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広範囲を自然に美しく描き出す
小型軽量の超広角ズームレンズ 写真家 福田健太郎 氏

〜FE 12-24mm F4 Gが生み出す新たな広角表現〜

α Universe editorial team

常に変化する自然の美しさに魅入られて風景写真を撮り続けている福田健太郎氏。この夏に発売されるFE 12-24mm F4 Gで実際に撮影していただき、その作品を見ながらレンズの魅力や可能性について語っていただいた。

福田 健太郎/写真家 1973年、埼玉県川口市生まれ。幼少期から自然に魅かれ、18歳から写真家を志す。写真専門学校卒業後、写真家 竹内敏信氏のアシスタントを経てフリーランスの写真家として活動を開始。日本を主なフィールドに、生命に溢れる自然の姿を見つめ続けている。写真集に「泉の森」、「春恋し-桜巡る旅-」など著書多数。公益社団法人 日本写真家協会会員。

横位置でも広がりと奥行き感を出せる
超広角12mmの成せる業

――実際にこのレンズを使われて、どのようなところに魅力を感じましたか? 「もうちょっと写ってほしい」というところまで写してくれるのが12mmの最大の魅力です。Aマウントの16mmのフィッシュアイレンズ(SAL16F28)やEマウントのフィッシュアイコンバーター(SEL057FEC)が出ていますが、フィッシュアイだと歪曲というか、デフォルメ的な効果が強く出てしまいます。でも、このレンズは水平垂直がしっかり出て、自然な写りなんですけど、広く写してくれます。 例えば、屋久島とかブナの森に行くと、ドーンと存在感のある巨木を撮りたくなるじゃないですか。そんな時、根元から樹冠まで写そうとすると、正直16mmだと横位置で撮るのは厳しいシーンが多いのです。上下が切れてしまって、巨木全体を入れ込むことができない。縦位置なら16mmでも狙えるんですけどね。横位置で広がり感と奥行き感を出すには、12mmの超広角レンズが活躍します。

α7R II,FE 12-24mm F4 G 12mm,F11,1/20秒,ISO-800

例えば上の写真なんかはそうですよね。手前にドンと根と幹を置いて距離の離れているものは小さく、遠近感が強調されるようなダイナミックな構図で撮影したものです。いままでならば、この構図は縦位置でしか撮れませんでした。でも、広角12mmなら、横位置でも広い範囲を画角に収めることができます。 「16mmと12mmってそんなに変わらないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、広角側では1mm、2mm違うだけでも写る範囲はかなり違うんですよ。例えば、下の3点の写真。これはFE 12-24mm F4 Gを使って、同じ場所から焦点距離を変えて撮影したものです。

12mm
16mm
24mm

こうして比べてみると、写る範囲の差、12mmがどれだけ広い範囲を写してくれているかがわかると思います。だから、「もうちょっと広く」という時に大活躍してくれるわけです。

遠近感を強調したダイナミックな作品を撮る

――このレンズを使うと効果的な、おすすめの構図はありますか? 先ほどご紹介した巨木の写真のように、手前に印象的なものを置く構図にすると遠近感を強調したインパクトのある写真を撮ることができるので、ぜひ挑戦してほしいですね。

α7R II,FE 12-24mm F4 G 13mm,F5.6,1/1000秒,ISO-200

これはF5.6で撮影したシダレザクラの写真です。開放付近で撮影しているので、少しぼけ効果も出ていますね。距離感を誘うには、大小のギャップをつけることが大切です。さらに、ピントが合っている範囲をコントロールすると奥行きを感じさせることができるので、絞り値の選択も重要になります。

α7R II,FE 12-24mm F4 G 12mm,F16,1.6秒,ISO-100

上の写真は、シダの群生地で撮影したものです。どれも同じくらいの大きさのシダなんですが、遠近感を強調してひとつだけ巨大に見せることができました。これもレンズの効果、特長ですね。少し俯瞰で撮りながら、主役のシダだけでなく、奥の林の入れ具合も探っています。F16まで絞り込んでも、小絞りぼけによる解像感の劣化もなく、いい味を出してくれました。 αを使われている人にとって12mmは未知の画角になりますから、遠近感を強調した構図だけでなく、いろいろ試して超広角ならではの表現を見つけてほしいと思います。 ちなみに、写真をよりよく見せるためのテクニックとしては、ピントを合わせる位置が一つのポイントです。広角なんでほとんどピントが合っているように見えますけれど、フルサイズで高解像度の写真が撮れて、自分でうっとりしたいなら、画面の少し奥にピントを合わせてあげると遠景がシャープに写るんです。手前が少しぼけていても、遠景がシャープに見えた方がきれいに見え、カチッとした写真になりますよ。

レンズの性能を確信した
クリアな映像と圧巻の解像感

――解像感や性能についての感想をお聞かせください。 αのレンズはどのレンズも抜けが良いと思いますが、今回のFE 12-24mm F4 Gも、フレアやゴーストを大幅に抑制してくれました。

α7R II,FE 12-24mm F4 G 12mm,F4,1/1250秒,ISO-100

上の写真は太陽を大胆に入れ込んで富士山と花畑を撮影した作品です。レンズの性能の差ってこういうところで大きく出るんですよね。見ていただくとわかると思うのですが、とっても描写がクリア。逆光でもここまでクリアに仕上げてくれたし、絞り値を上手にコントロールすると、ゴーストが派手に出ることもありませんでした。

α7R II,FE 12-24mm F4 G 12mm,F8,30秒,ISO-320

自然風景は細かすぎて解像感を伝えるのが難しいので、人工物も撮影してみました。これは、奈良県の下北山村にある山間の古い橋です。道路の真ん中に立って左右対称に撮影しましたが、解像感は最高ですね。画面中心部の写りを見ると、Gマスターでもいいんじゃないかっていうくらい惚れ惚れするような解像感です。背面の液晶モニターを見ただけで「すごい」って思いましたね。12mmのワイドで撮影しているんですが、通常四隅の周辺部って流れてしまうんですけど、これを見る限りそれがまったくない。橋の細かいパターンもすべてきちんと解像してくれていて、もう100点あげてもいいくらい!躊躇することなく、12mmから使えるって、本当に素晴らしいです。 クリアな描写と圧巻の解像感。どちらも「このレンズは安心して使える」と確信した写真のひとつです。

広がりのある風景を撮影する時のテクニック

――超広角レンズを使って風景を撮る際のテクニックやアドバイスはありますか? 遠近法などを使わず、ただ広々とした風景を撮る場合は平面的な写真にならないように注意することが大切です。その場合、光の当たり具合や雲の位置などを考慮しながら撮ることをおすすめします。

α7R II,FE 12-24mm F4 G 12mm,F8,1/500秒,ISO-100

例えば、広大な風景をそのまま写した梨畑の写真。これは雲間のスポットライトが当たるのを待って撮影しました。順光のライティングなので何も考えずに撮ってしまうと、全部に日が当たった平面的な画になってしまいます。それをなくすために、あえて手前に影ができて、遠くに日が当たる瞬間を待ちました。それと同時に雲の流れも計算していて、中心から四方に入ってくる雲も待っていたんです。こういう状況になりそうだってイメージしながら。このように日の当たる位置や角度、雲の配置によっても立体的に見せることができるので、撮影の際にはどうすれば立体感を出せるのか、考えてから撮影に臨むといいでしょう。 12mmからの超広角は、広々とした夏の空などを撮るときにもいいですよね。空の広がり感や、山の圧倒的なスケール感をストレートに表現できる優秀なレンズだと思います。

驚くほど軽くてコンパクト。
建造物や子どもの撮影でも活躍する

――レンズの重さや大きさについてはいかがでしたか? これ、すごく軽いんですよ!これまでの常識と比べると半分くらいの重さですよね。驚くほど軽くてコンパクトに仕上がっていると感動しました。 大きさもいい感じで、鏡胴部のくびれがあるので手持ち撮影でも持ちやすいですし。あと、レンズの着脱時も指が入りやすくて扱いやすかったです。 軽いと撮影時のホールディングもしやすいんですよ。基本的に両手で支えて持ちますが、一瞬を逃したくなくて、長時間構えていると重さがしんどくなってきてしまうことがあります。でも、このレンズは、そういうことが一切ありませんでした。 風景撮影時でも軽いレンズが重宝します。機材を背負って行かなきゃいけないので。途中までは車で行ける場所も多いですが、歩かなければたどり着けない場所もたくさんありますから。着替えや雨具、食料に三脚などを合わせると、重たい時で15キロとか20キロとかの荷物を背負って行くとそれだけで疲れてしまって、徐々に写真を撮る意欲もなくなってくるんですよね(笑)。でもこのレンズなら安心して持って行くことができます。 12mmからの超広角は、風景だけでなく、建築写真を撮る方にもおすすめですね。奥行きがないのに広々と撮ってくれというオーダーにも応えられるかもしれませんし、狭い室内の撮影では大いに威力を発揮すると思います。 あと、子供の撮影とかにもよさそう。このレンズは軽いので片手で、さらにノーファインダーで撮ることもできます。超広角だからノーファインダーでもかなりの高確率で子どもが画面の中に入るじゃないですか。そうすると、自分でも意図していなかったいい表情とか、何気ない自然体の姿とかを撮れたりするんじゃないでしょうか。

スムーズで的確なリングの動きも好印象。
αとの組み合わせでフットワークも軽くなる

――リングの操作性はいかがでしたか? FE 12-24mm F4 Gは防塵防滴に配慮されたレンズです。配慮されすぎているとガチガチになって動きが重くなりますが、これは適度な感じ。リングの可動域も適度でズーミングがしやすく、トルク感も程よいです。あまり軽いと、きちっと止まってくれないんですよね。でもこのレンズのリングは、止まってほしいところでスッと止まってくれる心地よさを感じました。

――このレンズとαシリーズとの相性はどのように感じましたか? フットワークは相当軽くなりますね。ボディ内5軸手ブレ補正付きで、感度も優れているのがαの特長。そうすると、三脚を使う必要がなくなるんですよ。12-24mmの超広角域っていうのは、フットワークが軽い方がいい画が撮れるんです。フットワークを使うと「もう一歩踏み込んでみよう」と貪欲に探究できるようになりますから。 実際に使ってみて、あらゆる面でユーザーの要望に応えてくれたレンズだと実感しました。正直よく分かりませんが、レンズ設計者の思想が、いままでのレンズとは相当違っていたのではないかと思うくらい。ここまでコンパクトにまとめたっていうところに熱い想いを感じずにはいられません。 そんな革新的な超広角ズームレンズを手にすれば、きっとみなさんもさまざまな広角表現を楽しんでいただけるはず。あれもこれも写るというのは、画面を整理するのが結構難しかったりするのですが、逆に画面を整理するという楽しさを皆さん味わっていただけるのではないでしょうか。 構図やボジショニングを考えながら、美しく印象的な風景写真をたくさん撮っていただきたいと思います。

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