商品情報・ストアサウンドバー/ホームシアターシステムソニー サウンドバー開発陣が語る「HT-ST7」の“凄さ”

ソニー サウンドバー開発陣が語る「HT-ST7」の“凄さ”


単品発売できるほどの出来? 作り込まれた専用サブウーファー

単品発売できるほどの出来? 作り込まれた専用サブウーファー

鳥居 つづいてはサブウーファーについてです。一般的なサウンドバー用のサブウーファーは実際のところ結構高い周波数も出ていて、サブウーファーの音の位置がわかってしまうこともあります。ところが、「HT-ST7」だとサブウーファーは本当に「低域だけ」を担当しているので、低音だけ別の場所で鳴っているという感じがしませんね。よくできたサブウーファーだと思います。単品で発売しても良いかと思うくらいです。

ホームエンタテインメント&サウンド事業本部 サウンド2部 増田英樹氏。機構設計を担当。手に持っているのがサブウーファーのパッシブラジエーター

増田 このサブウーファーの帯域はかなり下まで伸びていて、30Hzくらいまでは出ています。普通の設計だとそこまで低音域をかせぐには筐体をもっと大きくしないと無理です。コンパクトな筐体ではバスレフポートを使ってさえも重低音をかせぐのは難しい。そこで、パッシブラジエーターの採用を決めました。 サブウーファーユニット自体は18cmユニットを前面に取り付け、パッシブラジエーターは20×30cmの楕円形ユニットを底面に配置していますね。パッシブラジエーターは円形ユニットも検討したのですが、低音のために口径をかせぎたかったのです。そのため楕円形を採用しました。 これだけ大きな振動板ですからパルプ(紙)ではどうしても強度が不足します。そのため振動板にリブを設けて補強しています。歪(ひず)み感の少ない低音再現を可能にしています。また、ユニットを支えるエンクロージャーも徹底的に補強を加えて強化しています。特に基板を取り付ける面は厳重に強化し、基板が振動しないように気をつけました。

底面にパッシブラジエーターを装備したサブウーファー

鳥居 大きな円形の板を貼って補強しているのがわかります。円形の板というのも、音質を考慮して決めたのですか?

増田 いいえ。スピーカーユニットを取り付けるために空けた穴の板を再利用しています。エンクロージャー用ですから厚みのある強い板材ですし、ユニットの口径が大きいので面積もあります。廃材にするよりも補強に使った方が有効なんです。エコですし(笑)。

ホームエンタテインメント&サウンド事業本部 サウンド2部 高松睦氏。「HT-ST7」の電気設計を担当

鳥居 良い材料を使い、しかもムダなく使っているわけですね。

高松 こうしたアコースティックな設計に加えて、デジタル処理も組み合わせています。 「デジタル モーショナル フィードバック機能」では、ウーファーユニットの動きを検出回路と信号処理LSIで検知し、アンプ回路に戻してやることで歪(ひず)み成分をキャンセルします。デジタル処理ではありますが、仕組みとしてはアンプのNFB回路と同じものです。

サブウーファーに搭載されたDSPがサブウーファー自身の振動を制御する「デジタル モーショナル フィードバック機能」

鳥居 出力信号の一部をDSPに戻すというNFBの原理からすると、信号の遅れ(位相回転)が気になりますが・・・。

米田 そのために、信号処理用のLSIは、ヘッドホンで採用しているデジタルノイズキャンセリング用のものを応用しています。デジタルノイズキャンセル技術も周囲の信号をマイクで拾い、ノイズとは逆相の信号を作り出すことでノイズを相殺します。周囲のノイズは常に変化しますから、リアルタイムで処理ができないとノイズを低減できません。そのため、処理速度は極めて高速です。こうした高速処理が可能なLSIを使うことにより、ここでの遅れは低音での位相回転にほとんど影響しません。

R&Dプラットフォーム情報技術部門 シニアエンジニア米田道昭氏。サブウーファーの信号処理を担当

鳥居 ヘッドホンのノイズキャンセル技術を駆使して、サブウーファーの音質を向上しているのですか。あらゆるところにソニーのオーディオ技術が入っていますね。

米田 ソニーの技術を総動員しています。デジタル処理ですから、歪(ひず)みをキャンセルするだけでなく、デジタルフィルターのパラメーターの変更が容易です。最終的な音質のチューニングだけでなく、好みに合わせて3つの音質を選べるようにしました

鳥居 「サブウーファー トーン」のモード切替ですね。音楽用のタイトな低音の「TONE 1」から、標準状態の「TONE 2」、映画用に量感を加えた「TONE 3」となっていますが、もっと派手に音質が変化しても良いとも思いました。それはやはり、全体的な音質的なクオリティーのためですか?

米田 はい。低音の音色はもっと派手に変えることもできるのですが、トータルでのクオリティーをキープできる範囲にとどめています。

鳥居 製品を設置するときに気付いたのですが、サブウーファーの脚部にはもう1枚底板が追加されていますが、これは何のためでしょうか?

増田 この板は低音を拡散させるためのものです。サブウーファーが置かれる場所がどこであっても、低音に変化が出ないようにする工夫です。底面のパッシブラジエーターから出る低音は、床面に反射して広がるわけですが、硬いフローリングの床とカーペットを敷いた床では低音感が変わってしまいます。それをこの板で変化が出ないようにしています。

サブウーファーの底面には、巨大な一枚板。どんな場所に置いても変わらない低音を響かせるための工夫

鳥居 それでこんなに板厚があるのですね、強度も高いですし。 低音の反射板のこだわりも驚きますが、室内の環境に左右されないところまで配慮するのは立派ですね。その点では、ユーザー自身が十分にケアする単品コンポーネント以上に誰でも高音質が楽しめるように工夫されていることがわかります。手軽に使えるサウンドバーらしい心遣いも忘れていないのはうれしいですね。

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