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鉄道写真家 山下大祐氏から見た
α7R Vの魅力

鉄道写真家 山下大祐 氏

α Universe editorial team

想像を超えるその瞬間のために 新たな挑戦のために カメラは知性を必要とするのです。

山下大祐氏/鉄道写真家 1987年兵庫県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。鉄道を制作活動の舞台としてスチル、ムービー問わず作品作りに注力している。広告、鉄道誌、カメラ誌等で活動。αアカデミー講師、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

――はじめに、山下様がαを使うようになった理由を教えてください。 私がαを使い始めたきっかけはα7R IIIでした。私が作品で大事にしているのは、言葉より力をもったイメージを撮ることです。そのため、機材には特に質と連写性能を重視しますが、 α7R IIIはフルサイズセンサーの高画素機でありながら、AF追従10コマ毎秒の高速連写を達成したことがひとつの評価点でした。 そして今回、α7Rシリーズの第5世代であるα7R Vを最初に知った際、まず感じたのはAIプロセッシングユニットへの期待です。これまでのモデルにはなかった車・列車の認識性能がどのようなものか気になりました。 ――AIプロセッシングユニット搭載により、可能となった車・列車の認識性能に、特に興味を持っていただけたのですね。それでは実際に山下様がα7R Vで撮った作品とともに使用した感想を教えていただけますでしょうか。 はい。まずはこちらの作品をご覧ください。

α7R V,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 241mm,F8,1/500秒,ISO200

日本は鉄道路線に恵まれた国です。そのため全国たくさんの撮影地がありますが、これほど広大に、他の人工物を排して撮れる場所は多くはありません。そのスケール感を伝えようと画角を広くすれば、それだけ車両は小さくなっていき、ディテール・存在感は失われてしまいます。だからこそ高解像のα7R Vで撮りたかったのです。この場所をαで撮影するのは3度目。これまでで一番広くフレーミングできました。 続いてはこちらの作品。

α7R V,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F11,1/800秒,ISO200

シルエット表現に振り切るような明暗差の大きなシチュエーションでも、α7R Vのように階調が豊かだとシャドーの中のデータも充分に残るため、見せたい明度にコントロールすることができると感じました。階調性能の良さは、明暗を全て見せるためというより、そのコントロールがしやすいことにメリットを感じます。 お次は、風景を街中に移してこちらの作品。

α7R V,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS + 1.4X Teleconverter 840mm,F9,1/320秒,ISO3200

ロケ中は様々な列車で被写体認識の性能を試してみました。列車の前面はさまざまなデザインがあるため、種類によって認識力に差があるものと思っていましたが、α7R VのAFは蒸気機関車や貨物列車、新幹線にも分け隔てなく認識性能を発揮していた印象です。さらにファインダー上で被写体面積が増えてくると前面窓を捉えにいくので、ロングノーズの流線型に対しても正しくピントを合わせられます。作例のようなバックショットの場合は、列車の前面(後面)がフレームインした直後に撮影する必要があるため、被写体認識が特に生きるシーンです。

α7R V,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 200mm,F5.6,1/8000秒,ISO800

メカシャッターの連写性能については2世代前からの据え置き、電子シャッターについてはα7R IVから据え置きということで、むしろα7R IIIよりも抑えられています。1ショットのデータ量を考えるとかなり高速だと思いますが、鉄道撮影に不足のない連写にはあと少し欲しいところです。ただ、連続撮影枚数が大幅に向上したことで、撮影時のひとつの憂慮点がほぼ無くなったことは大きいことです。作例のようなシーンでは乗客の表情豊かなシルエットを逃さず撮るため、たくさんシャッターを切ります。撮影可能枚数の向上が寄与するシーンです。

α7R V,FE 24-70mm F2.8 GM II 24mm,F6.3,1/125秒,ISO100

こちらの作品は前面展望が楽しめる列車に乗車した際に手持ちで撮ったものです。走る列車の車内は通常時に比べて手ブレしやすい状況です。単にシャッター速度を速くすれば揺れの影響は受けにくいですが、車窓の景色もぴたりと止まってしまいます。車窓をブラして写すため、つまり表現の手段としてシャッター速度を遅くしたいわけです。そのため手ブレ補正機能の向上は大変うれしいことです。 ――認識性能だけではなく、高解像、階調表現、手ブレ補正性能も満足いただけたのですね。普段[APS-C/S35撮影]モードの使用や、撮影後のトリミングは実施されますでしょうか? 取材の仕事などでは[APS-C/S35撮影]モードはよく使っています。レンズ交換できない状況でも撮りたい画角で撮影を進められるので効率的に感じています。 しっかり作品を撮る時にはトリミングしなくても良いように撮っています。それでも作品発表までの流れのなかで多少のトリミングは出てきますが、写真の要素を変えるほどの大幅なものはしません。 また、このあとご紹介するピクセルシフト機能で撮った作品のように、建築撮影のように垂直方向のパースをつけないようにあえて広く撮っておいて、あとで欲しい部分だけをトリミングするように仕上げることがあります。鉄道車両でも歪ませないように同様の撮影方法で撮ることがありますが、高画素だから躊躇なくできる撮影方法でもあります。 ――高画素だからこそできる撮影方法ですね。α7R Vの操作性やバッテリーのスタミナなどはいかがでしたでしょうか。 α7R Vでは動画への切り換えがよりスムーズになり、スチールとの併用もさらに敷居が下がりました。被写体認識を生かしたリアルタイムトラッキングなどAFの部分で進化が著しいと感じました。それでいて内部記録に8K24pが加わって編集の表現幅も格段に上がりました。

モニターやファインダーについて、ファインダーの高精細化は確かに嬉しい要素ですが、ミラーレス歴も長くなるとEVF慣れしているためか言われるまで気づかなかったのも事実です。実感として大きいのは、やはり4軸マルチアングル液晶モニターです。手ブレ補正の段数向上との関係性も深く、手持ち撮影の安定感が格段に上がりました。 また、バッテリーに関してですが、スタミナのあるカメラはそのことに気付きにくいもので、スタミナがないカメラを使った時にとことん不便に感じるものです。そういう意味では、これまでの使用感と比較してもまったく遜色なく使えているので満足です。最近では荷物を減らしたい時は、チャージャーを携行せずボディでの充電を前提とすることも増えてきました。 ――ピクセルシフトマルチ撮影についてはいかがでしたでしょうか。

α7R V,FE 16-35mm F2.8 GM 17mm,F5.6,1/320秒,ISO100

こちらの作品は愛媛県多度津駅に残る鉄道遺構、煉瓦造りの給水塔をピクセルシフトマルチ撮影したものです。恐ろしいまでの解像感で圧倒されました。16枚合成では超高画素の写真が撮れるため、撮影後の大幅トリミングを前提としたシフトレンズのような撮り方が自由自在にできます。これまでも解像感の点は定評がありましたが、今回は多枚撮影中に多少動きがある部分を検出して、合成の際に補正できるようになったのが大きいです。屋外では、止まっているようでも実は動いているものがほとんどですので、このような進化はありがたいです。 ――ありがとうございます。α7R Vと併せておすすめのソニー純正のレンズやアクセサリーがあれば教えてください。 より精密な撮影が求められる場面では、カメラに触れずに撮影する必要も出てきます。そんな時に電波式のワイヤレスリモートコマンダーRMT-P1BTは信頼度が高くて便利です。 また、簡単に高音質な収録ができる定評のショットガンマイクロホンの新製品ECM-B10はまだ使ってないですが、気になっていますね。今後使っていきたいと思います。 ――最後に、あらためてα7R Vへの感想をいただけますでしょうか。 高画素センサーに新搭載のエンジンとAIが加わって、高解像機の完成度を高めたモデルといえます。連写や連続撮影性能を妥協することなく作られていることで、鉄道撮影でもバリバリ活躍できるカメラになっています。これまでのα7Rシリーズでも申していますが、極上の一枚を撮らせるにはやはりこのカメラでないと。そう思わせてくれる一台です。 ――ありがとうございます。

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