商品情報・ストア空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display) 事例紹介 神奈川歯科大学歯学部・神奈川歯科大学大学院XR研究所様

神奈川歯科大学歯学部・神奈川歯科大学大学院XR研究所様

高精細な裸眼立体視で学生の理解を深め、歯学・医学教育の発展に貢献する 空間再現ディスプレイ ELF-SRシリーズ

神奈川歯科大学では、他大学に先駆けていち早く文部科学省の「大学改革実行プラン」に対応し、超高齢社会のエンジンとなる新たな歯科医師の養成に向けた教育プログラムを実施。また、国際的に活躍できる歯科医師の育成も視野に入れ、各学年にアジアからの留学生を受け入れています。隣接する附属病院での実習も充実しており、教育、臨床、研究の3点を重視した最先端の環境のもと、高き人格と豊かな見識を養い、かつ歯科医学に関する高度な学術理論および技術の教授・研究を通して、有能な歯科医師を養成しています。

神奈川歯科大学 歯学部 総合歯学教育学講座
教養教育学分野長 教授
博士(政策・メディア)
神奈川歯科大学大学院 XR研究所 所長
板宮 朋基 様

装着型デバイスのさまざまな課題を解決する空間再現ディスプレイ

私はもともと3D-CGや画像処理学を専門としており、本学では数学・物理系の科目を教えるほか、教育支援アプリの開発やVR/ARの歯学分野への応用を研究する大学院生の指導などを担当しています。歯学部に私のようなVR/ARが専門の専任教員が在籍しているところも、他所にはない本学の特徴の1つかもしれません。口腔内など人体の構造に関する教育において、3D技術の活用は必要不可欠です。かつてはヘッドマウンティッドディスプレイ(以下、HMD)やスマートグラスを学生に装着させて指導していましたが、昨今のコロナ禍で、マスクをしたまま装着するとレンズが曇ったり、1人が装着したあと別の学生に装着させる際に消毒などの手間がかかるなど、装着型デバイスの運用に限界を感じていました。また、装着した学生が何を見ているか外からは容易にはわからず、メイクやヘアスタイルが崩れるのを敬遠してあまり装着したがらない学生もいるなど、数々の課題がありました。

ちょうどそんな時にソニーの『空間再現ディスプレイ(以下、SRD)』が発売され、直感でこれはすごそうだと感じ早速ELF-SR1を1台購入。その性能の高さに可能性を感じ、届いたその日に3D-CG表示アプリを作成。1カ月後には約120人が受講する実習で活用を開始しました。その後も徐々に台数を増やしていき、現在はELF-SR1が13台、のちに発売されたELF-SR2が2台、合計15台を導入しています。

板宮教授が開発した「DSR View」でCT画像から作成された3D-CGモデルを表示したSRD

教員も学生も驚く、SRDの高度な3D再現性能

SRDの表示画面を初めて見たとき、「これこそが本物の立体だ」と、そのクオリティの高さに感動しました。今までHMDなどで見ていた3Dはいったい何だったのかと感じるほど、SRDの立体表示のリアリティは群を抜いていました。裸眼で立体視できるので、デバイスを装着する際の負担もありません。体験した学生たちからも非常に好評で、こちらが使い方を詳しく指導する前に、SRDの画面をかじりつくように見て、自分たちで自発的に操作して学習しています。たとえば、解剖実習中では十分に把握できなかった立体構造をSRDで確認して理解し、次の実習に生かすといった好循環も生まれています。3D-CGモデルの立体表示に加えて、2眼カメラで撮影した実写ステレオ映像の裸眼立体視表示アプリも開発し、口腔外科学や解剖学の実習における活用を始めています。また、指導している大学院生とSRDの歯科医学応用の研究を行い、査読付き論文が複数採録されました。その大学院生は2023年3月に博士(歯学)を取得し、SRDが研究にも大いに役立つことが示されました。今後も学位取得予定の大学院生が複数控えています。

学生はもちろん、周囲の歯科医師・医師の先生方にも見てもらうと、みなさん「これはいいね」と絶賛されます。歯学・医学の領域とSRDの親和性の高さが実感できます。そのほか、学会で紹介したり一般の方が来場されるイベントで展示すると、飛び出る3Dモデルを思わず触ろうとするなど、やはり食いつきが違います。実機をご覧になった方は欲しくなるようで、実際に購入につながったこともあります。これからもさまざまな機会でSRDの素晴らしさを広めて行きたいです。

実習で学生がSRDを活用する様子

SRDの登場で感じた、装着型デバイスから裸眼立体視への潮流

これまで本学では15台のSRDを導入しましたが、今後さらに台数を増やしていく予定です。SRDの登場によって、パラダイムシフトが起こりつつあると感じています。私も含め、これまで課題を感じつつもHMDを使用していた先生方が、SRDを一回体験すると裸眼立体視を選ぶようになってきています。この流れはますます加速し、裸眼立体視が教育現場における主流になる時期もそう遠くないと思います。

歯学の分野は、狭い口腔内で痛みをできるだけ感じさせないように歯を丁寧に削り、時には視野が非常に限られる中で麻酔を打つ必要があり、歯科医を目指す全員に技術が求められます。ひとりひとり少しずつ異なる人体の立体的な構造を正しく理解することは、歯学・医学において非常に重要です。SRDを活用すれば、学生たちの理解を効率的に深められ、教育効果を高めていくことができると実感しています。それが患者さんの健康や命を守ることにつながるはずです。次の展開としては、触覚技術を併用し、学生が遠隔で教員の模範手技を学べるシステムの実用など、今後もSRDの活用の幅を広げていきたいと思っています。まだご覧になっていないかたは、ぜひ一度実機をご体験いただきたいです。

ELF-SR1/BZ ELF-SR2

空間再現ディスプレイ ELF-SR1/BZおよびELF-SR2は、ソニー独自の視線認識技術により、裸眼のままでもクリアで色鮮やかな立体視を再現するディスプレイです。あたかもそこに実物が存在するかのような実在感のある空間表現が、クリエイターのコンテンツ制作やデザインの確認をはじめ、美術館、博物館、イベント会場やショールーム、教育用途、店舗など、幅広い分野で新たな可能性をもたらします。

※本製品は医療機器ではありません

空間再現ディスプレイ
ELF-SR1/BZ

商品情報

空間再現ディスプレイ
ELF-SR2

商品情報

板宮教授が開発されたソフトウェア『SR View』『DSR View』『SRD Movie Player』

板宮教授自らが開発されたソフトウェア『SR View』は、3D形状の標準ファイルフォーマットであるSTLを取り込み裸眼での立体視を実現するSRDに表示することが可能です。OBJやPLYデータにも対応し、テクスチャのカラー表示も可能で、任意の3点の距離と角度を測定することもできます。同一LAN内にある複数SRD間の表示・操作内容の同期も可能です。『DSR View』は、CT/MRI/CBCTで撮影されたDICOM形式の2次元画像を3D-CG化しSRDにおいて立体表示できます。複数の閾値の同時設定によるカラー表示や任意の断面の表示も可能です。『SRD Movie Player』は、Side by SideまたはTop and Bottom形式のステレオ映像ファイルを読み込み、SRDで裸眼立体視できます。過去に録画された映像のほかに、左右映像別系統入力によるライブ映像の立体視にも対応しています。
※これらのソフトウェアはプログラム医療機器ではありません

『SR View』など板宮教授が開発されたアプリの情報はこちら
https://www.sony.net/Products/appselect-spatial-reality-display/jp/