ネットワークカメラ/防犯・監視システム

マンション 若葉台マンション管理組合様 システム構築
株式会社日本ロックサービス様
ビデオテクニカ株式会社様
世帯数392戸の11階建て大型マンション。管理組合が主体となって、効率的で住民にとって本当に必要な防犯カメラシステムを、徹底した検証を積み重ねながら整備。2017年11月からは4Kネットワークカメラの本格運用をスタート。

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若葉台マンション管理組合様

導入前の課題・目的
長期の整備計画に基づき、既存のカメラシステムでの問題点を洗い出し、設定した監視エリアを余すことなく映像記録する必要があった。
導入による効果
4Kの鮮明な映像で人や車両の往来を捉えることができた。
安心安全性が高まってマンションの価値向上に貢献。

藤原 堯様 陣内 毅 様

若葉台マンション
管理組合 理事長 藤原 堯 様(写真左)
管理組合 理事 施設長 陣内 毅 様(写真右)
にお話を伺いました

マンション全体の安心安全性を高める

若葉台マンションは、埼玉県の中央、坂戸市にある世帯数392戸の11階建て大型マンション(1982年竣工)です。
1万4千平米を超えるゆとりのある敷地内にはプレイロットもあり、近隣には緑地帯や小中高校、大学もある暮らしやすい環境です。敷地内で開催する夏祭り、餅つき、お花見などのイベントはとても盛り上がります。住民同士のコミュニケーションが活発で、自治会や管理組合が有効に機能しています。日々の住環境や将来のマンションのあるべき姿についてみんなが話し合える雰囲気があります。このような良好なコミュニティーがあるからこそ防犯カメラが機能しているのだと思います。

近年の大規模改修で敷地全体の防犯機能を調査して、バルコニー側の外構フェンスを進入しにくいように丈の高いものに全面交換したり、視界を遮っていた樹木を剪定したり再整備をしてきました。カメラ監視においては必要なエリアを設定して、人や車両が行き来するマンションの出入り口側を監視エリアとしました。大きく2つに区分して、建物側の「立面エリア」と駐車場やプレイロットなどの「平面エリア」が対象です。それぞれで敷地内に外部から出入りする人に意識させるカメラと、住民に意識させないカメラを配置するなど、設置の工夫をしています。


資料提供:若葉台マンション管理組合 様

立面エリアでは、エレベーター内やメールボックス、階段に加えて、住居側通路 (開放廊下)の動線監視もしています。従来は住民のプライバシーに配慮して建物側を撮影しないという防犯監視でした。しかし、残念ながら訪問詐欺の事案が発生してしまった際に、どこの住戸に犯人が訪問したのかが確認できず立証できませんでした。そのようなことがあって建物側の映像も記録することにしました。

392戸の建物全体の人の行き来を鮮明に捉えるには、高精細な映像を撮影できるカメラが必要です。そのために4Kカメラを導入しました。2017年11月から4Kカメラ3台でマンション全体の開放廊下を余すことなく撮影しています。
平面エリアでは、敷地内に出入りする人物の識別、駐車中車両の監視、車両番号の認識をしています。駐車場全体を俯瞰するために、建物の最上階に4Kカメラを設置して撮影しています。4Kカメラを採用した目的の一つにはカメラ台数を減らしたかったこともあります。死角をつくることなくカメラ台数を減らすためには、視野角をもっと広げて全体を撮影することで、これまで分割して撮影していた箇所をカバーすることができるのではと考えました。高精細な4Kカメラでは最上階の高さからでも駐車場内の人や車両の動きを細かな箇所まで確認できます。
また、建屋内ではエレベーター内の安全・安心を確保するためにエレベーター内にカメラを設置、その映像を1階エレベーターホールに表示しています。

今回、このエレベーター内のカメラを小型で広角なフルHDカメラに変更しました。従来のカメラでは画角がせまく死角が発生していましたが、広角タイプの小型カメラを採用することで死角をなくすことができました。また、解像度の高いフルHDカメラになったことで行先ボタンの視認も可能になり、有事の際の動線確認が可能になりました。


左:最上階の高さから4Kカメラで撮影された駐車場。車両間に不審者がいても容易に確認できる
右:最上階の高さに設置された4Kカメラ


左:エレベーターホールにエレベーター内の映像を表示
右:エレベーター内にカメラを設置

明確な導入方針を定めて、徹底した事前検証


カメラ解像度と画質の現場撮影比較(駐輪場)
資料提供:若葉台マンション管理組合 様

防犯カメラを設置すべき場所を先に決めてからエンジニアリング会社との事前試験に臨みました。そこでは、複数メーカーのさまざまなスペックのカメラで比較検証しました。4Kはもちろんカメラの性能は、映像処理エンジンとレンズがいかに優れているかだと思います。その性能を確信するには、現場で実際に撮影して確認してみないとわかりません。特に、夜間や逆光の条件での映り具合を試してみるのが大切です。検証の結果、フルHDのカメラについては昼間の映像はどのメーカーのカメラでも大きな差がありませんでした。夜間画質の鮮明さがソニーを導入した決め手となりました。

最終的にソニー製カメラを選択

検討段階からメーカーには一切固執していませんでした。結果として選んだのがソニー製だったということです。エンジニアリング会社であるビデオテクニカ(株)さんとも、そういう考え方で一致していました。とにかく「良い映像を撮れるカメラを探しましょう」というのが常に私たちの考え方です。そのためには、知見の広いエンジニアリング会社と協力することが必要です。これまでには海外製カメラも導入したことがあります。

メーカーやエンジニアリング会社は製品に関する知識は豊富です。しかし、運用に関しては、導入する私たちが運用の中で感じていることをフィードバックする必要があります。なぜなら日常の住民や外部からの人や車両の出入り、発生して困った事案を一番知っているのはそこに住んでいる私たちだからです。

マンションの価値を今後さらに高めるために

防犯カメラはあくまでもセキュリティー目的で設置しています。事案が発生しない限りは記録映像をチェックしません。カメラが正常に動作しているかは管理員が毎日確認していますが、その他は違法駐車などを確認する程度で、「必要以上に見ないこと」を徹底して、住民のプライバシーに配慮しています。また、なんらかの事案が発生してしまった場合、それを立証できるよう全カメラの時間同期が重要となりますが、カメラシステムは外部から完全に遮断したネットワークを構築しセキュリティーを確保しているため、GPSアンテナを独自設置して時間同期しています。

今後は、防犯カメラの台数は増やさずに監視範囲を広げるためにズーム倍率でカバーするなど機能アップをしていきたいと考えています。また、4KやフルHDを多用していると、映像管理サーバーの処理能力が圧迫されてきます。カメラの性能向上にサーバーが追いつかず、それを改善するにはコストがかかってしまいます。軽快なモニタリングを続けていく上で、そこをどう解決していくかが今後の課題であり、ソニーとエンジニアリング会社への要望です。

システム構築:株式会社日本ロックサービス 様
ビデオテクニカ株式会社 様
納入機器:<ソニー製品>4K 対応ネットワークカメラ SNC-VM772R × 7 台、SNC-EB642R ×19 台、SNC-XM631 ×10 台
※上記は納入時の構成です。閲覧される時点で販売が終了している可能性がありますことをご了承ください
<その他>ネットワークビデオレコーダー(容量 48TB)
ビデオマネージメントソフトウェア:Nx ウィットネス
クライアント PC+4K 対応モニター

2018年3月掲載