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スナップのバリエーションが
増えるカメラ&レンズ
〜α7 II×SEL2470Z〜

フォトグラファー 柳本史歩氏

α Universe editorial team

スナップフォトグラファーとして、ソニープロカメラマンセミナーの講師も務める柳本史歩氏。α7 IIはスナップ撮影には欠かせない充実した機能、SEL2470Zは卓越した描写力が魅力だと語ります。具体的にはどのような性能がスナップ撮影で効果を発揮するのか、第一線で活躍するプロにお話を伺った。

柳本史歩/フォトグラファー 1976年東京生まれ。1999年東京造形大学卒業。2000年東京造形大学研究科修了以後フリー。日本の各地で生活をする人々の姿と、彼らが見ている景観に関心を持ち写真展シリーズ「アイル・ビイ・ゼア」を展開中。現在は作品活動と並行し、東京造形大学、日本写真芸術専門学校非常勤講師。イベントのセミナーなども手掛ける。2005年フォトシティさがみはら新人奨励賞受賞。

ノーファインダーが活きる取り回しのよさと
フルサイズの描写力を併せ持つカメラ

――柳本さんがスナップ撮影をする時、ファインダーとライブビュー、どちらを使うことが多いですか?
僕はほとんどノーファインダーで撮るんですよ。モニターをちらっと見る程度で、ほとんどヤマカンで撮っています。ノーファインダーだと、自分が想像している範囲から外れた楽しい写真が撮れるんです。しっかり構図を決めてしまうと、その時点でシラけてしまうところが僕にはあって。イレギュラーな写真、例えば構えていては撮れない絶妙な間であったり、制御できないものが写っていたり。そういうところにスナップの魅力を感じているので、ノーファインダーを基本にしています。そうすれば「また同じような写真を撮ってしまった」というマンネリからも脱却できますから。

――ノーファインダーで撮ることを前提に考えると、カメラのどのような機能が重要になりますか?
やはりコンパクトさは求められますね。α7 IIは身体の一部になっているように感じられるカメラです。僕は反射神経で写真を撮るタイプなので、パッと動いてすぐにシャッターを切れるのはα7 IIとSEL2470Zの組み合わせによる取り回しのよさが大きく貢献していると思います。一眼レフのように大きくて重いカメラは、どうしても両手で撮ることが前提になってしまう。それでは身体の一部にはなりませんよね。 さらにα7 IIはフルサイズのセンサーで画質も描写力も申し分ありません。α7 IIと同じようなサイズ感のミラーレスモデルは他にもたくさんありますが、多くはAPS-Cサイズかそれ以下のセンサーです。フルサイズは表現力豊かで、写りもまったく違います。小さくて取り回しが楽なのにフルサイズのセンサーを積んでいる。そこが一番の魅力だと思います。

普段とはひと味違った写真が撮れる
フォーカスエリアの広さが魅力

――柳本さんはAFもよく使われるそうですが、AF性能についてはいかがですか?
以前のミラーレスはAFが遅くてストレスを感じることもありましたが、α7 IIはまったく問題ありません。さらにフォーカスポイントが広範囲から選択できますから、極端な構図で撮れるようになって写真のバリエーションが増えました。フォーカスエリアが狭いと、結局中心あたりでしかピントを合わせることができないじゃないですか。でもα7 IIなら画面の端のキワ、見切れるか見切れないかギリギリのところにもメインの被写体を持ってくることができます。
誰でもそうだと思うんですけど、真ん中にメインの被写体を持ってくる構図が多くなりがちですよね。そうするとみんな同じような写真に見えてしまう。フォーカスエリアの狭さが表現の幅を狭くしていたというか。それを解消したα7 IIの功績は大きいと思います。

ボタンをカスタムすれば
ピント位置の移動もラクラク

――柳本さんはご自身が使いやすいようにボタンカスタマイズは行っていますか?
僕は広いフォーカスエリアをフルに活かすために、ピント位置を移動させることが多いんですよ。以前は他社のカメラを使っていたので使い勝手がまったく違って、最初はピント位置を移動させるだけで大変だったんです。そこで、自分が使いやすいようにボタンをカスタムしました。
ピント位置の移動は、十字ボタンでパパッと動かすクセがあったので、そこに当たる部分、コントロールホイールの左、右、下ボタンに「フォーカスセット」を割り当てるようにしています。こうすることで、ボタンを押すとすぐフォーカスエリアがアクティブになり、好きな位置に移動させることができるので、ピント位置の移動が飛躍的に早くなりましたね。

――ボタンカスタマイズで、前に使っていたカメラの操作性を引き継げるわけですね。
最初に買った時、操作方法を覚える、ボタン周りを体で覚える、という作業は結構時間がかかるんですよ。だから、今まで使っていたカメラ、使い慣れているカメラと同じようにボタンがカスタムできるのは重要なポイントだと思います。その点、α7 IIはカスタマイズ機能がかなり充実しているので、慣れるまでの時間がかからないから、すぐに思い通りに動かせる。それがシャッターチャンスを逃さないことにも繋がりますから。
そのほか、「カスタムボタン1」はホワイトバランス、「カスタムボタン2」は感度、「カスタムボタン3」は瞳AFを割り当てています。基本的にカスタムボタンだけで完結するような形ですね。実際、あまり使わない機能も多いので、逆に間引いて誤作動がないようにできるわけです。
よく写真を撮っている方は、自分がどの機能をよく動かすか、ある程度はわかりますよね。頻繁に使う機能はカスタムボタンに割り当てれば操作性を洗練させることができて、より使いやすくなると思いますよ。

瞳AFと顔認証でミスを大幅に軽減。
写真が上達する近道にもなる

――カスタムボタンに瞳AFを割り当てているということは、この機能をよく使われるということですよね?
はい。瞳AFはかなり活躍しています。常にカスタムボタン3にセットしていますから、ここを親指で押しっぱなしにして撮ることが多いですね。ノーファインダーで撮ると、どうしてもピントの位置がちょっとズレたり、自分が意図しないところにピントが合ってしまうこともあります。でも瞳AFを使えば、人の目にしっかりピントを合わせてくれるのでミスが圧倒的に少なくなります。もちろんポートレートを撮る時にも活躍する機能だと思いますが、スナップの場合は頼りになる保険という感じですね。

――顔検出も使われているのでしょうか。
ノーファインダーでは効果的だと思ったので、顔検出もよく使います。顔の部分が適正露出にならなくて白飛びしたり黒潰れていたりすると、後から修正がしづらいんです。でも顔検出を使えば、顔の部分に露出を合わせてくれますから。撮影の現場では露出補正すら間に合わない場合があります。撮影時に自分が操作しきれないところをカメラ側がやってくれて、最低ラインをキープできるのはとても助かりますね。
カメラが優秀だから、露出的な問題で「これは使えない」という写真がかなり少なくなりました。失敗を恐れてひとつの被写体に固執することがなくなるので、時間もかからない。そうすると他の被写体にも目が向くようになる。だから写真が上手になるんですよね。普通に撮れるのが当たり前なので、イレギュラーな作品にも挑戦できる。だから、バリエーションを増やしたい、作風を変えたい、という方にはおすすめのカメラだと思います。

その場の空気感を映し出す
メリハリの利いたツァイスレンズ

――スナップ撮影でお気に入りのレンズがあれば教えてください。
メリハリの利いたキリッとした写真に仕上げてくれるSEL2470Zがおすすめです。僕は少し暗めに撮るクセがあるんですが、このレンズを使うとハイライトとシャドーのメリハリをキープしてくれる、という印象。平面的にならないところが、すごくカッコイイんです。今まではかなり調整しないと思い通りの作品に仕上げられなかったところを、調整いらずでしっかり写してくれるのがツァイスレンズの魅力だと思います。
明暗差のメリハリがいい具合に利いているから、その場の空気感まで映し出せるようなイメージですね。湿度みたいなものが写るような感じ。しっとりしていたり、サラッとしていたり。そういう表現力の豊かさも気に入っているポイントです。
さらに、色の深みを表現できるのも魅力。もちろん、露出を下げればある程度は質感や深みは出ると思いますが、ニュートラルな状態でも色の重さや軽さが表現できますから。α7 IIのフルサイズセンサーとの相性の良さもあると思いますが、いい写真が簡単にパッと撮れてしまうので、初心者の方にもぜひ使っていただきたいレンズです。

焦点距離を意識すればバリエーション豊かな
スナップが撮れる

α7 II,SEL2470Z 24mm,F18,1/15秒,ISO-400

――スナップ写真を撮るにあたり、カメラとレンズに欠かせない要素は何ですか?
α7 IIとSEL2470Zの組み合わせは、とにかくコンパクトなので、街でスナップを撮っていてもまわりの人に威圧感や嫌悪感を与えることがありません。シャッター音も一眼レフと比べると控えめなので、自然と街に溶け込むことができるんです。スナップ撮影では取り回しのよさだけでなく、街に入り込みやすいカジュアル感も重要。一眼レフは大きくて存在感があるので「何を撮っているんだ?」と思わせてしまいますから、その差は大きいと思います。

――最後に、印象的なスナップ写真を撮る秘訣やテクニックを教えてください。
スナップ写真はバリエーションを増やすと見栄えがよくなります。ズームレンズを使う時、一般の方はあまり焦点距離を気にせずに撮影していると思いますが、それぞれの好みによって焦点距離は似通ってしまうもの。それでは同じような写真ばかりになってしまいます。
撮影時にどのくらいの焦点距離で撮っているのかチェックすると、自分のクセも見えてきます。せっかくのズームレンズですから、いつも同じような焦点距離にならないよう、広角から望遠までフルに活用しましょう。そうすればバリエーションが増えるだけでなく、写真も上達します。
そして、せっかくの軽量コンパクトな組み合わせですから、構えて撮るだけではなく、ノーファインダーにもぜひ挑戦してみてください。

――以下、柳本氏がα7 IIとSEL2470Zで撮影した作品の一部をご紹介します。

α7 II,SEL2470Z 24mm,F8,1/1600秒,ISO-400

光の存在感と街の形を表現しようとした作品。逆光は立体感や物語性を表現できる一方露出設定がシビアだが、α7 IIの広いダイナミックレンジはこうしたシーンでも極端に飛んだり潰れたりすることなく見た時に近い表現をしてくれる。

α7 II,SEL2470Z 24mm,F13,1/50秒,ISO-400

シルエットの美しさに感動した作品。シャドウの中の桜の質感を快調豊かに表現してくれたおかげで写真の強さを表現することができた。ツァイスレンズの描写力とダイナミックレンジの広さがこの豊かな表現を可能にしてくれている。

α7 II,SEL2470Z 29mm,F10,1/60秒,ISO-400

強力な手ブレ補正がサポートしてくれるおかげで水面がわずかに被写体ブレを起こしているような動きのある作品も手持ちだけで対応できる。三脚から解放され自由な動きで撮影できるのが魅力だ。

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