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写真家 福田 健太郎 氏
特集:「そのレンズが、世界を一変する。」
写真家 福田健太郎氏×FE 16-35mm F2.8 GM

〜気配や余韻も写し撮る、究極の広角レンズ〜

α Universe editorial team

ミラーレス専用設計レンズの最高峰G Master。 本来両立しえない高い解像力ととろけるようなぼけ味。精度とスピードを兼ね備えたAF性能。静止画、動画を問わず、新たな映像体験を実現するために生まれたこのレンズはプロの現場にどのような革新をもたらすのか。 今回は写真家・福田健太郎氏×FE 16-35mm F2.8 GM編。広告で使われている代表的な1枚をはじめ、このレンズで撮影した作品を紹介しながら、描写性能や操作性などについて語ってもらった。

福田 健太郎/写真家 1973年、埼玉県川口市生まれ。幼少期から自然に魅かれ、18歳から写真家を志す。写真専門学校卒業後、写真家 竹内敏信氏のアシスタントを経てフリーランスの写真家として活動を開始。日本を主なフィールドに、生命に溢れる自然の姿を見つめ続けている。写真集に『泉の森』、『春恋し-桜巡る旅-』など著書多数。公益社団法人 日本写真家協会会員。

鮮鋭感やクリアさなどすべてが完璧!
風景にひそむ気配まで誘い出すレンズ

――福田さんには発売当初にもFE 16-35mm F2.8 GMのインプレッションをお聞きしてα Universeに記事を掲載しました。あれから約1年が経ちますが、常用するようになって印象が変わってきた部分はありますか?

当時は使って間もなかったのでファーストインプレッションという感じでしたが、使い込むごとにこのレンズの良さがわかってきました。今では、これまで使ってきた広角ズームの中でダントツに一番いいレンズだと断言できます。鮮鋭度があって逆光のフレアやゴーストがほとんど出ませんし、クリアさもある。色の抜けの良さもあるし、サイズ感も良い。僕としては本当にすべてがパーフェクトです。 だからこそ、空気感を写し出すことができるのかもしれません。風景の中の気配みたいなものを誘い出せる。僕が「G Master」レンズに求めているのはそういった部分なので、そこをしっかりクリアできているレンズだと思います。 もちろん、角度や画面内の太陽の位置によってはフレアやゴーストが出ますが、気にするほどの現れ方ではありませんので「攻めの撮影」ができるレンズだと思います。光の質や方向を考えても、逆光の風景写真は魅力的です。そこに気兼ねなく挑んでいける、自由度が高いレンズですね。

未来へと命を繋ぐために茎を伸ばす稚児車。
秀逸な耐逆光性とぼけ描写で表情を際立たせる

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 25mm,F2.8,1/3200秒,ISO100

――こちらの作品は雑誌などの広告で使われていますが、撮影した場所や被写体について教えてください。 これは山形県と秋田県の県境にある鳥海山で撮った作品です。登山口から1時間ほど登ったところに咲いていた高山植物、稚児車(ちんぐるま)を撮影しました。実はこれ、草花ではなくて低木、つまり木です。山の夏は短く、あっという間に花の時期を終え、未来へと命をつなぐために綿毛になります。それが風に飛ばされて新たな旅立ちを迎えるわけです。その綿毛が風に揺れている姿ですね。 夏場に咲く白い花はとても小さく、葉にべったりくっついている感じですが、綿毛になるときはスルスルと茎が伸びてきて写真のような状態になります。きっと、綿毛が遠くまで飛ばせるようにグッと伸びるのでしょう。足元の植物は見下ろして撮りがちですが、違う角度で見ると生き生きとした様子に改めて気付かされます。

――撮影時の状況や、カメラの設定はどのような感じでしたか? キラキラと輝く姿を捉えるため、太陽の光を意識して撮影しました。光を透過させることで綿毛がより輝いて見えますから。その存在感を最大限に表現するため、地面スレスレから煽って撮影。絞りは迷うことなく開放のF2.8を選択しました。小さい植物の輝きを写真で表す場合は、主役の被写体を際立たせるために周辺をぼかしたほうがいいと判断し、画面の中で目が行きやすい綿毛を選んでピントを合わせています。広角レンズですが明るいレンズなのでピントは浅く、ピント位置はシビアに追い込んでいきました。

太陽を画面に入れていますが、とてもクリアに撮影できました。フレア、ゴーストはほとんど抑えられて、稚児車の生き生きとした姿、表情を写すことができたと思います。手持ちで撮影し、数センチ単位でアングルやポジションを調整していきました。ほんの少しの角度の違いで奥行き感や厚みが変わってきますから。前ぼけで入れている稚児車の位置や角度も微調整しながら決めていった感じです。 クリエイティブスタイルは、コントラストを高めてメリハリを出すために「風景」を選択しました。澄み切った青空や稚児車のほのかな赤みを印象的に仕上げることができたと思います。 先ほども言いましたが、逆光を恐れず攻めていける。しかも開放でも高い描写力ときれいなぼけ味。これらは従来の広角ズームにおける撮影表現を一変させたと僕は言えると思います。

目の前の風景、すべてを写し撮りたい。
そんな時にも16mmの焦点距離が頼りになる

――この作品は広角レンズならではの1枚という感じですね。

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 17mm,F5.6,1/640秒,ISO200

秋の気配を感じさせる「うろこ雲」が空いっぱいに広がっていたので、「全部撮りたい!」と思ったんです。そうすると広角レンズの出番になってきます。さすがに標準ズームレンズの端として多い24mmではここまで入りませんから。単純な使い方ではありますが、ストレートに広いものを広く写したいという時には16mmという画角の広さがものを言います。 これは鳥海山の登山口にある駐車場から日本海に沈む夕陽を写した作品です。太陽は雲の中に隠れていて、海面に太陽が映し出されている状況で撮影しました。空の広がりを表現したかったので、地上の風景は少ししか入らないようにレンズを上に向けて。寒色から暖色へ、という色のグラデーションをうまく表現できたと思います。 鳥海山で高山植物を撮って、その帰りに撮影した作品ですから、レンズはこれ1本で十分に楽しめることがわかりますよね。パンフォーカスで解像を追求することもできるし、ぼけ表現も楽しめる。いろいろなシーンで満足度の高い作品を撮ることができるので、風景を撮るなら絶対に持っていてよかったと思うレンズです。

目に見えない空気まで表現する圧巻の解像感。
心を揺さぶる風景写真には欠かせないレンズ

――ひまわりの作品も叙情的な感じがしますが、どのような意図で撮ったのですか?

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 29mm,F2.8,1/4000秒,ISO200

距離が離れていくと、スーッと消えていくっていうか、遠ざかっていく。主題をフワッと浮き上がらせて、遠くにいくほど自然にぼけていくのがこのレンズの魅力です。夕方の赤みを帯びた光で、大輪の花を咲かせるひまわりの気高さ、短い夏が終わりを告げる切なさも感じさせる作品に仕上げました。 遠くまで続く真っ直ぐな道を見せながら、ひまわりを主役にした作品です。「G Master」レンズに期待しているところは、自分が心地良いなと思った風景を、余韻を誘うように浮かび上がらせること。きっちり、かっちりと高解像で表現するだけでなく、目には見えない気配や空気感を引き出せると思い、探りながら撮影をしています。目に見えないものまで写すには最高の性能のレンズが必要です。とくに細密に描写するシャープさは重要なポイントになると思います。

自然の動きに呼応してノーファインダーで撮れば
風景のざわめきが聞こえてくる

――下の作品は植物の動きが感じられますが、どのように撮影したのでしょうか? 風になびく、ススキですね。細長い鋭利な葉が風の動きや勢いに合わせてなびく様子を表現したくて、手持ちで、さらに自分も揺れながらノーファインダーで撮影しました。

太陽の光を受けたキラッとしたテカりを活かしたかったので、クリエイティブスタイルは「クリア」に設定しました。いつもとは違ったおもしろさが出せると思い、自然の動きに呼応するように自分も揺れながら撮ってみた感じです。こういう撮り方ができるのも、広角レンズの楽しいところ。普通にファインダーを覗いてしっかり撮ろうとすると、自然の「ざわめき」が薄れてしまうと感じたのです。時には思い切って乱暴に撮ってみるのも方法のひとつです。

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 16mm,F11,1/2000秒,ISO1600

さらにFE 16-35mm F2.8 GMは、F2.8でこの小ささですからね。手にしっくりきて持ちやすいですし、α7シリーズと組み合わせるとバランスがとてもいい。このレンズなら軽快に取り回すことができるのでノーファインダーでも気軽に撮影できます。

欠点が見つからない写欲が湧くレンズ。
一生モノだからこそ買うべき最高の1本

――同じような焦点域のレンズはたくさんありますが、どれを買おうか迷っている方にアドバイスをお願いします。 個人的な意見ですが、FE 16-35mm F2.8 GMはこれまで発売されてきた「G Master」レンズの中でもナンバーワンのレンズです。高解像で描写力が高いので、俄然、写欲が湧きます。広角ズームでどれ買おうか迷っているならば、断然このレンズがおすすめです。しかもぼけ味も楽しめて、1本で何でも撮れるという信頼感がありますし、サイズもこのクラスにしてはコンパクトで、どこを取っても欠点がありません。 レンズは一生モノです。そう考えれば少し値が張っても安いものかもしれません。いざとなったら分割という方法もありますし(笑)。体感すればそのすごさははっきりと分かりますので、ぜひ手にして欲しいと思います。

――今後、ソニーのレンズに期待していることはありますか?

現状、ミラーレス機のEマウントレンズは、フルサイズ対応のものが30本、APS-Cまで含めると全部で48本がラインナップされています。もうひと通りは揃ったという印象です。
※本記事公開2018年11月20日時点 今まではユーザーのニーズに応えて開発してきた部分が大きかったと思いますが、今後は作り手が挑戦したいレンズなど、違う方向から生み出されるレンズが見てみたいですね。きっと想像を超えたものが出てくると思いますから。願わくば驚くほど小さく仕上がっていると個人的には喜びます。 どんなスペックで出てくるのか楽しみですし、使い手からすれば刺激される部分も大きいと思います。一眼レフ時代ではできないと思われていたことも、ミラーレスならチャレンジできる可能性があるのではと思いますから。作り手も撮り手もチャレンジできるレンズによって、カメラや写真の輪が生まれればとても嬉しく思います。撮ることで作り手の心に触れられるようなレンズが生まれてくると思いますし。そんなことを考えながら、次はどんなレンズが出てくるのか楽しみにしています。

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