイトバランスを[電球]にすると青みが強くなります。

また、[色温度/カラーフィルター]で色温度(単位 K:ケルビン)を変更することで、さらに自由に色味を調整することができます。色温度を低く設定すると、青みが増し、高く設定すると赤みが増します。好みの色になるように微調整してみましょう。

ホワイトバランスについて詳しくは以下のページをご覧ください。
ホワイトバランス

クローズアップして撮る

紫陽花は雨に濡れると一層色鮮やかに輝きを増し、花や葉についた水滴も美しいものです。

紫陽花のように細かいパターンが連続していたり、花や葉に水滴がたくさん並んでいる場合など、オートフォーカスでは思ったところにピントが合わないことがあります。マニュアルフォーカス(MF)かダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)でピントを微調整しましょう。

マニュアルフォーカス(MF)かダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)でピントを微調整する

繊細なピント合わせが必要なときは、マニュアルフォーカス(MF)でピントをコントロールします。
初心者のかたにはダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)がおすすめです。ダイレクトマニュアルフォーカスは、オートフォーカスでピントを合わせたあと、シャッターボタンを半押ししたままフォーカスリングを少しずつ回してピントを微調節できるので、好きな位置にピントを合わせることができます。

オートフォーカスとマニュアルフォーカス(MF)

ピント拡大機能を使う

正確にピントを合わせるために、ピント拡大機能を使いましょう。
[ピント拡大]をカスタムキーに設定すると、ボタンを押すだけで機能を呼び出すことができるので便利です。

[ピント拡大]を呼び出し、ピントを合わせたい部分を拡大して表示し、フォーカスリングを回してピントを合わせて撮影します。

ピント拡大倍率やカスタムキー設定方法はカメラによって異なります。お使いのカメラの取扱説明書またはヘルプガイドをご確認ください。

ピント拡大機能を使ってピント合わせをしているイメージ画像
[ピント拡大]で水滴部分を拡大している画面のイメージ

F値でピントの合う範囲(被写界深度)をコントロールする

F値を変更することで、ピントの合う範囲(被写界深度)をコントロールします。

水滴にクローズアップして撮るときは、水滴がくっきり写るようにF値を調整していきます。水滴の大きさや被写体との距離、周囲の明るさにもよりますが、F9くらいを目安に調整してみましょう。

少し広い範囲で花房を撮るときも、F値が小さすぎるとぼけすぎてしまい、どこにピントが合っているかがわかりにくくなるため主題があいまいになってしまいます。花房の重なり具合いや水滴の様子をよく見て、見せたい部分にピントが合うようにF値を調整していきます。

ぼけを効果的に使うためにもF値が関係してきます。ぼけを効果的に使い主役を引き立てるをあわせてお読みください。

手ブレを防ぐ

花や水滴のクローズアップ撮影では手ブレに注意しましょう。
撮影環境にもよりますが、一般的に、レンズの焦点距離分の1よりシャッター速度が遅いと手ブレが発生しやすいと言われています。

1/レンズの焦点距離 ⇒ 手ブレが発生するシャッター速度の目安

例えば、90mmのマクロレンズで撮影する場合は1/90秒以下のシャッター速度でブレやすくなります。手ブレ補正機能を有効にすると、この目安よりシャッター速度を遅くしてもブレにくくなるので、手持ちで撮影するときは手ブレ補正機能を有効にしましょう。

ぼけを効果的に使い主役を引き立てる

きれいなぼけは、主役を際立たせる効果があります。また、ふんわりとしたイメージ作りもできるので、花の撮影ではぜひ覚えたいテクニックです。

何を伝えたいか、どんなイメージにしたいかを考えながら、F値や被写体との距離、ピントを合わせる位置などを変えて、いろんなパターンで撮ってみましょう。

F値を小さくするほどぼけの量が多くなる

AモードでF値を変更すれば、ぼけの量をコントロールできます。F値を小さくするほど大きくぼけて、F値を大きくすればぼけの量が少なくなります。

被写体に近づくと前後が大きくぼける

この作例はどちらもFE 90mm F2.8 Macro G OSSで同じ被写体を撮影しています。F値とシャッタースピードは同じです。被写体にぐっと近づくことで、手前の花と背景を大きくほかすことができます。

ぼけの大きさをコントロールするには上記で説明した「F値」と「被写体との距離」以外に「焦点距離」と「背景との距離」が関係してきます。F値の設定やぼけの要素について詳しくは以下のページをご覧ください。

ピントを合わせる位置を変えて印象を変化させる

ピントを合わせる位置を変えて、背景ぼけや前ぼけを効果的に使うことで、写真の印象を変化させることができます。
手前の花にピントを合わせて雨に濡れた花を強調したり、奥の花にピントを合わせて前ぼけや背景ぼけを活かしたり、撮りたいイメージに合わせて構図を調整して撮影しましょう。

マクロレンズを使ってみよう

雨の日は身軽に出かけたいもの。特別な場合を除き、レンズ交換をしないですむように、レンズを一本に決めて出かけましょう。マクロレンズはそれ一本で多彩な表現が楽しめます。クローズアップだけでなく、広い範囲を写してもきれいに撮れます。

マクロレンズの特徴について、以下のページで詳しく説明しています。
マクロレンズの特徴

ボディ、レンズともに、35mmフルサイズとAPS-Cフォーマットがあります。
35mmフルサイズのボディにAPS-Cのレンズを装着したり、APS-Cのボディに35mmフルサイズのレンズを装着することも可能です。詳しくは以下のページをご覧ください。
APS-Cフォーマットのボディまたはレンズと35mmフルサイズのボディまたはレンズを組み合わせて使えるか

  • 光学式手ブレ補正機構の搭載により、手持ちで高精度な等倍撮影ができる90mmの中望遠マクロレンズです。Gレンズならではの柔らかく美しいぼけ味を実現し、遠距離から至近距離までピントが合った被写体を鮮明に描写します。

  • 中望遠マクロレンズと比べてより広い範囲の背景を入れたフレーミングを楽しめる50mmの標準マクロレンズです。本格的なマクロ撮影による作品づくりから、テーブルフォト、スナップ、風景、ポートレートの撮影まで幅広いシーンで活躍します。

  • 約138gと軽く、手軽に持ち歩けるAPS-Cフォーマットの等倍マクロレンズ。最短撮影距離約9.5cmまで被写体に近づけるので、花や小物などの近接撮影はもちろん、テーブルにある料理も座ったままで撮影できておすすめです。

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デジタル一眼カメラ α(アルファ)で写真撮影を楽しむ

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