没入感が“住宅の見方”を変える(後編)\

Chamber 15
2018.04.13

没入感が“住宅の見方”を変える(後編)

“見る人の五感に訴えかけるショールーム”がコンセプトの「セキスイハイムミュージアム」。もっとも注目すべきは、映画業界で浸透してきた体感型上映システムをいち早くショールームへ導入した「MX4D」シアターです。

ここでは地震、津波、台風、火事といった身近に起こりうる災害を、映像を活用した最新の超臨場ソリューションを通して体験することができます。“バーチャル災害体験”とは、具体的に体験者へどういった感情をもたらすのでしょうか。

没入感が“住宅の見方”を変える(後編)\

より没入感を高めるプロローグ映像

ミュージアムに一歩足を踏み入れた瞬間から、“没入感”を味わう仕掛けが始まっていました。
エントランスには爽やかでどこか懐かしいアロマの香り、照明が落とされた空間には月のように優しく輝く住宅模型。そして真っ白な壁には、プロジェクションマッピングによる神秘的な滝の映像が映し出されています。先ほどまで自分がいた現実世界とはまったく異なる幻想的な空間を前にして、早くもミュージアムに対する期待が高まります。映像にある滝の流れは、集まりたたえられた水=積水(セキスイ)という社名の由来を表現している馴染み深いモチーフなのだそうです。

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続いて訪れたのが、ショートムービーを観覧するミニシアター。
来場者はアテンダントの優しいナレーションに耳を傾けながら、このミニシアターでプロローグ映像を観てからMX4Dシアターに入る、という流れになっています。
プロローグ映像のテーマは「家族」。さまざまな家族の思い出写真が、ノスタルジックなBGMとともに次々と映し出されます。誰にでも子供の時代があった。家族とともに過ごした多くの節目、数え切れない思い出とそれに対する想い。子供はいつか大人になる。大人はいつか老いてゆく。でも、我々はこれからも思い出を紡いでいく……。

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自分の家族のことを考え、思わず目頭が熱くなる映像。ちなみに、映像に出てくる写真の多くは、セキスイハイム社員の皆さんが持参した実際の家族写真とのこと。その一つ一つにエピソードが詰まっているのを想像すると、さらに心が温まります。災害を擬似体験する前のプロローグでこの展開は、まったくの予想外でした。
そして隣のMX4Dシアターへと移動し、いよいよ“バーチャル災害体験”が始まります。

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臨場感あふれる映像とリンクする仕掛けで想像を掻き立てる

MX4Dシアター内には、20席の専用シートが並んでいます。小さなお子さまや年配者用に、激しい動きが発生しない通常シートも4席設けられているのだそう。そして前方には、幅約9メートル、高さ約5メートルの大型スクリーン。手渡された3Dメガネを装着し、心を昂らせながらMX4Dシートにいざ着席。

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ムービーが始まり、まず映し出されたのが阪神淡路大震災の3D映像。映像の中で地震が始まると同時に、座っているシートも大きく振動し始めます。想像していたよりもかなり激しい揺れで、揺れ方も前後左右に不規則で予測がつきません。建物が倒壊するシーンでは、埃のような匂いがどこからともなく漂ってきました。実は、座席のアーム部分に仕掛けが。小さな噴射口から煙や埃に似た香りを出し、嗅覚から臨場感を与えているのです。

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続いて東日本大震災のシーン。静かな住宅街、庭の木には野鳥がさえずっている。そんな平和な光景を、轟音と激しい揺れが突き破る。阪神淡路大震災よりもさらに揺れは大きくなり、思わず肘掛けにかけた手に力が入ります。臨場感をより盛際立たせているのが、映像の視点。まさに今自分がそこで災害に遭い、急いで道端に伏せているかのようなリアルな被災者の目線が加えられています。

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そして、津波のシーン。さっきまでは凪いでいた海面に、気づけばビルの高さに相当する大波が起こり、海岸線いっぱいに立ち上がります。大波は防波堤を越え、町中をぐんぐん進んでくる。そして今立っている地点に迫り、自分の背丈を超える波が襲って来た瞬間……冷たい! 先ほど煙の匂いを出した肘掛けの噴射口から、今後は水煙が噴き出し、映像とリンクして観客を刺激します。

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さらに今度は台風です。豪雨が降りしきる3D映像とともにまたもシートから水煙が噴出。そして、襲いかかる猛烈な風。実際の台風と同じように片側からサーキュレーターで風を吹かせることで、まるで暴風雨の中にいるような没入感を演出しているのです。

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災害映像がひととおり終わり、まだ胸が高鳴っている中で改めて強く思うのは、災害の恐ろしさと、備えの重要さ。
その中、次に映し出されたのがセキスイハイム住宅の映像でした。震災で軒並み家が倒壊する中、唯一残ったセキスイハイムの住宅。その類まれな堅牢性を誇る住宅がどのように作られるのかを紹介するムービーです。

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そしてこのシーンにもMX4Dによる没入効果が。工場内のシーンでは、自分が今あたかも工場の中にいて、実際に鋼材を作っているような臨場感。さらに建設現場のシーンでは、セキスイハイムの鉄骨ユニットが組み上げられるところをダイナミックな視点で眺めます。

没入感が“住宅の見方”を変える(後編)

仮想体験した後、実物の鉄骨ユニットが現れる

映像体験が終了し、いよいよ最後の空間へ移動。そこに入ると、先ほどMX4Dシアターで仮想体験した鉄骨ユニットの実物が、目の前に鎮座しているではありませんか。実物で見る鉄骨は硬質感にあふれ、そこには確かな素材感や重量感が伴っています。家族のプロローグムービー、MX4Dでの疑似体験、そして最後にセキスイハイム住宅を支える鉄骨ユニットを見て感じるのは、“安心して家族を託せる家を選ぼう”。自然とそんな気持ちが頭に浮かびます。この部屋にもスクリーンが設置され、鉄骨ユニットの機能性の高さを紹介する映像が流れます。

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以上で、バーチャル災害体験は終了。(本来のセキスイハイムミュージアムのコースでは、この後も、更なるセキスイハイムの魅力が満載なのですが、今回はここまで)災害の恐ろしさを改めて感じるだけでなく、その背景には大切な家族とそれを守る家があることを考えさせられる時間でした。「災害=恐ろしい体験」で終わらせず、別のコンテンツと組み合わせてストーリー展開を持たせることで、打ち出したいものを効果的に訴求していたのが印象的でした。最後に見た実物の鉄骨ユニットを、なんと頼もしく感じたことか。

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住宅販売は製品自体も、それを取り巻く環境も規模感が大きく、購入を検討する側が実感を掴みにくいもの。しかし、買い手側にとっては生活の基盤となる“一生の買い物”だからこそ熟考したいもの。 だからこそ、家族や災害を題材にしたイマーシブ(没入型)な体験が効果的なのかもしれません。メーカーは一番伝えたいことをお客さまに伝えられる。お客さまは一番必要なものを見つけられる。双方が幸せになれる近未来的な取り組みを、ここセキスイハイムミュージアムで体感したのでした。

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セキスイハイムミュージアム

〒321-0953 栃木県宇都宮市東宿郷5-4-1
10:00〜18:00(最終受付 17:00)【定休日】火・水曜日
TEL:028-305-3118
WEB:http://www.sekisuiheim-museum.com/

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体感型4Dシアター MediaMation MX4D™システム\

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MediaMation MX4D™システム

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※SRX-R515Pは輝度15,000/11,000ルーメン、コントラスト比 8000:1(平均値)

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