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鉄道写真家 中井精也 氏 Vol.6
中井氏が“α1”と探す唯一無二の鉄道絶景!
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α Universe editorial team

みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 今回は凍てつくような冬の北海道へと向かいました。目的地は日本最北端の稚内駅へと続く宗谷本線。旭川駅から北へと延びる全長259.4kmの広大な風景の中を、国道40号と並走するようにして走る路線です。 実は僕がこの地をはじめて訪れたのは、いまから40年ほど前のこと。中学3年生だった僕は北海道ワイド周遊券(※現在は北海道フリーパス)というフリー切符を握りしめて、北海道の路線を巡りました。 この路線は乗車するなら北海道らしい原野が続く絶景路線なのですが、撮影しようとなると、起伏が少ない真っ平らな地を走るため撮影ポイントも非常に限られてきます。 いわゆるお立ち台と呼ばれるようなスポットも少なく、撮影のハードルが高い路線でもあります。 そんな強敵とも言える宗谷本線をα1とともに旅をしたら、どんな写真が撮れるのだろう? そんな期待を胸に、北の大地を目指しました。 それから中学生の頃の自分との邂逅も、もう1つのテーマとしつつ今回の旅に出かけました。 それでは最初の1枚をご覧ください。

α1,FE 16-35mm F2.8 GM 19mm,F8,1/640秒,ISO400

宗谷本線としてはめずらしく、少し高い位置から見下ろせるポイントで撮影したものです。日進駅と智恵文駅の中間にある東恵橋は、写真の右手に見える天塩川に架かる橋。 この位置からFE 16-35mm F2.8 GMで撮ると、雄大な風景を背にして走る特急を余すことなく写すことができます。この日の天気予報はあいにくの曇りだったのですが、列車の時間帯に合わせるかのように雲間から青空が顔を出してくれました。 雪の中を黙々と北上するブルーカラーが印象的な特急「サロベツ」が、まるで青空とコラボレーションをしているかのようでした。 そして実は静止画だけでなく、今回はα1で動画にも挑戦してみました!静止画では伝えることができない鳥のさえずりや舞う粉雪など、この臨場感は動画ならではです。1枚の写真を撮る時と同じ感じでフレーミングを決め、そこに列車がフレームインしてくるようにして撮ってみました。 ※動画は下記URL( デジカメ Watch Channel)よりご覧ください https://youtu.be/pg0Wgq11N_8 2枚目になります。

α1,FE 24mm F1.4 GM 24mm,F1.6,1/40秒,ISO6400

これは、天塩川を望みながら走る夜の鈍行列車を撮った1枚です。 学生時代に宗谷本線を旅したときは、撮りたいと思っても撮影することが叶わなかったシーンもたくさんありましたが、その中でも悔しい思いをしたのが夜の走行シーンでした。あれから40年近い歳月が流れ、カメラは父から譲り受けたフィルムカメラから最新のα1となり、撮りたいと願うシーンを自由に撮影することができるようになったことは本当に感慨深いです。 かなり暗い条件でしたが、感度をISO6400まで上げることで、長秒露光で列車を光の線にはしないで、その姿を写し止めることができました。 撮ることができずに悔しがっていた、あの時の中学生の自分にこの写真を見せてあげたいと、少しだけ感傷的な気分になりました。 続いて3枚目は迫力ある特急「宗谷」です。

α1,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 600mm,F16,1/1000秒,ISO1600

ちなみに僕が狙ったこの写真の主役は列車そのものではなく、列車が巻き上げる雪煙です。 以前なら、あらかじめ撮影位置にピントを合わせておく、いわゆる「置きピン」というテクニックで対応しなくてはならないシーンですが、α1ならばAF-C(コンティニュアスAF)とリアルタイムトラッキングを組み合わせることで簡単に撮れるようになりました。 列車の色やコントラストの情報をもとにピントを追従してくれるので、遠くで一度ピントを合わせてしまえば、そのあとのピントはα1に任せて、僕は列車が近づいてくるのに合わせてズームリングで焦点距離を変えたり構図を少し斜めにしながら、自分が望む最高のフレーミングを作ることに集中できるのです。 この写真も中学生の頃の僕に見せたら、びっくりするだろうなぁ(笑)。そんなことを思いながら撮影していました。 4枚目になります。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 144mm,F2.8,1/30秒,ISO6400

この場所は、今回の旅で絶対に訪れようと決めていた、僕が大好きな糠南駅です。 注目してほしいのは、ヘッドライトに浮かび上がる牡丹雪。凍えるような北の無人駅の風景の中で、列車の灯りがとても温かく感じられる1枚に仕上がりました。実はこの場所も、学生の頃の思い出が詰まった駅で、あの頃の誰もいないホームに周遊券を握りしめた学生時代の僕が立っている姿が、見えたような気がしました。 そしてこの糠南駅でも、もう少し明るい時間帯で動画も撮影してみました。最後尾に雪がびっしりと付着した上りの鈍行列車を撮影したのですが、そのあまりの雪の質感に思わず見とれてしまいました。 たとえ乗り降りする人がいなくても、丁寧に列車は停車し、そして出発してゆく。毎日繰り返されていることだと思いますが、そんな日々の暮らしを支えている鉄道の魅力も感じてもらえたら嬉しいです。 ※動画は下記URL(デジカメ Watch Channel)よりご覧ください https://youtu.be/NYgHoYjyj24 5枚目は、さらに北上して撮った夜明けのシーンです。

α1,FE 24-70mm F2.8 GM 53mm,F2.8,1/32000秒,ISO400

稚内に近い兜沼駅付近で撮ったのですが、線路の奥から太陽が昇る瞬間を狙ってみました。 日の出を待っていると、その間に気温はどんどん下がっていき、持っていた温度計を確認したら、なんと-20℃を示していました。 そんな極寒の中でふと空を見てみると、気温が低くなったときに見られる「サンピラー(氷の結晶が太陽の光に反射する自然現象)」が見えているではありませんか! ゆっくりと日が昇り、線路脇の木々を幻想的に照らしてゆく風景に寒さも忘れ、とにかく夢中でシャッターを切った1枚です。 その後、太陽が顔を出すと同時にサンピラーは消えてしまいました。 この幻想的な自然のショーを見ることができたのは、ほんの数分の出来事でしたが、このタイミングでここに立ち、美しい作品として残せたことは、写真家として本当に幸運なことだと心から感じました。

α1,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 280mm,F5.6,1/800秒,ISO800

今回、最後にご覧いただく写真は、木々までも凍てついたサロベツ原野の風景になります。見事な樹氷になっていました。 この写真ですが、レンズはFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSの焦点距離280mmで撮影しています。以前からこのレンズは素晴らしいとは思っていたのですが、改めて大納得の描写力でした。 まさにどこまでも平地の原野が続く、この場所ならではの風景だと言えるでしょう。朝のやわらかな光の色に、うっすらと染まった樹氷とその中を進む鉄道が、美しく静謐な世界を醸し出していました。これはきっと僕の代表作の1枚になる!そんな手応えを感じた1枚でもあります。 中学生の頃の自分は思い描くように撮影できなかった、厳冬の宗谷本線。あの頃、撮ることは叶わなかったけれど頭の中で描いていたことを、今回の旅でα1と素晴らしいレンズたちが、まさにカタチにしてくれました。そして大人になった今もあの頃と変わらず感動している自分に、ふと幸せを感じました。 さて今回の宗谷本線はいかがだったでしょうか? それでは来月もこの場所で、皆さんに鉄道絶景を紹介できることを楽しみにしています! 中井精也でした。

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