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「カメラグランプリ2023」贈呈式リポート

α Universe editorial team

2023年5月17日に「カメラグランプリ2023」の各賞が発表され、ソニーのα7R Vが1年間に国内で新発売されたスチルカメラの中からもっとも優れたカメラが選ばれる「大賞」を受賞しました。6月1日に行われた贈呈式ではソニーの担当者が受賞の喜びと開発秘話を披露。カメラグランプリ実行委員の代表者に受賞理由やソニーの印象などもお聞きしました。

贈呈式で語られた受賞の喜びと開発秘話

贈呈式では、カメラグランプリ2023実行委員長の永原耕治氏から「大賞」の賞状とトロフィーが授与されました。代表して受賞の喜びを語ったのはソニー株式会社 イメージングエンタテインメント事業部 事業部長 大島正昭です。

AIプロセッシングユニットや4軸マルチアングル液晶モニターなど
こだわり抜いた技術をぜひ体感して欲しい

α7R Vはソニーらしく、テクノロジーに強いこだわりを持って世の中に出すことができたカメラだと思っています。こだわりは3つありまして、1つ目は4軸マルチアングル液晶モニター。思い起こせばこの構想は何年も前からあったので、やっとカメラに搭載することができたと感慨深い思いです。さらに我々はソニーですから、どうしても小型化・薄型化したいと考え、つくってはダメ出しを繰り返してようやくこのモニターを搭載することができました。

2つ目はAIプロセッサーです。α7R VからAIプロセッシングユニットを搭載しましたが、これは担当者の熱い思いがあってこそ実現したこと。搭載を検討する中で、その必要性や「飛躍的な進化を遂げられる」といった熱い思いを私にぶつけてきたからこそ搭載できたと思っています。 3つ目は被写体認識です。どんなに優秀なプロセッサーを積んでいても使いこなせなければまったく意味がないので、エンジニアはチューニングにとても苦労したと思います。1年くらい前にはリモートで「大島さん、ハリネズミの目を認識しません」と言っていました。私としては「もうそのレベルまで来ているんだ」という感覚でしたが、開発者がそこまでこだわって追い込んでくれましたし、今は試していただければバッチリと捉えますのでぜひお試しいただければと思います。 我々はすでに次の開発を進めております。今回大賞をいただいたからと慢心せずに、引き続き世の中に「wow!」と言ってもらえるような商品やサービスを出し続けていきたいと思います。

目指したのは究極のカメラ性能。
認識機能をカメラで使いこなすのは苦労の連続だった

開発秘話を披露したのは、α7R VのAIプロセッシングユニットの開発を担当した、ソニー株式会社 システム・ソフトウェア技術センター ソフトウェア技術第4部門 カメラプラットフォーム2部部長 水上暁史です。 AIプロセッシングユニットは、「人が持つクリエイティビティを最大限に引き出し、撮影者が構図やストーリーづくりに集中できるように究極のカメラ性能を目指したい」という思いで開発がスタートしました。

α7R Vの開発においては、大きく三つのステップがありました。1つ目は構想と企画、2つ目はユニットと、そこに載せるAIのモデルをつくること。最後はカメラのつくり込みと搭載です。構想と企画の段階では、カメラ専用のプロセッサーを載せるにはそれなりのコストがかかるため、「搭載することでどのような価値を見出せるのか」と長い間議論を重ねました。机上の理論だけでなく、プロトタイプを繰り返し作成することで、コンセプトを洗練させることができたと考えています。 2つ目のAIプロセッシングユニットとモデルの開発では、電力を抑える工夫が一番のポイントでした。高速処理を行うと、どうしても大きな電力が必要となります。最終的にはAIプロセッシングユニット内部の回路の工夫やAIモデル軽量化、加えてカメラ各部の電力制御を最適化することで、究極の認識性能を手にすることができました。 3つ目はカメラへの搭載です。先ほど大島が申し上げたように、高性能なAIプロセッシングユニットができたからカメラが良くなると言うものではありません。その認識の使いこなしが非常に苦労したところです。高解像と高いピント精度・色精度を出したいという思いがありましたので、制御をつくり込み、数多くのフィールドテストを行うことで納得できる商品に仕上げることができました。 AIプロセッシングユニット、カメラを含めて、開発には何年もの時間をかけてきました。AIの進化はこれからも続くと思いますので、AIプロセッシングユニットに取り組むことでカメラの進化に繋げていきたいと考えています。これからのソニーのカメラの進化にもぜひご期待ください。

AIによる被写体認識や有効約6100万画素の高解像を評価

続いて、カメラグランプリ2023実行委員長の永原耕治氏(雑誌『風景写真』編集長)、カメラ記者クラブ代表幹事の柴田誠氏(雑誌『CAPA』)のお二人に、選定理由についてお聞きしました。

――『α7R V』はどのような点が評価されて大賞を獲得できたと思いますか? 永原:周囲の声で多かったのはAIによる被写体認識が優秀だということ。フォーカスが速くて精度が高い。そのほかもAI関連が注目されたようで、被写体認識以外にもAWBの色再現が向上したという声も聞かれました。 柴田:あとは画素数ですよね。有効約6100万画素という画素数は今のフルサイズミラーレスカメラの中でも最高クラスなので、それを熱望する読者は多かったのだと思います。でも、ソニーさんはずるいですよ。 永原:ですよね。2016年にはα7R II、2020年にはα7R IVとRシリーズは過去に2回も大賞を獲っていますから、すでに一番グランプリに近いところからスタートしている。前モデルでも獲っていて、そこからさらに性能を積み増しているので、そもそもがずるいです(笑)。 柴田:でもやはり、完成度が高いとてもいいカメラだという印象です。個人的にも4軸マルチアングル液晶モニターは使いやすいだろうな、と思います。縦位置、横位置を気にせずに使えるところに魅力を感じている人も多いようですし。僕自身も仕事柄いろいろな環境下で撮影するので、ハイアングルでも縦位置でも液晶モニターを見ながら快適に撮れるのはいいな、と思いますから。 永原:静止画の場合、基本はチルトかもしれませんが、「バリアングルが欲しい」というシーンもあるので、そんな時にも対応できるのはありがたい。動画撮影時だけでなく、静止画を撮る時もチルトとバリアングル、両方使えるのは便利なものです。

――レンズを含めてαシリーズ全体についてはどのような印象をお持ちですか? 柴田:α7R、α7S、α7の無印と、シリーズがはっきり分かれているところが選びやすさに繋がっていると思います。とくにRは完成度の面でも安心できるというか、「買うならこれかな」と思わせてくれる。エントリーでもフラグシップでもないけれど、使い勝手などを考えると「欲しいカメラ」になるのではないでしょうか。 永原:αの話でいうと、風景写真的にはもうα7R一択なんですよね。僕の周りでも多くのカメラマンが使っていますから。そういう意味でも柴田さんと同意見で「選べる」というのは魅力です。「風景写真を撮る人ならα7Rシリーズ」と選びやすいし、撮る被写体によって選択肢があるのもいいと思います。 さらにG Masterの第2世代がすごい。「これ、G Master?」と思うくらい予想を超えて軽くなっていますからね。性能重視のG Masterにもかかわらず第2世代になって軽いものが出てきたことに驚きです。 柴田:僕も第2世代のレンズはどんどん出して欲しいと思っています。やはり、こなれてきて完成度が上がってきていますよね。特に、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIはレンズ構成もだいぶ変わっているし、軽くなっているし、速くなっているし、使い勝手も良くなっていると感じるので。第2世代には今後も期待していますが、あとは値段ですね(笑)。

ワクワク感のある次世代カメラをつくり続けて欲しい

――ここ10年のソニーの連続受賞についてはどう思われますか? 永原:大賞でいうと、今回の受賞で6機種目ですよね。しかも11年で6回大賞を獲っているわけですから、ほぼ半分がソニーのカメラということになります。票を見ていると、やはり積み増してきた高画素、基本性能、さらにAIを搭載するような次世代感に多くの方が惹かれているようです。しかも、ワクワクするようなカメラを次々と出してくるじゃないですか。そういった「夢」を見させてくれる部分が票に繋がっているように思います。 柴田:ソニーはαがあって、FX(Cinema Line)があって、VLOGCAMがあってと、しっかり分かれているなかで、やはり大賞が3度目となるRシリーズは格段に完成度が優れていると感じます。AIなどの技術面だけではなく、操作性など多角的に考えてつくられていますからね。

――今後、カメラはどのような方向に進化していくのか、業界の展望や期待などがあれば教えてください。 永原:今はVlogの世界が熱くなっていますよね。ソニーが火付け役みたいなものですが、今後はもっと熱くなっていくと思うので、各社がどんなカメラを出してくるのか楽しみにしています。その中でソニーは一歩先を行くんだろうなと思っていますが。 柴田: Vlogなど動画系のカメラが出てきているということは、今後は静止画専用のカメラというのも出てくると思うんです。今はどちらかというとハイブリッドがウリになっていますが、もっと静止画に寄ったものが出てきてもいいのかな、という期待はありますね。VlogはVlog、静止画は静止画と細分化していく。そういう意味ではα7R、α7Sというシリーズに分けて出したソニーには先がある感じがします。 永原:細分化時代を見越していた、というね。 柴田:他のメーカーはどちらかというと縦並びでエントリーからハイエンドまで、という構成ですが、ソニーのαシリーズは3本立てなので、今後はそれが効いてきそうです。

――今後、ソニーにはどのようなことを期待していますか? 柴田:ソニーの考え方は以前から「テレビが中心」と言われているじゃないですか。それが今後どうなっていくのか、実は期待しているんです。おそらくテレビがどうなっていくかによって、カメラにも影響が出てきそうですから。カメラ以外のところが進化して、カメラにフィードバックされるのが楽しみな部分でもあります。

永原:ソニーは、ワクワク感や近未来感を与えてくれるのが一番の魅力だと思っているので、今後もそういった楽しさを与え続けてほしいと思っています。また、α7R Vのようなハイエンドなミラーレス一眼だけではなく、そこから時代が変わる、と思わせるような「時代を画すカメラ」の誕生にも期待しています。

<カメラグランプリとは> 写真・カメラ雑誌の担当記者の集まりであるカメラ記者クラブが主催し、カメラグランプリ実行委員会の運営のもと1984年から開催されており、組織された選考委員が1年間(毎年4月1日から翌3月31日まで)に日本国内で新発売されたスチルカメラ・レンズ・カメラ機材の中から各賞に値するカメラや撮影機材を選出します。各賞は、最も優れたカメラ1機種を選ぶ「大賞」、交換レンズの中からも最も優れた1本を選ぶ「レンズ賞」、一般ユーザーがWebサイトから投票する「あなたが選ぶベストカメラ賞」、大賞を受賞したカメラを除くすべてのカメラと写真製品・機材を対象に大衆性・話題性・先進性に特に優れた製品を選ぶ「カメラ記者クラブ賞」の4部門があります。

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