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磁気テープを使ったビデオシステムにおいて良好な画質と音質を得るためには、常にVTRヘッドと磁気テープとの間の十分な密着度を保つことが重要となります。
このヘッドとテープ間の十分な密着性を確保するためには、常にVTRのコンディションを良好な状態に保つことが重要となります。
そのためにはVTRの定期的なメンテナンス実施はもちろんのことですが、日常のVTRのヘッドや走行系のクリーニングも重要なテーマとして位置付けられます。 |
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VTR は長い間使用していると、テープ表面から脱落した細かい磁性粉やVTR 室内のホコリなどが徐々に堆積し、ビデオヘッドに付着します。この磁性粉やホコリがヘッドとテープの密着を妨げ画質を低下させる要因となり、最悪の場合ヘッドクロッグ ※ を起こし記録・再生ができなくなります。また、場合によってはビデオヘッドに傷をつけてしまい、これによりテープ表面にも傷をつけ、ドロップアウトの発生原因にもなります。たとえばベータカムシステムのビデオヘッドは、テープ上を時速24.8km で走行し、1 μm(1 /1,000mm )以下の小さな信号を記録・再生しています。このような高い精度を常に維持し、高画質・高音質を得るためにも定期的なクリーニングが必要となります。
※ヘッドクロッグ…VTR ヘッドのギャップに磁性粉やホコリなどが詰まってしまうこと |
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クリーニングの方法は、一般的にクリーニング液とクリーニングクロスによる方法が用いられています。この方法は、ビデオヘッドや固定ヘッド、ガイド系など、テープ走行系全般の汚れを落とすことによってかなり確実なクリーニングができます。しかし、ビデオヘッドが以下の状態になった場合、この方法では回復しません。 |
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1. |
ヘッドの表面にテープの組成の一部であるバインダーがこびりついた場合 |
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2. |
環境粉塵などの異物巻き込みによりヘッドが傷ついた場合 |
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これらを回復させるには、クリーニングカセットの使用が有効です。クリーニングカセットにはわずかながら研磨性を持たせてあるため、ヘッド表面が上記のような状態になった場合でも、それをある程度まで回復させることができます。 |
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また、ビデオヘッド表面は長時間使用していると少なからず劣化してきます。ヘッド表面に定期的な磨きをかける意味でも、クリーニングカセットの使用は有効なこととして位置付けられます。 |
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【使用方法】 |
1. |
通常カセットと同じように、クリーニングカセットをVTRに挿入します。 |
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2. |
テープローディングと同時にREC またはPLAY モードにし、約5 秒経過後、素早くEJECT します。(VTR がレコーダーである場合、REC モードで行うとVTR カウンターによる時間把握が可能)。 |
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【使用上の注意】 |
1. |
スタンバイモードのままで放置しないでください。 |
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2. |
クリーニングカセットは、REC またはPLAY モード以外のモードでは走行させないでください(適正なクリーニング効果が得られません)。 |
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3. |
1度走行させた部分はクリーニング力がなくなりますので、全長使用後は新品カセットと交換してください。 |
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4. |
5回以上クリーニングしても効果が得られない場合は、クリーニングカセットの使用は中止してください。この場合、他の原因が考えられますのでVTR 全体の点検が必要となります。 |
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【定期的運用ガイドライン】 |
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VTR使用時間(走行時間)にて、約50時間ごとのクリーニングを推奨いたします。 |
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クリーニングカセットによるヘッドクリーニング方法はヘッド表面を研磨する方法ですが、その量はごくわずかになるように設計してあります。
磨耗の程度は5 秒のクリーニング時間で 0.05 μm とわずかであり、たとえ5 0 時間ごとに1 回5 秒のクリーニングを実施したとして、トータルオペレーション時間が1,000 時間の時でも、クリーニングカセットが削った量は1 μm 程度です。この量はヘッド有効デプスの約1 /20 でしかありません。
VTR ヘッドを常に良好なコンディションに保つために、クリーニングカセットの持つ特長を正しく理解し、有効な活用をお勧めいたします。 |
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