商品情報・ストアハイレゾ・オーディオサイト FLAGSHIP LOUNGE “音のプロ”が語る、ソニーのTHE HEADPHONES

“音のプロ”が語る、ソニーのTHE HEADPHONES レコーディング/マスタリングエンジニア 鈴木 浩二

 “音のプロ”が語る、ソニーのTHE HEADPHONES レコーディング/マスタリングエンジニア 鈴木 浩二

MDR-1シリーズの最新モデル「MDR-1AM2」。
ミュージシャンと一緒に、良質な音楽を作り続けている“音のプロ”、
レコーディング/マスタリングエンジニアは、MDR-1AM2をどう聴いたのか?
権威ある「日本プロ音楽録音賞」の最優秀賞を何度も受賞している、
日本を代表するトップエンジニア、ソニー・ミュージックスタジオの鈴木浩二氏に、
ウォークマン「NW-ZX300」との組み合わせなどで実際に試してもらい、その印象を訊いた。

聞き手:岩井喬氏/オーディオライター

MDR-1AM2
「幅広いジャンルで楽しめるヘッドホン」

━━ お仕事ではモニターヘッドホンを使われると思いますが、プライベートでもヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くことはありますか?

もちろんです。ふだんの仕事では少しの違いもちゃんと判別できるようにモニターヘッドホンを使いますが、プライベートではそういった細かい部分をチェックするようなものではなく、全体的な音色の良さや音楽の楽しさを味わえるものを選んでいます。

━━ 今回、MDR-1AM2をお試しになって、どのような第一印象を持たれましたか?

とても音の密度が高く、エネルギー感があるヘッドホンだなという印象です。低音も豊かだし、高域もキレイに伸びます。音の美しさと力強さを同時に感じました。ヘッドホンって、製品によっては低音がボワっとなってしまい「心地いいけどパンチがないな」と感じるものもあるなか、MDR-1AM2はそういったことがありません。幅広いジャンルの音楽を楽しめます。

━━ 前モデルからの進化では、特にボーカルの表現力向上を狙ったと開発陣は語っています。その点についてはどう感じましたか?

素晴らしかったですね。例えばケイコ・リー「あまく危険な香り」(「Timeless 20th Century Japanese Popular Songs Collection」収録)では、囁くような歌い方、抜いた感じやハスキーな感じを大切に録音したのですが、そこをちゃんと再現してくれました。

レコーディング/マスタリングエンジニア 鈴木 浩二
レコーディング/マスタリングエンジニア 鈴木 浩二

━━ ハスキーな声の帯域は、どのヘッドホンでも特徴が出る部分だと思います。倍音の輪郭感を際立たせすぎるヘッドホンだと、そんなに強く歌っていないのにエッジが立ったような聴こえ方をするものもあります。

そう、ボーカルはそこが大事なんですよ。抜いたところはちゃんと引っ込んで、音に奥行きがないといけません。MDR-1AM2はそれがちゃんと出せていますよね

━━ 密閉型ヘッドホンは、一般的に奥行き方向の表現が難しいのですが、そこはいかがでしたか?

MDR-1AM2は音が分離し、奥行き感を表現できています。また、低音の処理の仕方と表現も素晴らしいと感じました。ベースとドラムの関係性による音の立体感の表現力にも、ヘッドホンの実力が出ます。低域の立体感が出ないと、かなり残念な感じになってしまうんです。MDR-1AM2は低域の一体感がありつつ、しかもちゃんと奥行きが出ています。

━━ なるほど。

ケイコ・リー「あまく危険な香り」には、ボーカル以外でも、ベースとバスドラムが融合した低音のふくよかさがあって、その一方で高音のシャキシャキしたパーカッシブな音も入っています。高域と低域がキレイに伸びているように作った音源なんです。MDR-1AM2で聴くと、バスドラムのアタック感とベースのふくよかさがちゃんと聴こえて、さらにパーカッションのキラキラ感、スピード感もちゃんと再現してくれました。ボーカルもちゃんと芯がある。どこかが抜けてしまうのでなく、どのパートもちゃんと表現してくれました。

レコーディング時の
細いこだわりをちゃんと再現してくれる

━━ 「幅広いジャンルで楽しめそう」という話もありましたが、ケイコ・リー以外の作品での印象はいかがですか。

例えばスティーリー・ダン「ガウチョ」では、音の起ち上がりのスピード感や高域の伸び感がちゃんと出ていて、素晴らしいと感じました。
またピアニスト・小山実稚恵の「ゴルドベルク変奏曲」は、ホールでのオフマイク録音で、わりとソフトに演奏している曲です。ですので、下手するとただ弱々しいだけの表現になってしまうヘッドホンもあるんです。だけどMDR-1AM2はそうではなく、曲のソフト感、やさしさがちゃんと伝わってくるんですよ。

レコーディング/マスタリングエンジニア 鈴木 浩二
レコーディング/マスタリングエンジニア 鈴木 浩二

━━ たしかに私も、オフマイク収録したピアノの音の雰囲気をちゃんと感じ取ることができるヘッドホンだと感じました。

空間の繊細さもちゃんと出てくるのは、高域の処理の上手さによるものでしょうね。レコーディングの際、エンジニアとしては楽器を捉えるときの空間というか、距離感をどう出すかを凄く意識します。そのためにマイクの距離を1cm単位で調整したりするんです。MDR-1AM2は、そのこだわりまで伝えてくれます。ありがたいことですね。

━━ MDR-1AM2が幅広いジャンルに対応できている要因は何なのでしょうか?

周波数帯域を上から下までバランスよく表現できているからでしょうね。どこか特定の帯域が突出したり、逆に凹んだりしていません。
あとは奥行き感ですね。音楽の制作現場では、ロックでもダンスでも、力強さだけを表現してるわけじゃないんですよ。音の定位と言うと「左右の定位」というイメージが強いかもしれませんが、プロのエンジニアは必ず「奥の定位」もつくっています。この人は前、この人はやや後ろの右、とかですね。何もかも前に出すのではなく、奥行き感を音源に込めているんです。そうした前後感がちゃんと表現できることが、いろんなジャンルが聴けるヘッドホンの条件だと思います。そういう意味で、このMDR-1AM2はダンスものの低音の力強さも出る一方で、空間もちゃんと表現できる。興味深いヘッドホンと感じましたね。

━━ 世の中はワイヤレスヘッドホンが隆盛ですが、そんななかでMDR-1AM2はワイヤード、有線のモデルです。

やはり音質面では有線のほうが有利ですからね。いまは技術革新でワイヤレスヘッドホンもかなり良くなっていますが、音のアタック感やリアルさのようなものは、有線のほうがちゃんと感じられます。あとはケーブルを変えるという楽しみ方もありますし。

ウォークマン®ZX300とのコンビは
「髪の毛一本ぶんのこだわりまで伝わる」組み合わせ

━━ さて、MDR-1AM2はブラックとシルバーの2色展開です。

カラーリングはウォークマン「NW-ZX300」と統一感を持たせていると説明を聞きました。色だけで無く質感も含めて統一されていて、いいデザインですよね。

━━ またMDR-1AM2にはバランス接続ケーブルが付属しています。ウォークマンZX300と組み合わせると、手軽にバランス接続で音楽を高音質に楽しむことができるわけですが、実際に試してみていかがでしたか?

力強いですよね。一段パワーが増すというか。その上で高域の伸びや繊細感もちゃんとあって素晴らしいなと。
でも、だからといってアンバランス接続時はダメかというとそうではなく、こちらはこちらで、ちゃんと音楽的になっているんですよ。バランス接続では力強く前に来る感じで、アンバランスは押し付けない自然な感じも残っているという印象です。
バランス、アンバランスの両方でそれぞれちゃんと音楽の楽しさを味わえるので、ジャンルによって好みで使い分けても面白いかもしれませんね。

━━ 両者の組み合わせの場合、10万円程度でバランス接続が始められることになります。一般リスナーが手軽に高音質な環境を手に入れられるようになりました。

これは、エンジニアにとってもうれしいことですね。レコーディングやマスタリング時は、アーティストの想い、演奏のニュアンスをリスナーに届けるために、ものすごく細かく調整しているんです。それこそ「(パラメーターなどを)髪の毛一本ぶん上げてみようか」というレベルです。マイクを1cmだけ動かす、パラメーターを髪の毛一本ぶんだけ調整する、そうしたほんのちょっとの違いで、例えばボーカルがグッと浮き上がってきたりだとか、表現の幅がグッと広がったりするんですよ。 ハイレゾもそうです。CDではどうしてもマスター音源より情報が少なくなってしまいますが、ハイレゾならこだわり抜いたマスター音源の魅力をそのまま届けられます。 そして、そういう非常に細かい部分がちゃんと伝わるかは、お客様がどういう環境で聴くのかにもかかってきます。ですので、お客様の環境が良くなるのは、エンジニアとして非常にありがたいですね。そこが伝わらないと、僕らのこだわりはなんの意味もないですから。そういう意味でもMDR-1AM2やウォークマンZX300のように、ハイレゾ対応のいいものが手頃な価格でどんどん出てくるのは、本当に凄くありがたいですね。

今回試聴していただいた
ウォークマンとヘッドホン

ステレオヘッドホン

MDR-1AM2

あらゆるジャンルの音楽をありのままの音で届ける。ソニーのTHE HEADPHONES

ウォークマンZXシリーズ[メモリータイプ]

NW-ZX300

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“音のプロ”が認めたMDR-1AM2の開発秘話はこちら
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