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デジタル一眼カメラ α(アルファ)で写真撮影を楽しむデジタル一眼カメラ α(アルファ)で写真撮影を楽しむ

  • 「15」花火大会の彩りを撮る

    木々が赤や黄色に色づく紅葉の季節、今年は色んな撮り方にチャレンジして、写真で紅葉を魅力的に表現してみませんか。紅葉の撮影ではAモードに設定し、絞りを自在に調整できるようにしておきましょう。全景にピントを合わせたい場合は絞りを絞って、葉っぱや枝をクローズアップして引き立てたい場合は絞りをなるべく開いて撮影するのが基本です。

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  • 拡大焦点距離:85mm(35mm判換算)/ F値:3.2 / シャッター速度:1/800秒

光の当たり方を考えよう

カメラの設定の前に、まずは光の特徴と活かし方を見てみましょう。紅葉は光の当たる方向や時間帯、天候で結果が大きく変化するためです。
晴天の場合、光の当たり方はおおまかに順光サイド光逆光に3つに分類されます。

順光
  • 拡大写真:福田健太郎順光で撮影 焦点距離:35mm / F値:10.0 / シャッター速度:1/50秒

被写体に対し、正面(カメラ側)から当たる光を順光といいます。順光での撮影では、色鮮やかで見た目に近い自然な感じで撮影することができます。一方で影が出ないため、立体感に欠けた平凡な写真にもなりがちな光でもあります。

サイド光
  • 拡大写真:福田健太郎サイド光で撮影 焦点距離:200mm / F値:8.0 / シャッター速度:1/60秒

被写体に対し、横方向から当たる光をサイド光といいます。サイド光での撮影では、木々に影が出るため風景に立体感を出すことができます。もし夕方に撮影をする場合はぜひ一枚狙ってみましょう。

逆光
  • 拡大写真:福田健太郎逆光で撮影 焦点距離:11mm / F値:14.0 / シャッター速度:1/30秒

被写体に対し、背後から当たる光を逆光といいます。逆光で葉を透過させると、透明感が出て色鮮やかになり、葉が輝くような写真を撮ることができます。また、暗い背景利用すると、明暗差のコントラストでドラマチックな表現ができるため、積極的に逆光を活用しましょう。

逆光でレンズに太陽光が直接入ると、画像のコントラストや彩度が低下してしまうことがあります。その場合は、カメラと太陽光や葉っぱの角度を調整して、レンズに直接太陽光が入らないように工夫しましょう。また、レンズに向かって強い光が入るため、被写体が暗くなりがちです。被写体が暗かったり、思うように鮮やかさが出ないと感じるときは、露出補正を+方向に設定し、イメージ通りの明るさに調整しましょう。

  • 逆光がレンズに直接入ってしまった場合

このように、撮影時は太陽の向きを考えながら色んな光で撮ってみましょう。
また、紅葉は晴れの日だけでなく、曇りや雨の日もそれぞれ違った表現で撮影ができるチャンスです。曇りの日は、晴天の時のような鮮やかさは出ませんが、柔らかい光が全体に回り込むため、不要な影が出ずにしっとり落ち着いた表情になります。

  • 拡大写真:福田健太郎曇りの日に撮影

雨の日もよい写真を撮るチャンスです。雨の中では光がさらに柔らかくなり、色もさらに落ち着いてきます。また、葉についたホコリが洗い落とされて地面や葉についた水滴がしっとりと光ります。

  • 拡大写真:福田健太郎雨の日に撮影 焦点距離:115mm / F値:11.0 / シャッター速度:1秒

曇りや雨の日に空を構図に入れると、白い空が目立ち平凡な印象の写真になりがちです。そのような場合には、空を入れずに思い切って風景のみを切り取ると、メインである紅葉が際立ち、印象的な写真に仕上がります。

イメージ通りに撮るには

紅葉をイメージ通りに撮るには、光の方向に加えて、カメラでの明るさや色の調整が欠かせません。カメラはオートで適正と思われる明るさや色を割り出してくれますが、それが撮りたいイメージや感じた印象と一致するとは限りません。もしイメージした通りにならない場合は、露出補正ホワイトバランスの調整をしてみましょう。自分のイメージに合う一枚が本当の「適正」な色や明るさです。
必要になる調整は光の方向や天候、被写体によって様々なので、ここではいくつか例を見ながら説明をしていきます。実際の撮影の際は、カメラの背面液晶を見ながら調整し、何枚かシャッターを切りながら伝えたいイメージに近づけていきましょう。

露出補正を使う
  • 拡大写真:福田健太郎露出補正:0

  • 拡大写真:福田健太郎露出補正:+2.0

逆光で背景が明るいため、紅葉が暗く重たい印象で写ってしまいました。このような場合では、露出補正を+方向に調整することで、紅葉の色を鮮やかに引き出すことができます。背景は少しオーバー気味になる程度に調整してもよいでしょう。

ホワイトバランスを使う
  • 拡大WB:Auto

  • 拡大WB:曇天

また、鮮やかさを強調するにはホワイトバランスも有効です。曇りや日陰で紅葉を撮影する際には、ホワイトバランスを[曇天]に設定をすると、全体の赤みが増し、紅葉の赤や黄色をより鮮やかに表現できます。さらに細かく色を調整したい場合は、ホワイトバランスの微調整も有効です。
風景撮影やスナップ撮影では、より色鮮やかに表現するためにクリエイティブスタイルから彩度を高めに調整する場合も多いのですが、見ごろの紅葉は元々の彩度が高いため、色が飽和して立体感が失われる場合があるのであまりお勧めできません。

  • 彩度を高めに設定。紅葉の赤色が飽和してのっぺりしています。

まずは彩度よりも露出補正とホワイトバランスの調整で試してみるのがポイントです。
もちろん色味も個人の好みなので正解はありません。下の写真のように、曇りの日にあえてホワイトバランスで青みを足し、「寒さ」や「静けさ」を表現するような場合もあります。

  • 拡大写真:福田健太郎天候:曇り WB:太陽光

色んな構図で撮ってみよう

色や鮮やかさをコントロールできるようになったら、色んな構図で紅葉を表現してみるとより楽しみが広がります。

レンズによる表現の違い

下の写真のように、同じ紅葉の風景でも、広角と望遠によって写り方がガラリと変わります。広角は迫力を生み、望遠は引きよせとボケ描写に優れています。それぞれの特徴を活かして、紅葉のよい部分を引き出してみましょう。

  • 拡大写真:福田健太郎広角側で撮影 焦点距離:18mm / F値:8.0

  • 拡大写真:福田健太郎望遠側で撮影 焦点距離:90mm / F値:8.0

【広角で撮る】

広角(ズームレンズの場合、焦点距離の短い側)では広い範囲の風景を収めることができますが、遠近感や高さをより強調した、ダイナミックな表現も得意とします。また、ぼけが小さいので広い範囲にピントを合わせることができます。全景を収める場合、絞りはF8.0〜11程度が目安です。

  • 拡大写真:福田健太郎焦点距離:11mm / F値:8.0 / シャッター速度:1/25秒

広角レンズで上を見上げて撮影しました。左手より勢いよく伸びる樹木の高さが強調され、画面に力強さが出ています。

  • 拡大写真:福田健太郎焦点距離:11mm / F値:10.0 / シャッター速度:1/60秒

鮮やかな紅葉にぐっと近づいて撮影。広範囲に写る背景との対比でダイナミックな写真になりました。このように、前後の対比で主役を引き立てるのも広角ならではの表現方法です。また、絞りもF10まで絞ることで、背景もぼけ過ぎずにしっかり描写できています。

【望遠で撮る】

望遠レンズ(ズームレンズの場合、焦点距離の長い側)は被写体の背景を大きくぼかしたり、遠くの山々に広がる風景から、印象的な部分を引きよせて切り取ったりすることができます。また、遠くにつらなる山々と手前の風景の遠近感をなくして1枚の画像に収める「圧縮効果」も得意です。

  • 拡大写真:福田健太郎焦点距離:200mm / F値:3.2 / シャッター速度:1/80秒

望遠レンズで思いきり紅葉によって撮影。前後が大きくきれいにぼけています。望遠になればなるほどピントの合う範囲が狭くなるため、背景を大きくぼかして紅葉の葉を引き立たせることができます。ぼけを大きくしたい場合は、絞りをなるべく開いて撮影しましょう。
また、このような写真を撮る際には背景の色にも気を配ってみましょう。上の写真では、背景に黄葉が入り、全体が鮮やかな印象に仕上がるような角度で撮影されています。

  • 拡大写真:福田健太郎焦点距離:焦点距離:160mm / F値:8.0 / シャッター速度:1/60秒

美しい風景に出会うと、目で見える範囲のすべてを写真に収めたくなります。しかし、いざ写真に撮るとそのときの感動が全然伝わらない、そんな経験はないでしょうか。写真には思いのほか不要なものが映り、散漫になってしまうからです。漫然と広い範囲にカメラを向けるのではなく、いちばん象徴的な部分を見つけだし、望遠側で引きよせて切りとってみましょう。上の写真では、いちばん紅葉のきれいな部分を大胆に切り取っています。

  • 拡大写真:福田健太郎焦点距離:150mm / F値:11.0 / シャッター速度:1/4秒

また、望遠での撮影は、風景の奥行きを圧縮した絵づくりも得意です。上の手前の黄葉、奥の針葉樹、背景の山々はそれぞれ数キロずつ離れていますが、ぎゅっと圧縮されてとても印象的な一枚に仕上がっています。

色んな視点とアイディアで表現する

紅葉撮影は木々や葉だけが映える被写体ではありません。渓流や湖など、周辺の景色を入れることで紅葉を引き立たせてみたり、落ち葉だけでも秋の風景を表現できます。広い視点でいろんな被写体・構図を試してみて、紅葉の撮影を自由に楽しみましょう。

  • 拡大写真:福田健太郎【1】焦点距離:50mm / F値:2.8 / シャッター速度:1/8秒

  • 拡大写真:福田健太郎【2】焦点距離:70mm / F値:7.1 / シャッター速度:1/160秒

【1】 秋も終わりに近づいた頃に、足元の水たまりに浮かぶ落ち葉を撮影。真っ赤に色付いた木々ばかりが紅葉ではありません。紅葉の最盛期を過ぎても、秋の風情はいたるところにあります。 【2】 水滴をとどめた落ち葉だけでも「秋」が感じられます。

  • 拡大写真:福田健太郎焦点距離:35mm / F値:10.0 / シャッター速度:1/15秒

木々の他に、紅葉の名脇役、時には主役となるのが、湖、池や川です。色づいた木々が、湖面にどう映っているかにも注目してみましょう。

高倍率ズームレンズを使う

紅葉の撮影に便利なのが高倍率のズームレンズです。広角から望遠までを一本でこなせるので、レンズ交換無しで多彩な表現が可能になります。宿泊旅行や登山、ハイキングなど、なるべく荷物を軽くしたいシーンで特に重宝します。

使用頻度が高い広角24mmから中望遠105mmまでをカバーし、レンズ1本でスナップから人物、風景、ウェディングなど多彩な撮影シーンに対応する標準ズームレンズです。ズーム全域で画面周辺までシャープな描写を追求しながら、Gレンズならではの美しいぼけ味が楽しめます。

α7シリーズにマッチする、軽量・コンパクトな望遠ズームレンズ。最新の光学技術を採用し、ズーム全域でソニーのGレンズならではのぼけ味や圧倒的な解像力を実現。非球面レンズには、ソニー独自の高度な成型技術を用いた高度非球面 AA(advanced aspherical)レンズを2枚採用。さらに、反射率を大幅低減するソニー独自の「ナノARコーティング」や、スーパーEDガラスなどの先進技術を惜しみなく投入しています。また、9枚羽根構成の円形絞りの採用により、無限遠から近距離まで鮮鋭に描くだけでなく、なめらかで自然なぼけ表現が可能。機能面ではリニアモーターを2個搭載し、高い機動性を実現。使いやすい全域開放F値4固定、ズームやフォーカス時に全長が変わらないほか、フォーカスホールドボタン、フォーカスレンジリミッターなどをレンズ本体に配し、使いやすさにも配慮しています。

広角27mmから望遠300mm相当(35mm判換算)まで幅広い撮影領域をカバーする、光学約11倍のEマウント専用高倍率ズームレンズ。軽量・コンパクトボディで、旅行などで持ち歩くのに最適です。光学式手ブレ補正機能を内蔵し、手ブレしやすい望遠撮影時も、手ブレをしっかり抑えます。また静かでなめ らかなオートフォーカスを実現。レンズ外装は高級感あるブラックを採用し、高品位な外観に仕上げています。

以下はAマウントレンズです。Eマウントのボディで使うにはマウントアダプターが必要です。
AマウントとEマウントについて

広角27mmから望遠375mm相当(35mm判換算)までを1本でカバーする、APS-Cフォーマットのデジタル一眼レフカメラ専用の高倍率ズームレンズです。非球面レンズ2枚、EDガラス2枚を使用し、諸収差を良好に補正。ズーム全域で高画質が得られます。最大撮影倍率は0.29倍、マクロ撮影にも威力を発揮します。また、レンズの自重で鏡筒が伸びることを防ぐズームロック機構採用で携行性を高めています。円形絞りによる美しいボケ味や、インターナルフォーカシングによるスムーズなAFも実現しています。

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