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One and Only
鉄道写真家 中井精也 氏 Vol.7
中井氏が“α1”と探す唯一無二の鉄道絶景!
デジタルカメラマガジンとの連動企画を
毎月コラム形式でお届けします

α Universe editorial team

みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 今回は和歌山県の紀勢本線です。狙いはズバリ、海と太陽の輝きに満ちた鉄道絶景と出合うためです。 紀伊半島をぐるりと回り込むように進む紀勢本線は、荒々しい奇岩から白い砂が輝く砂浜に至るまで、バラエティーに富んだシチュエーションで、美しい海と列車のコラボレーションを撮ることができます。 そして大小40あまりの岩柱が海中に連続して立っている、風景写真家にも人気が高い橋杭岩は、国の天然記念物としても有名です。 黒潮が通る外洋に面しているからでしょうか? エメラルド色に輝く海の透明度は高く、常緑の樹木が多いこともあいまって、この地でしか写せない南国の光景を楽しむことができます。 1枚目は、そんな紀勢本線らしい海と奇岩を背に走る姿です。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM 58mm,F8,1/400秒,ISO400

実は紀勢本線の撮影は、約20年ぶりになります。α1を手にして以来、昔撮った様々な場所にもう一度出かけ撮りなおしてみたいという気持ちが、実はかなり高まっていたりします。 この紀勢本線も、そのひとつでした。しかし20年という月日が経ったこともあり、僕の記憶の中の撮影ポイントも、今回行ってみたらだいぶ変わっていました。 そんな記憶を辿りながら少し小高い山に分け入って見つけたのが、この海と線路を俯瞰できる撮影ポイントです。 海に面した崖から臨むと、海の侵食によって生まれた荒々しい海岸と、はるか遠くまで続く水平線が見えます。まさに紀勢本線ならではの絶景鉄道情景を撮ることができました。 車両の先頭部をよくご覧ください。運良く特急「パンダくろしお“Smileアドベンチャートレイン”」号が来てくれて、絶景の中に可愛らしさもプラスしてくれました!和歌山県のテーマパーク「アドベンチャーワールド」とJR西日本がコラボレーションしたラッピング列車です。アドベンチャーワールドには、ジャイアントパンダが7頭も暮らしていますからね! 2枚目になります。

α1,FE 16-35mm F2.8 GM 21mm,F7.1,1/2000秒,ISO400

1枚目と同じ場所から、今度は反対方向を向いて撮影しました。 こちらは1枚目の順光とは変わって逆光になりますが、海面が太陽の光でキラキラと輝いてくれて、とても透明感のある美しい写真が撮れました。 紀勢本線は、線路と国道が並走する場所が多いので、いかに道路を目立たなくさせるかも撮影ポイントのひとつになります。 この写真も実は線路と国道が並走しているのですが、山の斜面の木々をうまく道路に被せることで、道路だけを隠した構図にしています。 先ほど見ていただいた1枚目の写真も、良く見ていただくと線路脇に道路が並走しているのですが、そこは構図を追い込む際に目立たなくなるように工夫をしています。 3枚目は黄金に染まる夕日を背にした1枚です。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 200m,F8,1/2000秒,ISO200

この時期に紀勢本線を訪ねたのには、いくつか理由があります。 まず沿線には常緑樹が多く冬であっても木々が緑色を残しているため、冬枯れの寂しい風景にならないこと。それから冬は空気が澄んでいるので、海も空も透明感のある描写が期待できること。そして、夕日が沈む位置がベストになりやすいということです。 この写真の撮影ポジションですと、夏ならば太陽がもっと右側に沈んでしまうので、夕景と列車を絡めて撮影することが難しくなってしまいます。この時期だからこそ、夕日でオレンジ色に輝く水平線を背景にして印象的な1枚に仕上げることができたんじゃないかなって思います。 -3.0EVまで露出を思いっきりアンダーにすることで、手前の森を暗くさせて、列車のヘッドライトと車両の屋根が夕日に照らされて輝く瞬間を捉えることで、夕景の海の風景写真の中で列車にも存在感を持たせて鉄道情景を表現しています。 ちなみに、そんな条件下でも線路や車両のカタチは黒潰れせずにしっかり描写しているα1のパワーも感じられる1枚だと思います。

α1,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 430mm,F6.3,30秒,ISO400

さて4枚目になりますが、これは夜の長時間露光による鉄道のラインアートです。 この写真ですが、いったいどこからどうやって撮ったの?と思われた方もいるかもしれませんね。実は、泊まったホテルの部屋から撮影しています(笑) たまたま撮影地に近いホテルを予約していたのですが、偶然にも紀勢本線を臨める位置に建っていたので、ホテル側にお願いして、きっと多くの人が望む「オーシャンビュー」の反対側の部屋に替えてもらったのです。 海岸線ギリギリの場所を走る列車を、30秒という長秒露光をすることで、とても幻想的な1枚になりました! 青色は室内灯で、赤色はテールランプ、つまり列車のバックショットを写したものです。よく見ると打ち寄せる波まで写っていました。これをモニターで確認した時には、思わずガッツポーズをしてしまいました。 紀勢本線といえば美しい海と空だと思いますが、今回のOne and Onlyはこの写真だと思います! 5枚目になります。

α1,FE 16-35mm F2.8 GM 29mm,F10,1/640秒,ISO800

これは線路脇の砂浜を、20分ほど歩いた場所にある崖の上から撮りました。 かすかな記憶を頼りに20年ぶりに訪ねてみたのですが、この撮影ポイントは変わっていませんでした。エメラルドグリーンに輝く海が本当に美しかったので、海を全面に押し出す構図にしてみました。それからこの美しい海の色とのマッチングを考えて、車両の色がエメラルドグリーンの「オーシャンアロー」編成が来るの待って撮影しました。 ちなみに、とても見晴らしの良い場所なのですが、かなりの崖っぷちで、高所恐怖症ではない僕でも怖くなってしまうような場所です。ここに限らずですが、くれぐれも撮影に夢中になってケガをしたりしないよう、特に崖っぷちなどでの撮影時には十分に注意してください。 今回ご覧いただく最後の写真になります。

α1,FE 16-35mm F2.8 GM 18mm,F4,1/640秒,ISO200

壮大な夕景と鉄道情景を撮りたいと思い挑んだのですが、この日は太陽のまわりに雲が多く日没ギリギリまで粘り続けて、いよいよ今日はダメかなと諦めかけたその時、雲の隙間からほんの少しだけ夕日が顔をのぞかせてくれ、さらになんとそのタイミングで列車も来てくれました!壮大な海と空の風景に特急「くろしお」という素晴らしい瞬間を捉えることができて、こうした素敵な偶然に出合えることも鉄道写真の醍醐味だと、しみじみ感じました。 紀勢本線は、その地形的な特徴から昼間と夕刻、順光に逆光と、多彩なバリエーションで撮れる路線です。今回は西日本エリアを旅しましたが、いつか東海エリアでも撮ってみたいと思っています。 さて今回の和歌山、紀勢本線はいかがだったでしょうか? それでは来月もこの場所で、皆さんに鉄道絶景を紹介できることを楽しみにしています! 中井精也でした。

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