法人のお客様[法人向け] カメラ 事例紹介 讀賣テレビ放送株式会社 様

事例紹介

讀賣テレビ放送株式会社 様

テレビ局が報道現場に新たな表現を求め、
Cinema Lineカメラ『FX6』を選んだ理由

讀賣テレビ放送株式会社は、1958年8月28日に開局。近畿広域圏を対象地域とした放送事業を行っているテレビ局。2022年夏、その報道局にCinema Lineカメラ『FX6』が導入されました。ショルダーカムコーダーの活用が一般的な報道現場で、なぜCinema Lineカメラが選ばれたのか。その理由を西川 亮 様、大塚 伸之 様にお伺いしました。

西川 亮 様
株式会社ytv Nextry所属。報道カメラマン。NNNドキュメント・ウェークアップ・ミヤネ屋・かんさい情報ネットten.などを担当。
主な受賞歴
2006年「西成シャブストリート」日本映画テレビ技術協会 映像技術賞
2012年「仰げば尊し」日本民間放送連盟賞 テレビ教養番組最優秀賞
2022年「みのだん〜夢 コロナ 青春〜強豪ダンス部の1年」日本民間放送連盟賞 青少年向け番組最優秀賞

大塚 伸之 様
株式会社エキスプレス所属。報道カメラマン。NNNドキュメント・ウェークアップ・ミヤネ屋・かんさい情報ネットten.などを担当。

「機動性」と「暗所性能」などが評価され、
報道現場で『FX6』を初導入

―まずは、讀賣テレビ放送様の報道局の事業内容について教えてください。

(左から) 西川 亮 様 大塚 伸之 様

西川:讀賣テレビ放送の報道番組としては、「情報ライブ ミヤネ屋」・「かんさい情報ネット ten.」・「ウェークアップ」・「NNN ストレートニュース」「ytv Documentary Program」などを製作しており、私が所属する報道局では、各番組で放送するための事故・事件の取材、ドキュメンタリーといったものを撮影し、編集からオンエアまでを実施しています。私は報道カメラマンとして、日々オンエアするニュースの現場取材を主に行っています。取材した情報は、その日のニュースや後日特集を組むなど、放送日はさまざまです。

―普段はどのようなカメラを使用していますか。

西川:普段は、ENGカメラとしてXDCAMショルダーカムコーダーの『PDW-700』ならびに『PDW-850』をメインに使用しており、24時間365日いつどこでも取材先に急行できるように準備をしています。現場ですぐにカメラを起動でき、ズーム倍率が高く、パン・フォーカスなどの早い動きにも耐えて、撮りたいものを確実に撮影するためには、ショルダーカムコーダーが欠かせません。

―そんな中で、今回Cinema Lineカメラ『FX6』の導入を決めた経緯について教えてください。

西川:最初は、ytvのグループ会社 株式会社ytv Nextryで『FX6』が導入されて、その存在を知りました。主に番組の再現VTRなどで『FX6』が使用されている状況を見て、被写界深度の浅い映像を報道番組の素材として使えるのではないかと考えたのがきっかけでした。

暗視カメラとしての役割を考えた時に、夜間の事件・事故で照明が点灯できない現場が多くあり、最大ISO409600のスペックを持つ『FX6』は使えます。これまでは暗所に強い『α7S II』を使用していたのですが、更新を考えていました。『α7S II』と一緒に使用していたレンズが『FX6』でも使用でき、無駄にならないという点も導入を後押ししました。

―決め手は、どのような点でしたか?

大塚:まず、現場でのワンマンオペレーションを考えた時に、ボディの大きさがコンパクトで「機動性」があることを重要視しました。『FX6』に決定した理由は、コンパクトさと「機動性」「暗所性能」に加えて、「電子式可変NDフィルター」にあります。現場では絞り・ISO感度の設定固定したまま、明暗の調整をしたいため、「電子式可変NDフィルター」は必須条件でした。これらの点を踏まえて、『FX6』に決めました。

シネマティックな映像が
求められる場面とは

―『FX6』は4Kフルサイズセンサーを搭載しています。それによってぼけ感のある被写界深度の浅い印象的な映像が撮影可能ですが、報道局でそのような映像を求められる場面はありますか。

大塚: そうですね。報道局でも最近は全てにピントがあっている映像だけでなく、ディレクターからシネマのような質感を求められることが増えており、被写界深度の浅い映像を撮影する場面は多いですね。実は、シネマカメラを報道局で導入するのは初めてではなく、2013年から他社のシネマカメラを使っており、主にドキュメンタリーや特集が組まれる企画、季節毎のイベント取材などで活用しています。

―直近で『FX6』を使用した現場はありますか。

西川:導入直後ですね。夏の特集企画『3年ぶり開催!なにわ淀川花火大会2022 大阪の夜空を華麗に彩る大輪を、様々な角度&様々な種類のカメラで捉えた珠玉の映像集』の中で使用しました。この現場では、フルサイズセンサーによるぼけ表現と、夜間でもしっかりと撮影できる高感度性能が生かされました。

『“地獄のシャワー”に子どもたちも大はしゃぎ!3年ぶりの行動制限なしに「やる勇気」「やらない勇気」に揺れた夏、笑顔と涙の記録』では、3年ぶりのプール授業を取材したのですが、子どもたちが水遊びをする姿を240fpsのハイフレームレート撮影をすることで印象的なシーンになっています。そのほか、今年の夏は海開きや相撲大会など、多くの現場で『FX6』を使いました。

“地獄のシャワー”に子どもたちも大はしゃぎ!3年ぶりの行動制限なしに「やる勇気」「やらない勇気」に揺れた夏、笑顔と涙の記録 別ウィンドウで開きます

―実際に現場で活用できた機能はありますか。

西川:FE 70mm-200mm・F2.8 GM OSSを使用した現場で、子供の目をアップで撮りたいシーンがあり、そこで全画素超解像ズームを使いました。あと少し寄りたいときには非常に重宝する機能ですね。

撮影後の素材を最短で放送するための工夫、
時間との勝負の中でクオリティーを最大限に保つには

―現場では、『FX6』をどのような設定で撮影しましたか。

大塚:『FX6』をCustomモードに設定して、S-Cinetoneで撮影を行いました。通常の映画ではCine EIモードに設定した状態で、S-LogやRAWで撮影して、グレーディングの作業に入ると思います。しかし、取材当日中に撮影素材をオンエアする報道の私たちにとっては、Cine EIモードでの撮影やグレーディングの作業は現実的ではないです。

現場でのISO感度の変更もしっかり記録してくれるCustomモードであれば、編集で増感減をしなくても済むため、編集作業時間の大幅な短縮につながります。花火の取材は、撮影後にその日の夜のニュースでオンエアするという、かなりタイトなスケジュールが組まれていました。このような状況で動くにあたって、Customモードは不可欠です。

―S-Cinetoneでの撮影についてはいかがでしたか。

大塚:シネマのような映像表現を求めるディレクターやカメラマンからも、柔らかい表現や画の雰囲気が良く好評です。ルックを当てた撮影ができるのは非常に嬉しいです。今後もテストを重ねていきます。

報道局としてこれからの
ソニーCinema Lineカメラに期待すること

―『FX6』を使用して、ソニーへ期待することはありますか。

西川:Eマウントレンズのズームリングを回す方向ですかね。普段使用しているENGカメラとは逆回転のため、オペレーションに苦労している人がいます。報道カメラマンとしては、オートフォーカスよりもマニュアルフォーカスに慣れていて、撮りたいシーンを確実に押さえる時にオペレーションミスは許されません。一部のレンズは、オプションで逆回りにできますが、それに対応するレンズを増やしてほしいですね。

―なるほど。他にはありますか。

大塚:『FX6』純正ルーペがあれば非常に便利だと思います。今の液晶画面では見えにくいと話すカメラマンもいるので、ピントを調整できる専用ルーペが欲しいです。

―今後どのような現場で『FX6』で撮影したいとお考えですか。

大塚:これから『FX6』をENGスタイルで使用できるリグを装着する予定です。そうすることで、従来の取材スタイルと近しいオペレーションができるようになり、取材だけでなくドキュメンタリーなどで活用も増えると思うので楽しみです。

西川:被写界深度の浅さを利用した表現方法ができるなど、カメラマンにとって撮影方法の選択肢が増えているので、映像特集などでも積極的に活用していきたいと考えています。

使用機材紹介

FX6

Cinema Line カメラ
FX6

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※プロフェッショナルカムコーダーサイトにリンクします

讀賣テレビ放送株式会社

https://www.ytv.co.jp/ 別ウィンドウで開きます

※本ページ内の記事・画像は2022年11月に行った取材を基に作成しています。

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