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新しい日本の風景を再発見する

写真家 山本まりこ 氏

α Universe editorial team

佐世保市制120周年と針尾送信所建設100年を記念し開催された「SASEBO ART CONNECT FESTIVAL」。同フェスティバルの中心となったのが国重要文化財であり日本遺産「鎮守府」にも認定されている針尾送信所だ。そんな特別な会場で写真展を開催した写真家・山本まりこさんに屋外展示や写真の可能性について伺った。

山本まりこ/写真家 写真家。スパイスフーズ作家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。撮影、執筆、講演、講師など活動は多岐。写真集「ARIY COLORS」「熊野古道を歩いています。」、著書「エアリーフォトの撮り方レシピ」など11冊出版。好きな食べ物は、カレーとイカ。 HP:MARIKO YAMAMOTO OFFICIAL WEBSITE Instagram:https://www.instagram.com/yamamarimo/

10年前の出会いからつながった屋外写真展示

――「SASEBO ART CONNECT FESTIVAL」について教えてもらえますか?

α7 IV,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 322mm相当,F10,1/200秒,ISO100

写真の中に背の高い塔が写っていると思うんですけど、それが針尾送信所と言って、100年前に建てられた無線の送信所です。100年前というのは戦前のことなので、この塔は戦争の指令などが送られる無線塔でした。鉄筋コンクリートで130m以上あるのですが、今もすごくきれいに保存されています。その塔の建設100年を記念して開催するアートイベントが、「SASEBO ART CONNECT FESTIVAL」です。 佐世保との出会いは10年前で、当時私の作品を雑誌で見てくれた方がご連絡をくださって、佐世保の街でフォトツアーの企画に呼んでいただいたんです。2日間のツアーの中で、フォトイベントを4回ぐらい行って、本当にたくさんの方が来てくださりました。そのイベントを企画していた会社の方が今回のアートフェスティバルに携わられていて。作家を選考する時に、私のことを思い出してくれて、10年越しに声をかけていただきました。その後、コンペで選んでいただき、開催となりました。

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F2.8,1/250秒,ISO800

重要文化財での展示と屋外展示の魅力

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F2.8,1/3200秒,ISO100

――屋外での展示は今回が初めてとお伺いしました。どんな体験だったのでしょうか? 自分の作品が屋外に展示されるというのは経験が全くないので想像ができませんでした。でも、企画してくださる会社のデザイナーさんが、会場となる針尾送信所の現場写真に立体の造作物に私の写真作品を当て込んだ完成予想図を見せてくれたりして「こんな感じになるんだ!本当に嬉しい」という思いを感じたのを覚えています。同時に、10年ぶりの私でいいのだろうか、佐世保の人たちに想いに応えたい、そんな思いで本当に制作に集中しました。

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F2.8,13秒,ISO400

これは夜の展示風景です。写真に写っている青い光は、針尾送信所がライトアップされていた時の光の照り返しなのですが、実は足元で光っているライトは全部、企画してくださった方が夜の展示用に買ってきてくださったものです。ガーデニング用のライトで、ソーラーで昼の間に充電されて夜中に勝手に発光してくれるもの。1つ1つの光は弱いんですけどいっぱい灯ると、作品が展示してあるっていうのが遠くからもわかるんです。若い子とかはその光を頼りに作品を見つけて、何も言ってないのにスマホのライトを当てて作品を見てくれていました。自由に作品を楽しんで下さることが、とても嬉しかったです。

――プロジェクションされているこれは建物の中ですか?

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F2.8,1/100秒,ISO400

そうなんです。無線塔のほかに電信室という場所があるんです。そこの地下が今はがらんどうになっているので、なんかここ使えそうだな、と。屋外の写真の展示だけでも良かったのですが、動画作品をここで流したら楽しいんじゃないかなと思って。短い動画を作ってお渡ししました。

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F6.3,1/2000秒,ISO100

あと、上の写真のように、フェンスにも展示をさせてもらいました。面白かったのが、テント地に写真をプリントしているということ。既存のフェンスが写真によってアート空間になるんだと思って、本当にびっくりしました。こうやって国の重要文化財に展示していただけたというのが、すごく嬉しかったです。

アートフェスティバルによって再発見された風景

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 34mm,F3.2,30秒,ISO100

――会場ではα7 IVで撮影された作品が展示されていました。写真を拝見して、すごく美しいタワーだなと思いました。 ここはすごいですよ、本当に。海越しに撮っている針尾送信所の写真、ここは不思議な所で、見たことのない日本っていう感じでした。宇宙的。100年も前の構造物なのに、すごく未来的で本当に宇宙人が降りてきそうなそんな気がして。例えば、トルコのカッパドキアを見た時のような、日本で感じたことのない不思議な感覚を持ちながら撮っていました。

――山本さんは日本中色んなところを回られていると思いますが、そんな経験は日本ではほぼないですか? 初めてでしたね。めちゃくちゃ不思議でした。しかもここ、渦潮がすぐ近くで見えるんです。ゴーゴーと音をたてて回る渦潮を見ながら、この針尾送信所を撮る、みたいな感じです。夜中にずっと撮影をしていたら渦潮が止まって潮止まりになって、今度は海が鏡面みたいになって、それもまた不思議な感じでした。

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 105mm相当,F2.8,1/800秒,ISO100

――車から撮影している写真もありました 地元の方に針尾送信所のどんなところが好きかを聞いて、それを撮った作品です。ある人が「私は車の中から見る針尾送信所が好きです」って言われていて。針尾送信所は、無線塔3本が300mの間隔を置いて正三角形に並んでいるんですが、面白かったのが、その方は場所によっては2本に見える場所があると言われていたのです。別の方は1本に見える場所があると言っていたり。ふと考えて、1本に見えるというのは、それは無理なんじゃないか、と。

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 31mm,F4.5,1/15秒,ISO1250

一つに見える、ってどういうことか真剣に考えました。2つ重なったところに、もう1つが森に隠れているとか。そしたら一緒に話していた方が、「あー思いついた!」って言われて「何ですか」って聞いたら真ん中に立てば1本しか見えない、と!

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F4,1/4000秒,ISO100

――まさに、この写真ですね(笑)。 この写真は、役場の人とお話していた時に、針尾送信所の高さが136mという話を聞きました。そう言われても人はそれがどのぐらいかピンとこない。だいたい何と一緒かというとクフ王のピラミッドが139m、なので、ピラミッドみたいに撮った1枚ですね。

――今回、展示をされてどんな反響があったのでしょうか? 針尾送信所のある場所は、実は佐世保の中心地から車で30分ぐらい離れているんです。だから地元の人たちもなんかあそこあるよね、高い塔が立っているね、という感覚だったようです。それがこの建設100年の記念でフェスティバルが開催されフィーチャーされたことで、佐世保の町の人たちも沢山見に来られました。「こんな面白いところだったんだ!」と再発見して帰っていかれた、そういう声がいっぱいあったと聞きました。私にとっても、日本にこんな場所があるんだと、撮影していて初めて感じるような場所でした。Instagramなどで世界の情報が溢れている中で、まだまだ知られざる場所なのだと思います。写真展の会期も2回延長になり、このような展示が出来て本当によかったなと思っています。

α7 IV,FE 24-70mm F2.8 GM II 105mm相当,F4,1/320秒,ISO100

山本さんが佐世保で展示された写真に五島列島で撮られた作品を加えた写真展が2023年9月までソニーストアを巡回中。

αプラザ(大阪) 開催期間:7月22日(土)〜8月11日(金) 開催時間:11時00分〜20時00分(最終日は17時00分まで) 所在地:ソニーストア 大阪内 定休日:なし(12月31日、1月1日、法定点検日などを除く) αプラザ(福岡天神) 開催期間:9月2日(土)〜9月21日(木) 開催時間:11時00分〜19時00分(最終日は17時00分まで) 所在地:ソニーストア 福岡天神内 定休日:なし(12月31日、1月1日、法定点検日などを除く)

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