法人のお客様ラージセンサーカメラ 事例紹介 King Gnu「三文小説」ミュージックビデオ

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King Gnu「三文小説」ミュージックビデオ

撮影監督 光岡 兵庫様

King Gnu「三文小説」ミュージックビデオ
ISO2500の高感度を活かしながらアナモフィック撮影により2.71:1の超ワイドスクリーンでMVを制作

King Gnu「三文小説」(日本テレビ系土曜ドラマ「35歳の少女」主題歌)MVの制作にあたり、CineAltaカメラVENICEが使用され、アナモフィックレンズと組み合わせて2.71:1のワイドスクリーンで作品を仕上げられました。

撮影監督

光岡 兵庫様

限られた灯で奥行きある画が撮れることを期待してVENICEに

今回VENICEを使ったきっかけは、プロデューサーから「今回はVENICEを使ってみないか」という打診があったことです。これまでも私の回りでは師匠にあたる撮影監督がVENICEをかなり使っていて、私も機会があればと思っていました。ただ、単に使ってみたいからVENICEを選んだということではなく、VENICEの特徴的な機能である「デュアル・ベースISO」によるISO2500の高感度が、まさに今回の作品にうってつけだったからです。

今回の作品は、暗い空間の中でトップライトをベースにしながら、被写体を「ふわっ」と浮かび上がらせる表現をしたいと考えていました。さまざまな制約から照明を多く入れることができない中でも、VENICEならば奥行きのある画が撮れると考えました。一般的なISO500や800といった感度では光量が不足してしまいますし、足りない光を足す方向よりも、ゆとりある光量を抑える方向なら短時間で作業が行えます。その点でもVENICE一択でした。

ISO2500の高感度があってこそ撮りきれた作品

撮影は全てデュアル・ベース ISOの高感度側であるISO2500で行い、カットごとのEI感度の変更は行いませんでした。カラーグレーディングでは、全体にわたって暗部・中間・明部の階調を整えるところから作業を始めるのが一般的ですが、カット単位でEI値を変更してしまうと、通しでの作業ができずグレーディングにもばらつきが出やすくなるためです。一方で、CMのようにカットごとに最適な表現を追求する作品ではEI変更が活きると思います。

今回の作品は、暗い空間が舞台でしたので、暗部の表現をとても重視しました。しかし、暗部が大切だから、明るめに撮ってポスプロで落とす、といったことはしていません。初めから仕上がりを想定した露出で撮影しています。だからこそ、暗部の階調表現やノイズの少なさが期待できるVENICEを使い、そして使ってみた結果として「今後も使える」と思いました。私のアシスタントをしてもらっている撮影助手が別の現場でもVENICEを使っていましたが「デュアル・ベースISOでマジックタイム(日没間際の時間帯)が粘りやすくなり、とても助かった」と言っています。

仮に今回の撮影をデュアル・ベースISO機能を持たない他のカメラで行った場合でも、ISO1600や2500に上げることは避けられなかったと思いますが、ノイズで悲惨なことになっていただろうと思います。今回の与えられた時間で作品を撮りきるには、VENICEの高感度・低ノイズ無くしては無理だったと思います。

2.71:1という超ワイドをアナモフィックで

日頃の撮影では、ZEISSのSupreme PrimeやARRIのSignature Primeレンズを好んで使っています。しかし、今回については、ZEISSのMaster Anamorphicレンズと組み合わせ、4K 4:3モードでのアナモフィック撮影を行い、あえて両サイドはカットせずシネスコ(2.35:1)を超える2.71:1のワイドスクリーンサイズで仕上げました。今回のターゲットがYouTubeだったということと、VENICEを選んだからこそ実現できた、超ワイドスクリーンです。

当初アナモフィックを使う予定はなかったのですが、VENICEがアナモフィック撮影へ対応していることを知り、ぜひ使ってみようと監督さんらに提案をして実現しました。

現場でも好評だったVENICEの「s709」LUT

記録については、VENICE後部にRAW/X-OCNレコーダーAXS-R7を装着し、X-OCN XTフォーマットで記録を行いました。特に、暗い中でも綺麗なディテールを撮りたかったので、最も高画質なX-OCN XTによる収録を選びました。現場でのモニタリングは、標準で内蔵しているモニタリングLUT「s709」を使用して行いましたが、そのまま使えるくらいの画で、現場ではとても好評でした。

そして最終的な仕上がりにおいても、今回特に重視していた暗部の再現は期待通りでした。X-OCN記録による16bitの豊富な諧調とワイドラチチュードの効果だと思います。発色やトータルの仕上がりについて監督も大変満足していました。

現場で迷わず使える操作感

私は今まで、助手の時代はライブやドラマなどでPMW-F55、カメラマンになりたてのころはFS7などを使っていました。その後、予算の大きな作品を撮る機会が増えるにつれ、さまざまなハイエンドのカメラを使う機会も増えましたが、今でもFS7やFX9を使うこともあります。今まで使ってきたカメラと比べると、VENICEは“よりハイエンドな現場に適した”カメラだと感じます。操作パネルも助手側にあるほか、色温度やシャッター速度などを迷うことなくワンタッチで素早く変更でき、とても使いやすいと思います。

大きな現場ではレンズやマットボックス、レンズのワイヤレスコントロールなど、いろいろと装着するアクセサリーが増え、全体重量が増してきます。その中でVENICEの筐体の堅牢さは安心ですし重量感も丁度よく申し分ありません。アクセサリー装着のためのネジ穴類なども行き届いています。一方でもっと軽くしたい・小さくしたい、という場面にはVENICEエクステンションシステム(CBK-3610XS)で対応ができる点もいいですね。

エクステンションシステムがあれば速いパンも容易に

今回は、クレーンとステディカムで全てを撮りましたので使いませんでしたがエクステンションは魅力的だと思います。私の師匠も毎作品エクステンションを多用しているとのことです。車内のシーンなど狭い空間の撮影では大変便利だと思いますし、重量が軽くなることで、早いパンなども容易になります。登場人物の主観ショットなどにも便利に使えるはずで機会があれば今後の作品で是非使ってみたいと思っています。

HSも16bitで記録できるVENICEは魅力的

同様に、今回は演出上の観点で使用しませんでしたが、HS(ハイスピード)撮影もVENICEの魅力です。VENICEであれば4Kでもフレームサイズによって72〜120fpsで撮ることができます。しかも、HS時も16bit階調のX-OCNフォーマットで制約なく撮影が可能です。近日予定している別の作品では、監督から全てのカットをフルフレーム60fpsで撮りたいという要望をいただいたので、VENICEを迷わず選びました。HSが求められる作品では、VENICEは今後も第一選択肢になるカメラです。

フルフレーム撮影に容易に手が届くカメラ

現時点でVENICEは私のカメラ選びにおいて1、2を争うカメラです。今回はスタジオ撮影で1シーンだったので固定で使いましたが、0.3〜2.4までを1絞りごとに8段階ワンタッチで変えられる内蔵NDフィルターや、今回使用したデュアル・ベースISO、選択肢の広いHS、フルフレーム、などが必要となる作品であれば、迷わずVENICEを選びます。

最近はフルフレーム撮影が増えていますが、今までは予算的にも手を出しづらいものでした。VENICEは非常にコストパフォーマンスが高く、フルフレーム撮影をしたいと考えたときに、最も手が届きやすいカメラです。個人でも買う人がいるかも知れません。私も、今後VENICEで撮れる機会には、6Kフルフレームで撮ってみたいと思います。

VENICEは同じくKing Gnuのミュージックビデオ「千両役者」の撮影でも使用したほか、今後も、すでにVENICEで撮ることが決まっている仕事がいくつもあります。直近で予定しているCMの撮影は、女性のビューティを世界観にしたものです。今回の作品とまたテイストが違うものなので、VENICEで次はどんな表現ができるのか、とても楽しみにしています。

インカムアプリCallsignが
現場で活躍


マネージャー 安藤 まり江様

今回「千両役者」の現場ではスマートフォンがインカムとして使えるようになるソニー製のスマホインカムアプリ「Callsign」を初めてご使用いただきました。マネージャーの安藤まり江様に感想をお伺いします。

今回の現場でCallsignを使用しようと思ったきっかけは?

インカムは通常レンタルしているのですが、トランシーバーが、ポケットから落ちてしまうなど、気になっている点が多くありました。

ある時、ソニーから紹介があり、スマートフォンをインカムとして使えると聞き、デバイスを減らせるというメリットから今回の現場で採用させていただきました。

Callsignを使用してどうでしたか。

いつも使用しているインカムと同じクオリティで会話ができました。現場からも不満が何もなく問題なく運用できました。初めてのシステムでしたが、事前にアプリをインストールするだけで、使用できる点は便利でした。

当日は10名程、アプリのインストールを行い、2つのグループに分けて運用しました。

多くの人数が撮影に関わるので、監督・プロデューサー班、アシスタント班に分け、それぞれが必要な情報のみを取れるように現場で構成できました。

Callsignの推奨ヘッドセットは他メンバーに使っていただき、私は普段使用しているイヤホンを使いました。レンタルのインカムでは耳が痛く長時間の装着が出来ませんでしたが、普段使っているイヤホンなので問題なく運用できました。(一部機能に制限があります)

スマホやイヤホンなどをレンタルすることなく、【普段使用しているものが使える】、ここが感動したポイントです。

今後はどのような現場で使用したいでしょうか。

MVの現場で今後も使用したいと考えています。様々な役割を持った人が一緒の現場で行動する中ではインカムが必須です。少しでも身軽にしたいという現場では非常に役立つと実感しました。

今回の「千両役者」での現場で簡単に導入することができ自信になりました。

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