商品情報・ストアデジタル一眼カメラ αα99 開発者インタビュー
第5回 カメラ機構/ユーザーインターフェース編 使いやすさと信頼性から引き出されるα99の表現力

撮影者の想いを作品に乗せるため、デジタル一眼カメラにはカメラとしての造形美と同時に手になじむ道具としての使いやすさが求められる。また、撮影シーンを問わずいつでも狙いどおりの表現ができることから生み出されるカメラへの信頼感は、撮影への集中力を高めてくれる。メカ設計を担当した岡崎と、各種インターフェースなどのソフトウェア開発を担当した生川に、α99の使いやすさの源と信頼感へのこだわりを聞いた。

素早く確実な操作を生み出す、ハードウェアとソフトウェアの工夫

──風景やスポーツなど、さまざまな撮影シーンで常に素早く確実な操作が求められます。α99の素早く確実な操作の源はどこにあるのでしょう。

岡崎:“α”シリーズで一貫した操作感を提供するため、α99のボタン配置は基本的にα77を踏まえてレイアウトしていますが、プロやハイアマチュアを想定してチューンアップしています。手に持ってみるとボタンやキーの存在感の強さを感じるはずです。α99はファインダーをのぞいて撮影をされる方が多いという想定のもと、ボタンを見ずともボタン操作ができることを考慮しています。隣り合うボタンで頂点部分の形状を変えるとともに、各ボタンの高さにもそれぞれ変化をつけています。ファンクションキーやマルチセレクターなどよく使うボタンは高く盛り上げることで、手探りでもすぐにアクセスすることができます。

──確かに、指先に伝わる感触でどのボタンやキーに触れているのかが分かりますね!また、どのボタンも押した時の感触が指に伝わってくるのですが、音はしません。

岡崎:α99では写真だけでなく動画を撮影する機会も多いでしょう。動画撮影に配慮して、各操作ボタンの接点にはゴムを使用して操作をほぼ無音化しています。また、ボタンを防滴・防塵(ぼうじん)に配慮したシーリング構造にするとともに、HDMIなどの端子カバー部分は密閉構造として、雨中などアウトドアでの信頼性も高めています。

──操作画面(インターフェース)は、従来の“α”と比べてどのような点が進化していますか?

生川:α99の開発では「プロが納得する道具(ツール)を作ろう」というコンセプトを持っていました。α99をお使いになる方が必要とされる機能はなんだろう、ということを考えて搭載した機能のひとつが“クイックナビプロ”です。α900で搭載していた、液晶モニターにカメラの情報や設定を一覧表示して各機能を直接操作する“クイックナビ”が進化したものです。

──撮影中に液晶モニターに表示される“クイックナビプロ”の画面にはα900の面影がありますね。

生川:設定や情報を液晶モニターに一覧表示する“クイックナビプロ”は、ファインダーとあわせて使うことで写真の仕上がりが予想しやすくなります。そして設定を変えて撮影したいときにも、現状の設定内容をすぐに変更できます。いずれも、プロの道具としてあるべき姿を考えた結果、生まれてきたものです。

“想い”を表現する道具に求められる信頼性

──さまざまな環境や状況で使用されるα99の信頼性への取り組みとはどのようなものがありますか?

岡崎:α99の上部と後部の外装部材には、マグネシウムを採用しています。マグネシウム素材はα900など以前からも使用していましたが、α99ではボディ内部の構造体(フレーム)にも用いているのが特長です。カメラはいろいろなシーンで使われますし、撮影の流儀も人それぞれです。α99は信頼できる道具として常に撮影者に応えなければなりません。
さらに機構部分についても、シャッターにカーボン製の羽根を採用することで耐久性を20万回に引き上げることができましたが、そういった個々の性能向上がカメラの信頼性につながってくるものと思います。

──ボタンの配置などは好みもあって完全な“正解”を導くことが難しい問題でもあります。

生川:AEロックやISOボタン、AF/MFボタン、カスタムボタン、プレビューボタンとα99はボディの背面右側と上部に、31種類の機能を割り当てられるボタンを配置しています。また、左前面にはダイヤル操作が可能な新機能、サイレントマルチコントローラーを備えました。サイレントマルチコントローラーにはAFエリアや露出補正など好みの機能を割り当てて、その機能をダイレクトに操作することができます。

それぞれが相関関係にある、使いやすさと疲れにくさ

──実際にα99を手にすると、フラッグシップ機としては小さく、かつ軽量な印象を受けます。

岡崎:α99のようなフラッグシップ機においては、撮影者の表現したいことを正確に写真へと反映できることが先にあります。しかし小型・軽量であることももちろん重要ですので、不用意に重くならないようにということは常に心がけていました。また、α77のグリップ部は握りやすいと大変好評をいただきましたが、α99のグリップ部はα77からさらに高さを増しています。α77の開発時からグリップ性の向上には注力しており、性別や人種、民族の壁を超えて評価を重ね、α99ではより最適な形状になるように作りこみました。

──確かに、α99のグリップ部は指だけでなく、手のひら全体で握れる形状になっていますね。

岡崎:また、背面の指置きも親指の収まりがよくなるように面積を広げています。α99は指先だけではなく手のひら全体を使ってグリップ部を握ることができ、そして親指が自然に指置きに収まることで力を入れなくてもカメラ全体をしっかり固定できます。特に動画撮影時は長時間、緊張感をもってカメラを構えることになります。手ブレや操作ミスが起こらないように、手を尽くしてカメラを持つ手を疲れさせないようにしなくてはなりません。

数字だけでは表現できない良さがα99にはある

──撮影の楽しさや心地よさは使いやすさに大きく左右されます。お二人が考える、数値では表せないα99の魅力とは?

岡崎:重さや大きさとは異なり、使いやすさは数字や図に表わすことのできない感覚的な要素です。α99はプロが使用する表現のための道具ですから、ボディサイズや重量のほかにも、堅牢性、信頼性、そして使いやすさまでを含めたトータルのバランスがもっとも重要だと考えています。道具としての理想的なバランスを追求した結果として、数値以上に軽く小さく感じるカメラができたともいえます。ぜひ一度、α99を手にとって、構えてみてください。

生川:動画撮影に対応したフラッグシップ機ということでα99の利用シーンやフィールドはα900と比べても大きく広がりました。どんなシーンでも心地よくスムーズに操作できることで、α99は表現したいことを確実に作品へと落とし込むことができます。そういった点では、カスタマイズ性を追求したことで、撮影者自身がもっとも使いやすい形に柔軟に変更できるという部分にも注目していただければと思います。

α99のホールドしやすいグリップ、手探りでも確実に操作できるボタンは、使いやすさを追求した“α”の思想が形となっている。カスタマイズ可能なボタンは“好み”という人それぞれの感覚をα99へと確実に反映することができる。どんな状況でもしっくりと手になじむα99の形と直感的な操作性は、撮影者の思いを作品に変える助けになるはずだ。

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