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FX30 × Music Video
〜1台で全て撮りきる〜

映像ディレクター 澤野洋土 氏

α Universe editorial team

――本日は映像ディレクターの澤野氏が「FX30」を使ってミュージックビデオを制作されたとのことで、いろいろお話をお伺いしたいと思います。早速ですが、澤野さんの経歴やこれまでの活動など、お聞かせいただけますか? 澤野です、今日はよろしくお願いします。私は服飾系の学校を卒業し、その後映像制作会社に入って、ファッション系の情報番組やファッションショーの撮影、取材など、やはりファッションに関する映像の制作をしていました。4年ほど働いた後に退職したのをきっかけに、友達のミュージシャンから「映像をやっていたのなら、MV撮れる?」と言われて、撮ったことは無いけどやってみようかな、というところからMVの制作が始まりました。最初の頃は制作費とかもあって無いような感じで、仕事というよりは友達に映像を作る、みたいな感じでした。自分のベースは映像よりもファッションだったのですが、自分でもバンドをやっていたり音楽もずっと好きなので、そういうことが繋がっているのかなと思います。

――ありがとうございます。なるほど、そうしたご友人のバンドのちょっとお手伝い的に始まったMV制作ですが、本格化していくきっかけなどあったのでしょうか? あの日あの時!みたいなドラマチックなきっかけがあったわけではなく、MVを作ってあげた友達の、更に友人知人のアーティストから頼まれたり、またそこから関係が広がって、音楽レーベルのディレクターやA&Rの人とも繋がっていったりして、そこからも頼まれたりするようになっていっている、という感じですね。 ――ちなみに制作の際に、何か参考にしていることなどはありますでしょうか? 被写体になるアーティストや、曲にまつわる関係の深いものなどを色々リサーチしてから考えるのは当然ですが、自分自身が昔から好きだったり、思い入れのあるものや場所などを優先的に考えに入れていくことが多いです。そうすると自分的にも納得しやすくなって、スムーズに色々なことが繋がっていく気がします。あとは変に企画が被らないようにというのと、一応傾向とかも知っておいた方が良いと思うので、今一般的に流行っているものなども、好き嫌い関係なく見たりもします。

――少し話が脱線してしまいますが、動画に興味を持っている多くの若者が「いずれはやってみたい」と思っていることで、MV制作は一番やってみたいことなんじゃないかと思います。そこで質問ですが、普段から動画を撮る時に、どんなことに留意すると良いとか、アドバイスなどはありますか? 僕が始めた頃は、今ほど一眼カメラで動画を撮ることが当たり前ではありませんでしたし、撮れるカメラもごく少数のモデルに限られていたように思います。でも今は、ほとんどのカメラで当たり前のように動画が撮れるので、考え込まずにまず行動に移してどんどん撮って編集してみると良いと思います。例えば、普段観ているMVの中で、大掛かりなものではなく日常のシーンを上手く取り入れているような、自分でも再現できる可能性があるような演出を真似して撮影・編集してみると、観ているだけの時とは見え方が変わってきて、新しい発見があると思います。 ――他に「これだけは撮っておいたほうが良い」など、実践的に使えるお勧めのテクニックなどがあればいくつか教えてください。 休みの日に友人でも恋人でも家族でも、少し遠くに人を連れ出して実際に撮ってみるとか良いのではないでしょうか。撮影する際には、とにかく色んなアングルで撮ってみると良いと思います。同じ場所、同じ人でも、アングルが違うと違った印象になることが分かりますし、例えば5アングルくらい撮っておけば編集時にアングルをパチパチっと切り換えたりもできるし、まずはヨリとヒキを撮ってみて、後で編集で繋げるだけでも面白いと思います。 ――なるほど、とても参考になります。他にもありますか? あとは撮影に出かける前の話にはなりますが、場所を決めたら、そのロケーションに近い場所で撮影されている映像をYouTubeでも映画でもなんでも探してあらかじめ見たりして、「こういう場所ではこういう映像が撮れるんだ」という風にイメージをしておくことも良いと思います。意外といざ撮影しようとすると、何を撮ったら良いか分からなくなったりもするので、まずは真似をして撮ってみようでも良いですし、逆に違う風に撮ってみよう、と発展していくのも良いと思います。 また一緒に行く人にお願いできるなら、軽く走ってもらったり、その場で回ってみてもらったり、逆に自分が走ったり回ったりして、被写体そしてカメラの視点を動かすとどうなるか、というのを見るのも、色々な演出の効果として役立つ日が来るかもしれません。 ――申し訳ありません。たくさん聞きすぎて、前段がとても長くなってしまいました。それではいよいよ、今回「FX30」それも1台のみでMVを制作されたとのことで、そのお話をお伺いしていきたいと思います。 はい。モノンクルというアーティストの最新曲「READY」のMVを制作しました。 ――ここからは一問一答形式のように矢継ぎ早な質問攻めになってしまいますが、どうかご容赦ください。それではまず、ズバリ「FX30」を使われてみてどうでしたか? すごく良かったです。これは本当に感じたことで、事前に計画していた演出において実際にこのカメラでできない、という表現は無かったと思います。 ――Super 35mmフォーマットに抵抗はありませんでしたか? 逆にフルサイズでないといけないという場合があればフルサイズでないといけないのかもしれないですが、僕はそこにこだわりがあるわけではないので、全然抵抗はありませんでした。むしろAPS-C用のレンズを使うことで小さく軽くなるし、メリットは十二分にあると思います。

※MV本編より(花々を背景にした印象的なシーンはFX30+FE 35mm F1.4 GMで撮られた。描写力の美しさが際立つシーン)

――夜のシーンや照度の低いリハーサルスタジオのシーンがありましたが、感度性能はどう感じられましたか? 確か上限ISO6400くらいで設定して撮ったと思うのですが、ノイズがまったく乗らないというわけではありませんでしたが、少し落ち着く曲の展開に合った良い感じのノイズの乗り方だと感じました。今回のMVでは、とても明るいシーンと暗いシーンの全体バランスを調整するために若干のノイズ処理はしています。 ――「FX30」で「この機能は良かった!」と実感された機能がもしあれば教えて下さい。 まずモノ自体の作り込みの良さというか、そのまま電源を入れっぱなしで置いておいても止まらないような信頼感がありました。それからタリーランプのハイライト表示も非常に分かりやすかったです。タリーランプは、どこが光って光らないかは、被写体に意識してもらうのか意識してもらわないか、の演出の意図に合わせてカスタマイズできるのも良かったです。リハーサルスタジオでは、実際の練習を撮影したので、前タリーは消しました。それとこの小さな筐体で、外部出力がHDMIフルなのも安心感がありますね。また一部物撮りや、FIXのカット以外は、全編ほぼAFで撮っています。動きが激しいシーンではタッチトラッキングを使いましたが、基本フォーカスは「FX30」に任せることができたので、その分演出やカメラワークに集中することできたのは大きかったです。

※MV本編より(夜のシーンはFX30+FE 50mm F1.2 GMで撮られた。感度性能の高さを感じられるシーン)
※MV本編より(逆光のシーンでもシャドーが潰れずにエモーショナルな表現を実現できている)
※MV本編より(後半部分でスーパースローを効果的に取り入れ可変速にすることで、楽曲の盛り上がりを映像がエンハンスしている)

――今回の撮影で「FX30」や弊社のレンズ以外で使用された機材はありますか? カメラ周りだと映像伝送でCineEye、それと外部モニターとしてNINJA V、あとはレンズフィルター類はいくつか使用しています。ジンバルは使用せず、メインの歌唱シーンも手持ちで撮っています。 ――バッテリーの持ちはいかがでしたか? まったく気にならなったです。現場に3個持っていきましたが、確か2個で済んだと思います。 ――今回の撮影で使用されたレンズの型名を教えてもらえますか? 歌っているメインのシーンはFE 35mm F1.4 GMとE 15mm F1.4 Gで、夜のシーンでFE 50mm F1.2 GM。そして最後の俯瞰のシーンではE PZ 10-20mm F4 Gです。ですから計4本かと思います。 ――矢継ぎ早の質問にも関わらず、ありがとうございました。 それでは本記事をご覧いただいている皆さまも、ぜひモノンクルMV「READY」を下記よりご覧ください。

モノンクル/READY【MV】

※YouTube モノンクルOfficialチャンネルへリンクします

――最後に、澤野さんにとってMVを撮影する上で重視されていることは何でしょうか?また、何か他にもありましたらお聞かせください。 演出によって本当に様々ですが、まずは当たり前ですが事前準備をしっかりすることです。「事前準備をしない」という演出である時以外は、思いつく限り現場で対応できるように準備します。それをした上で、当日の現場で偶然に起きたことや、流れで思いついたこと、スタッフやアーティストから出たアイデアなどは、どんどん作品に取り入れていくようにしています。それで良いカットが撮れると現場の雰囲気が盛り上がりますし、「撮れていってる感」も増していって、相乗効果があるように思います。あと何より、そういう時が一番やっていて面白いです。 一方で、そういう時は意外とカメラの状況にまで意識が回らなくなる恐れもあるのですが、 「FX30」はあまり意識しなくても当たり前にちゃんと撮れるので、頼りがいのあるカメラだと感じました。 「FX30」はメインに据えてシステム構築もできるカメラですし、今回のモノンクルの撮影を通して描写力・機動力・信頼性どれも高いと感じたので、実際今企画している次のMV撮影でも使用することにしたくらいです。 ――本日はお忙しいところ、長時間にわたってありがとうございました。 こちらこそありがとうございました。

※「FX30」が展示されている一部の店舗で、本記事で紹介しているMVから「FX30+純正レンズ」ならではの表現や描写力が実感できるシーンのみをピックアップした特別編集バージョンが、2022年12月中旬より順次投影されます。 店舗にお立ち寄りの際には、当該映像をご覧いただきながら「FX30」を実際に手に取り、是非お試しください。

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