法人のお客様 ニュースリリース一覧 静岡放送様と「メタデータ自動紐付けシステム」およびカメラ連携クラウドサービス「C3 Portal」を活用した新たな編集ワークフローの実証実験に成功 −放送業界のDX化により、高効率・省人力での番組制作を支援−

2021年11月17日

静岡放送様と「メタデータ自動紐付けシステム」および
カメラ連携クラウドサービス「C3 Portal」を活用した新たな編集ワークフローの実証実験に成功

−放送業界のDX化により、高効率・省人力での番組制作を支援−

ソニーマーケティング株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:粂川滋、以下、ソニーマーケティング)は、静岡放送株式会社様(本社:静岡市駿河区、代表取締役社長:榛葉英二、以下、静岡放送様)と、「メタデータ自動紐付けシステム」および、カメラ連携クラウドサービス「C3 Portal(シースリーポータル)」を活用した、新たな編集ワークフローの実証実験を実施しました。

本実証実験では、ソニーマーケティングが独自に開発した「メタデータ自動紐付けシステム」および、2021年9月に発表したカメラ連携クラウドサービス「C3 Portal」のクラウドへのファイル転送機能を活用しています。
「C3 Portal」とカムコーダー、スマートフォンとの連携により、クラウドを経由して即座に収録素材を伝送することに加え、「メタデータ自動紐付けシステム」により、アップロードした素材に事前に作成した取材メタデータを自動的に付与することで、撮影後に人手を介さず、すぐに編集作業に着手できる新たなワークフローについての有用性を検証しました。


<システム構成図>

実証実験では、XDCAM™メモリーカムコーダー『PXW-Z280』、XDCAMショルダーカムコーダー『PXW-Z750』および、プロフェッショナル向け5Gミリ波帯対応デバイス『Xperia PRO(エクスペリア プロ)』を用いて静岡県内の複数個所で撮影した映像を、「C3 Portal」経由で静岡放送様局内のサーバーへ即座に転送し、メタデータの自動紐付けを行いました。

「メタデータ自動紐付けシステム」は、あらかじめ、静岡放送様内の報道支援システムに入力した「機材情報」「取材場所」「取材日時」を、取材時のGPS情報や日時、カメラのシリアルナンバーなどと照らし合わせることで、自動的に撮影素材と取材メタデータを紐づけます。今回は、「C3 Portal」のクラウドへのファイル転送機能とあわせて運用することで、撮影開始とほぼ同じタイミングでメタデータが自動的に付与された撮影素材を、局内にて編集着手することが可能となりました。

実証実験は2021年10月18日(月)から10月29日(金)の間で複数回実施しました。150以上の収録素材を用いて検証した結果、「メタデータ自動紐付けシステム」は約98%の精度で事前に入力したメタデータと素材の紐付けを行うことができました。
また、今回の実験では、「メタデータ自動紐付けシステム」による作業効率向上に加え、『PXW-Z280』と「C3 Portal」のスマートフォン用アプリケーション「C3 Portal App(シースリーポータル アップ)」の連携による、QRコード読み取りのみでのクラウド接続(*1)や、チャンク形式でのファイル転送(*1)による編集効率の向上も、現場の負担減に大きく寄与することが確認できました。すべての収録素材を「C3 Portal」経由で転送することができたほか、チャンク形式でのファイル転送を利用しない場合も含めて、すべてのクリップを撮影後30分以内で転送することができました。

*1: 「C3 Portal」サービス開始時点では、『PXW-Z280』および『FX9』が対応予定です。11月下旬以降に実施予定のファームウェアアップデートで対応します。

<実証実験中の取材風景>
<PXW-Z280とC3 Portal Appの運用イメージ>

<GUIでの自動紐付けの確認イメージ>

■静岡放送様のコメント
今回の実証実験では、クラウドサービスを活用した新しいワークフローを体験することができました。また、今回の実験で撮影した素材を活用し、実際にオンエアまで実現することができたことにも意義があると考えています。
取材撮影においても大きな負担はなく、素材が自動的に転送される点や、メタデータとの紐付けで素材が整理される点は利便性が高く、加えてチャンク形式でのファイル転送により、先行して編集に着手できる点は即時性に優れていると感じました。
今後も、さまざまな観点から、効率化に向けた取り組みをソニーマーケティング株式会社様と一緒に検討したいと期待しています。

従来のワークフローにおいては、収録素材の転送やメタデータの入力は、カメラマンが撮影後に局に戻ってから手動で行う必要があるなど、個人への負担が大きいことに加え、編集作業の開始までに時間を要するという課題もありました。また、放送・番組制作の現場では、ライブ配信やオンデマンド配信など、配信方法が多様化する中、効率化をめざしたデジタルトランスフォーメション(DX)へのニーズも加速しています。

ソニーマーケティングでは、これまで、ファイルベースでのクラウドソリューションの開発を進めており、異なるマイクロサービスを自由に構築可能なクラウドソリューション「Media Solutions Toolkit(メディアソリューションズツールキット)」や、効果的なメディア管理・運用を実現する統合プラットフォーム「Ci Media Cloud Services (シー メディア・クラウド・サービス) 」、複数のAIエンジンを統合管理・活用する「Media Analytics Portal(メディア アナリティクス ポータル)」などを提供してきました。さらに、11月10日にはクラウド中継システム「M2 Live(エムツーライブ)」の提供開始を発表し、ライブ中継でのクラウド活用も推進していきます。

今後は、本実証実験の結果をふまえ、「メタデータ自動紐付けシステム」と既存サービスの連携などを含めた、放送業界のDX化をサポートする映像制作クラウドサービスの提供を進めていきます。

■参考リンク

・映像制作クラウドサービス
https://www.sony.jp/professional/solution/cloud_pp/
・カメラ連携クラウドサービス「C3 Portal」
https://www.sony.jp/professional/solution/cloud_pp/C3_Portal/

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