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フォトグラファー 井川拓也 氏「紅」を高解像で繊細に表現するα7R IIで紅葉を色鮮やかに写す

α Universe editorial team

フォトグラファーの井川拓也氏がα7R IIを片手に出掛けたのは秋の京都。雅やかな美しい紅葉を前に、αはどのような実力を見せたのか。紅葉撮影時に役に立った便利な機能から発色や表現力まで、現場での使用感を語っていただいた。

井川 拓也/フォトグラファー 1975年大阪生まれ。サラリーマン時代を経て、独学で写真の勉強を始める。フリーランスのカメラマンとして営業写真館で人物撮影の経験を積み、2008年、独立と同時にTENOHIRAWORKS photo studioを設立。『写真は記録であり、流行である』をモットーに、現在は同スタジオ代表カメラマンとして、ファッションや商品撮影などのコマーシャルフォト、取材や紀行などの商業撮影を中心に、ソニーストアでのセミナー講師をつとめるなど幅広く活動中。

撮るモチベーションを保つためにカメラは手から離さない

――紅葉撮影に出かける時、どのようなレンズを持っていきますか? 紅葉だけでなく風景全般にいえることですが、たくさんのレンズを持って出歩くのはとても大変です。ですから、僕の場合は広角ズームと望遠ズームの2本体制が基本。よく焦点距離が違うレンズを持っていくと、多彩な画角で撮れるのが利点と言われますが、僕は撮影距離を変えられることが利点だと思っているんです。例えば同じような構図でも、被写体までの距離が変われば写真で見た時の空気感も違ってきますから。見たままの風景を写す広角、主題をより強調できる望遠。被写体によってどちらか選べるようにするために広角と望遠の両方を持っていきます。

――どのようなスタイルで撮影を進めていくのですか? 紅葉の撮影に出掛けると、カメラを使っていない時はバッグにしまっていたり、首や肩からぶら下げたまま移動する人もいますが、僕はカメラから手を離しません。左手はずっとカメラを握ったまま、レンズキャップもずっと外したまま。ちょっとしたアクションですが、キャップを外す、カメラを握り直す、という動作すら面倒に感じる時があるんです。だから「いつでも撮るぞ」という気持ちを持続させるために、このスタイルで撮り進めます。 「シャッターチャンスを逃さないため」というより完全に気持ちの問題ですね。僕が極端な面倒くさがりということもあるかもしれませんが、些細な動きも面倒に感じて「ここは撮らなくていいか」と思ってしまうんですよ。そういう気持ちにならないように、いつでも臨戦態勢というか、撮るモチベーションを落とさないようにしています。

名所での紅葉撮影で頼りになった
EVFと5軸ボディ内手ブレ補正

――紅葉撮影で役に立った機能はありますか? ほとんどが屋外での撮影になるので、EVF(電子ビューファインダー)はかなり便利でした。バックモニターで確認するとどうしても外光の影響を受けて、紅葉が実際とは違う色に見えてしまうんです。明るさも色温度も変わりますから。でもEVFは外光に影響されずに色や明るさを確認できるので、この部分は一番重宝したところです。 あとは5軸ボディ内手ブレ補正ですね。僕は解像感を大事にしたいので絞りはF8くらいで撮ることが多いんです。その方が質感を活かした作品が撮れますから。そうするとどうしてもシャッタースピードは遅くなってしまう。だからこそ手ブレ補正が活きてくるんです。このほか、低感度で撮る場合や望遠での撮影でも有効ですね。

α7R II,FE 16-35mm F4 ZA OSS 16mm,F8,1/6秒,ISO100

今回撮影に行ったような紅葉の名所は本当に観光客が多いんです。当然三脚は立てられないし、人がいなくなった瞬間に素早く撮影、というシーンも多くあります。例えば上の作例は京都の光明寺で撮影したものですが、実はここもすごい人混みでした。でも一瞬だけお客さんが途切れた瞬間があったんです。すぐにアングルを決めて、ササッと撮った1枚がこれ。ISO100、シャッタースピード1/6秒なので、手持ちではブレてしまうところですし、気持ちが焦っているのも手ブレに影響するかもしれませんよね。でもα7R IIはしっかり手ブレを補正してくれました。この写真はαの優秀な手ブレ補正がなければ撮れなかった1枚です。

ローアングルを多用する落ち葉撮影では
欠かせないチルト可動式液晶モニター

――作例は落ち葉をメインに撮られていらっしゃいますが、落ち葉だからこそ活躍した機能はありますか? 落ち葉を撮影する場合はローアングルも多用します。ですから今回の撮影ではチルト可動式液晶モニターをフルに活用しました。

α7R II,FE 16-35mm F4 ZA OSS 16mm,F8,1/125秒,ISO800

上の写真は主役である落ち葉を大きく見せるために広角レンズで近づいて撮影しました。地面スレスレでカメラを構えているので本来なら寝そべって撮らなければなりませんが、チルト可動式モニターならその場でしゃがむだけで撮ることができます。京都にある紅葉の名所では、多くの場所で撮影者のマナーが問題になっています。中にはそれが理由で撮影禁止のところもあるほど。だから、寝そべったり、何かの上に乗ったりしての撮影は御法度です。寺社仏閣など、由緒正しい、格式高い場所が多いので、マナーを守るという意味でも、チルト液晶はかなり役立ちましたね。

α7R II,FE 16-35mm F4 ZA OSS 20mm,F8,1/100秒,ISO640

これもチルト液晶でなければ撮れなかった1枚。真俯瞰で地面を撮影し、パッと見のインパクトを重視した作品です。明るい部分を画面中央に配置し、そこに黄色い葉を目立つように置きました。真ん中に目線がいくような構図で、根をバランスよく配置することで目線が四隅に逃げていかないように工夫しています。

この写真は20mmの焦点距離で撮影しているので、普通に下に向けてカメラを構えると足が写り込んでしまうんです。だから手を伸ばした状態で下に向けて撮影しました。チルト液晶はカメラを体から離しても画像を確認しながら撮影できるので、紅葉撮影でもいろいろなシーンで活躍してくれますよ。

質感がつぶれてにじみやすい赤も
色に飲まれずディテールまで描き出す

上の作例を見ていただけるとわかると思うんですけど、じゅうたんのように敷き詰められている落ち葉、一枚一枚すべての輪郭がシャープに表現されていますよね。しかも落ち葉らしい乾燥しているようなディテールも見てとれます。 ハイアマチュアの方は「クリエイティブスタイルを使うなんて邪道」と思っている人もいるかもしれませんが、αの発色は優秀です。他のメーカーだと色が必要以上に乗ってしまって質感がつぶれてしまうことが多いんですが、αはしっかりした作品になるほど高いクオリティです。彩度やコントラストを上げてもリアルに、解像感そのままに仕上げてくれます。紅葉撮影の時は、ぜひ紅葉モードでも撮影してみてください。

ぼけ味を活かした作品を撮る時は
ダイレクトマニュアルフォーカスを活用

――紅葉撮影時のカメラ設定を教えていただけますか? 色の中でも赤はとくに写真に乗りづらい色なので、くっきりと赤が乗るカメラの方が紅葉撮影には適していると思います。でも、赤を強く出すと質感がつぶれてしまい、にじみが出ることも多いんです。今回はクリエイティブスタイルの「紅葉」で撮影し、さらに彩度とコントラストも少し上げています。この時の落ち葉は色が抜けてしまっていたので、カメラの力で赤を強く出し、色を戻したわけです。カメラで色を無理矢理起こしているんですけど、葉脈の筋まで解像感豊かに、ディテールが色に飲まれることなく表現できました。

α7R II,FE 70-200mm F4 G OSS 70mm,F8,1/100秒,ISO200

――紅葉といえば赤の色みが重要だと思うのですが、発色の感じはいかがでしたか? 基本的にはすべてマニュアルで設定しますが、AFはよく使います。αのAFは精度が高いんですよ。他のメーカーはちょっとフォーカスが甘いと感じる部分もあるのですが、αはピッといったら必ずピントが合っているという信頼感があります。被写界深度が浅い時など、ピントがシビアになる時にはダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)で微調整できるのも便利です。AFでピントを合わせた後、拡大表示してピント位置を手動で微調整できる機能なのですが、落ち葉の撮影ではさまざまなシーンで使いました。 例えば下の作品。落ち葉を撮る時は、このように手前に主役となる葉を置いて背景をぼかす手法をよく使うんですが、一枚の葉の中でも「ここにピントを合わせたい」という部分が必ずあります。そんな時にはダイレクトマニュアルフォーカスの出番。しかも微調整までの一連の作業がファインダーでできるところも、僕にとっては魅力でした。

α7R II,FE 16-35mm F4 ZA OSS 16mm,F8,1/125秒,ISO800

いい写真が撮れる→モチベーションが上がる
→現場での集中力も高まる、がαの方程式

――最後に、紅葉写真をもっと上手に撮りたいと思っているαユーザーに向けて、アドバイスをお願いします。 今はRAW現像を前提に写真を撮って、家に帰ってから仕上げるという方も多くいると思います。でもαならその場でいい写真が撮れて、もっといい写真を撮ろうとモチベーションも上がります。それは現場での集中力にも繋がるものです。 EVFで撮った画像を確認しながら、失敗なしで満足のいく画が撮れる。だから自然と撮影が楽しくなるんですよね。紅葉は美しい状態で撮れる期間が限られているため、「いい写真を撮らなければ」と苦しみながら撮る人が意外と多いんですよね。でもαなら、機動力もあってフットワーク軽く、楽しみながら撮れるのがいいところ。 しかも、クリエイティブスタイルやピクチャーエフェクトなど、お遊びと思われている機能も、実はいいスパイスになります。ぜひとも大いに活用して、撮る楽しみを広げてほしいと思います。たまには「紅葉を青く撮る」なんていうのもアリかもしれませんよ(笑)。

晩秋に残す、京のレッドカーペット 「旅する大人のソニー」でも井川カメラマンをご紹介しています。

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