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Majestic TRAIN- 威風鐵道 -
鉄道写真家 中井精也 氏

ドラマチックな鉄道写真をコンセプトに、中井氏が撮る心に響く鉄道風景をデジタルカメラマガジンとのタイアップ企画として毎月コラム形式でお届けします!

α Universe editorial team

こんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 エドワード・エルガーが作曲した行進曲「威風堂々」に通じる、ドラマチックな鉄道写真を皆さんにお伝えしていくのが今回の企画趣旨です。 栄えある初回を飾るのは北陸新幹線E7系です。鮮烈なブルーとゴールドをあしらったシャープな先頭形状を持つボディーは、数ある新幹線車両の中でも特に絵になり、僕の大好きな車両の1つです。早朝、午前3時に長野市内のホテルを出発し、車両基地に到着したのは30分後。夜明け前の刻々と変化する青を逃したくないと思い、眠たい目をこすりながら早起きで挑みました。車庫で体を休めるE7系の先頭部の形状は、まるで鳥の嘴(くちばし)のようです。太古から自然界は、効率よく風を切るデザインを知っていたんだなぁ、とそんなことを考えながらタイミングを待ちました。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS+2X Teleconverter,F11,1秒

撮影したのはこんな場所です。車両基地を越える跨線橋の歩道から、安全に撮影することができます。正確な位置に合わせて車両を止める技術も、目を見張るものがあります。 今回の撮影機材は「α9」 先日発表されたカメラグランプリ2018で見事に大賞の栄冠を手にしたモデルです。高速連写性能や動体撮影に特化した、スポーツや報道向けのカメラというイメージを持っている人も多いかと思いますが、この写真を見ていただければ一目瞭然。とても広いダイナミックレンジを有しているので精細な描写をしてくれ、静止している被写体でもお勧めです。

そうこうしているうちに、朝5時を回ると、東京へ向けた 一番列車が車庫を出ていきます。 手前から二番目の車両に運転士さんが乗車することを確認していた僕は、いつ動き出すかわからない緊張感のなか、そのタイミングを待ちます。 そしてわずかに動き出した瞬間から高速連写をすることで、見事に撮りたかったショットを撮ることができました。静の中の動。ここに来る前から、僕が想像していたとおりの作品になりました。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS+2X Teleconverter,F29,1/5秒

次の写真は、時が過ぎ夕方になって撮ったものです。 安中榛名から高崎へ向けて、北陸新幹線は一気に山を下ります。どこまでも続くかのように思える直線でシャッターチャンスを狙いました。このカットは簡単そうに見えますが、最高時速260km/hを誇る北陸新幹線を、この位置で写し止めるのは至難の業です。約20コマ/秒を誇るα9だからこそ、写すことができたと言っても過言ではありません。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS+2X Teleconverter,F11,1/1250秒

そして今月の最後の写真になります。 フレーミングを縦位置に変えて、今度は夕日を受けて輝く列車のラインライトに露出を合わせ、行き交う列車を浮かび上がらせました。 高速で走っているとは思えない静寂の瞬間。どこですれ違うかなんて、予測することはできません。行き過ぎる列車と近づく列車の位置関係を確認しながら、AFでピントを追いつつも、わずかな架線の隙間に列車の正面が入る瞬間を狙います。この作品もα9でなければ残せなかったドラマチックな瞬間です。忘れることができない、記憶に残る作品が生まれた瞬間でした。

α9,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS+2X Teleconverter,F11,1/3200秒

それでは来月もこの場所で!中井精也でした。

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