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事例紹介

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ソニーPCL株式会社 様

プロダクション

FIFA 女子ワールドカップ 2011年大会の熱戦を3D撮影し、プロモーションやネット配信に活用。会場周辺や観衆などのビハインドシーンの撮影に、NXCAM 3DカムコーダーHXR-NX3D1Jをフル活用

ソニーPCL株式会社 様

2011年6月26日から7月17日にかけてドイツで開催されたFIFA 女子ワールドカップ 2011年大会は、日本の劇的な優勝で幕を閉じました。ソニーグループは、この熱戦の模様を3D撮影し、セールスプロモーションやインターネット配信用のコンテンツを制作しました。撮影には、3Dリグのほかに、NXCAM 3DカムコーダーHXR-NX3D1Jをサブカメラとして運用し、3D撮影のメイキング映像、会場周辺や観衆の様子などビハインドシーンの撮影にフル活用しました。

今回の3Dコンテンツ制作を担当されたソニーPCL株式会社 事業本部 クリエイティブ事業部 クリエイション部 コンテンツ制作課 荒井勇雄様に、HXR-NX3D1Jの運用と成果、今後の3D撮影における可能性などについて伺いました。

3D撮影のセッティングから撤収までのメイキング撮影や、会場周辺の観衆の中など、大きな機材が持ち込めない場所での3D撮影にHXR-NX3D1Jを活用


ソニーPCL株式会社
クリエイティブ事業部
荒井勇雄 様

今回の3Dコンテンツ制作の主目的は、日米向けの各種プロモーションや店頭での映像展示、あるいはインターネット配信で、アメリカ・ドイツ・日本を中心に8会場で12試合を撮影しました。ピッチでの熱戦の模様を収録する3D撮影システムには、ハーフミラー方式の3Dリグを採用しました。右眼用/左眼用のカメラにはマルチフォーマットカメラHDC-950とHD CCDブロックアダプターHKC-T950を採用、マルチイメージプロセッサーMPE-200で設定・調整を行い、2台のHDCAMに収録しました。このシステムをゴール裏にそれぞれ設置するとともに、メインプラットホームに2DのカメラとMPE-200による疑似3D撮影システムを設置し、3カメ体制で収録を行いました。

そして、サブカメラとしてNXCAM 3DカムコーダーHXR-NX3D1Jを、3Dリグを持ち込めない、入りにくい場所などの3D撮影にフル活用しました。このカメラを今回採用した一番の目的は、3D撮影のメイキング映像を作成することでした。試合開始前のセッティングから、試合後の撤収までを3Dで撮影し、これまでの2D映像では表現できないような、よりリアルなメイキング映像を狙いました。ほかにも、各会場でソニードイツが開催した商品展示会の様子や、続々と会場に集まる大観衆の中に入って、その様子を3Dで撮影しました。期間中に、合計で10時間以上撮影しており、本大会におけるソニーの活動を3Dで記録した貴重な資料映像にもすることができたと思っています。

 
HDC-950、HKC-T950、MPE-200、HDW-M2000(×2台)
による3D撮影システム
コンパクトなオールインワン3Dカムコーダーならではの機動力が最大の魅力。最短80cmまでの近距離3D撮影が可能な点も機動力をサポート

今回の撮影でHXR-NX3D1Jを使ってみて、最大の魅力と感じた点を一言で表現すれば、非常に機動力が高いということです。軽量・コンパクトなオールインワン3Dカムコーダーなので、どこでも、普通に、自然に3D撮影を行うことができます。民生用ハンディカムで撮っているのと同じ感覚なので、被写体となる人に威圧感を与えることもなく、ごく自然な表情を捉えることができました。観衆の中、狭い場所、高い場所など、3Dリグが持ち込めない場所でも、微妙な設定・調整がなくても簡単・手軽に3D撮影を行うことができます。しかも右眼用・左眼用の各映像ともに、1920×1080のフルHD解像度により高精細な3D映像を収録できますので、画質的な不安もありません。

被写体に「迫れる」「寄れる」点も、このカメラの機動力向上に大きく寄与しています。従来、一体型二眼式カムコーダーの難点として近距離撮影が難しい点がありました。しかし、レンズ間の基線長31mmを実現したHXR-NX3D1Jは、ワイド端で最短80cmmまで接近して3D撮影が可能になっています。今回のワールドカップ撮影でも、バストアップサイズまで接近することができ、その表情までをクリアに撮影することができました。撮影にあたっては、この80cmを目安に撮影距離を測っていましたが、実際にはそれよりも接近して撮った画でも支障がない感じでしたから、カタログスペック以上の余裕があるのかもしれません。

使い勝手の良さも、このカメラの機動力をサポートしています。35mm換算で広角34.4mmから344mmmをカバーする光学10倍ズームや、上下・左右に加え回転方向での手ブレ補正を行うActive SteadyShotもその一つで、広い撮影範囲を手持ち撮影することができます。今回の撮影では、もう少し広角が欲しいと思ったカットや、"3D酔い"の元になる縦の揺れを防止するために一脚を使用して撮影したシーンもありましたが、これらの機能は3D撮影に有効に活用できると実感しました。また、裸眼3D液晶パネルも機動力アップに大きく貢献します。今回の撮影でも、まず裸眼で3D感を確認し、撮影の際にはL+R Mixモードにしてつねに被写体がスクリーン面にくるように撮影しています。これにより後処理でも視差調整を容易に行うことができます。記録は96GBの内蔵メモリー、メモリーカードから選ぶことができますが、今回は会場ごとに素材を管理する意図からメモリーカードにしました。

今回HXR-NX3D1Jで撮影した素材は、まだ未編集の段階です。日本の優勝という劇的な結果に伴い、ダイジェスト版の制作が最優先になったこともありますが、年間の活動報告の中に使用することがベースとなっているので時間的な余裕があるためです。ただ、画像の確認は折を見て行っており、仕上がりには満足しています。たとえば、ベルリンのソニーストア店頭で、<ブラビア>で観てもらったりもしました。帰国してからは、全体をざっと観た程度の段階ですが、飛び出しや奥行きなどの3D感は狙い通りに表現できていますし、映像自体もクリアで、3Dならではの臨場感もよく出ている画だと思っています

普通に、自然に、簡単に、きれいに3D撮影ができるHXR-NX3D1Jは、スポーツ、コンサートから紀行、ネイチャーまで幅広い3Dコンテンツ制作に威力を発揮する

HXR-NX3D1Jの機動力、つまり普通に、自然に、簡単に、きれいに3D撮影できるという特長は、今後の3Dコンテンツ制作に大きく貢献すると思います。すぐに思いつくのは、映画のメインキング映像の3D撮影です。3Dブルーレイソフトの特典映像などに使えば、本編とともに臨場感豊かな3D映像でメイキングやインタビューを楽しんでもらうことができます。また、今回のようなスポーツ中継、収録であれば、たとえばベンチに設置して監督・コーチ・控え選手の様子を間近に捉えたり、選手のロッカールームや入場時の様子を撮れたらおもしろいと感じました。さらに、当社ではLivespire(ライブスパイア)というコンサートや舞台の映像化及び上映館への配給サービスを展開していますが、たとえばコンサートのバックヤードの様子などをHXR-NX3D1Jで撮影し、上映できれば魅力的な3Dコンテンツにすることができるのではなかと思いました。ステージ上とはまた違うアーティストの表情を観る人に伝えることができると思います。

番組についても同様です。HXR-NX3D1Jはプロのカメラマンでなくても、裸眼3D液晶パネルや手ブレ補正機能などを使って手軽に3D撮影ができますから、たとえば紀行番組で出演者の方に撮影してもらうといった演出も可能です。個人的には、ネイチャー番組にこのカメラを使ったら、魅力的な3Dコンテンツになるのではないかと思っています。人間が入りにくい秘境や高山、厳しい自然環境の中にこのカメラを持ち込んで、日常生活では見ることができない景観、あるいは動植物の生態などを撮影したら、本当に魅力的な3Dコンテンツになるのではないかと思います。放送やBlu-ray 3Dを通して、自宅の居間でもそうした非日常的な世界を臨場感豊かに楽しむことができます。3Dの魅力の一つは、このリアルな代理体験にあるのではないでしょうか。機会があったら、ぜひHXR-NX3D1Jを持って行って撮影してみたいと思います。

ソニーPCL株式会社

映像コンテンツやイベントの企画・制作・運営、映像設備・編集設備の設計・施工、ビデオソフト・CM・放送番組の撮影・編集・特殊合成・メディア変換など、映像のスペシャリスト集団として、数多くの映像コンテンツを作成しています。企業のイメージアップ・商品のセールスプロモーションなど、様々なビジネスシーンに、多種多様なメディアを熟知した高い技術力とクリエイティビティーで、ワンストップソリューションを提供いたします。3Dコンテンツにおいては、企画から撮影、編集、上映、オーサリング他、さまざまな取り組み体制を整えています。

http://www.sonypcl.jp/

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