商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α作品撮りで実感した“α”のアドバンテージ 映像ディレクター 岡川太郎

SPECIAL INTERVIEW 映像ディレクター 岡川太郎「Emotion Pictures II」

「イメージの羅列。デジタル一眼動画で新しい作品のスタイルが拓(ひら)けた」

NEX-7での映像作品に続いて、“α”による作品づくりに臨んだ岡川太郎氏。後編集にほとんど頼らず、カメラの性能や機能を直接作品に生かす方法で撮影に挑んだ。

“α”で「作品」を撮るアドバンテージ

道化師を演じるパントマイマーの一人舞台と、時間差で音を重ねていくユニークな演奏が織り交ぜられた「Emotion Pictures II」。名前が示す通り、心象イメージがそのまま映像化したような作品だ。岡川氏があえて選んだ「作品としての映像」で、“α”はどのようなアドバンテージがあったのだろうか。

何を撮るかを考えるところから始まった、僕としてはやりがいのある試みでした。いわゆる「仕事」ではモチーフや商品があって、それをどう撮ればよく見えるかというのがほとんどですから。
NEX-7のとき(※NEX-7映像作例「Emotion Pictures」)は、友人達や自分が見ている風景をそのまま映像にし、かんたんなカット編集だけほどこしました。ドキュメントを撮っていたはずが、結果的に詩的な作品になりました。

僕は写真の表現が好きなので、写真の表現に近いような、思いをはせられるようなイメージの羅列、ポートレートの羅列のような映像をやりたいと。PV(プロモーションビデオ)ではなくドラマでもない、映像の写真集というか。撮り手と被写体にリアルな関係性があれば、そこにストーリーが生まれる。ポートレート写真もそうですよね。現実を、個人的な視点から撮ると作品になるんですね。そのアプローチに手応えを感じたので、今回のα99では確信犯的にもう一段推し進めて、もう少し撮りたい被写体に迫っていくことにしました。

そこで数年来の友人であるミュージシャン、ダスティン・ウォン氏と、以前プロモーションビデオの仕事で出演していただいたパントマイマーのあらい汎氏を撮りました。場所はあらい氏の稽古場です。多少ストーリーは意識しているもののシーンは作りこまず、自分の観点を重視して撮影するように心がけました。デジタル一眼なら、場と撮り手の関係性を損なうことなく撮れます。

ダスティン・ウォング Dustin Wong

ハワイで生まれ、2歳の時に日本へと移住。大学進学のため渡米後、マット・パピッチとのエクスタティック・サンシャイン、ポニーテイルでの活動を経て、ソロ・アルバム『Infinite Love』をリリース。多数のエフェクターを駆使したギター・パフォーマンスは各所で話題となっている。今年通産4作目となるソロ・アルバム『Dreams Say, View, Create, Shadow Leads』をリリースした。

あらい汎

俳優としての活動歴50年。そのうちマイム役者歴40年。
演劇に対抗できるマイム劇を目指し独自の創造活動を展開。ソロクラウンとしても多くのメディアで活動。イタリアのマイムフェスティバルでマイム劇「男のバラード」でソリスト賞、演劇フェスティティバルで黙劇「待合室」がグランプリに輝く。
著書に「パントマイムの心と身体」晩成書房刊。

デジタル一眼動画の一つの大きなアドバンテージは、取り回しの良さと画質の両立だ。岡川氏はその点にこだわり、ほとんどの撮影をカメラ本体の手持ち、マニュアルフォーカスで行なった。

小さいのに(プロ用動画カメラと比べて)画質に遜色がない。それでいて被写体に近いというか、仰々しいカメラより断然いい表情が撮りやすい。入っていきやすいですよね。ライティングも美術も、キャスティングもカメラも自分でやる、そういったことが可能になる。今回AF(オートフォーカス)は使わず、基本的にマニュアルフォーカスで撮っています。やり慣れているので。ピエロのシーンも手持ちで撮っているのですが、よくフォーカスが合っていると思います。コントロールしやすいですね。ピーキング(※1)も便利です。ブツ撮りなどの仕事でフォーカスがシビアじゃないとダメ、というときはHDのモニターなどが必要になりますが、この作品のスタイルであればシビアさよりも感覚重視、で良いと思います。

※1 ピントが合った部分の輪郭を色つきで強調表示する機能。

α99の緻密(ちみつ)な映像に直面した岡川氏が強い衝撃を覚えたのは、レンズとの相性だった。

幾つかレンズを使いましたが、やはりカールツァイスがキレイですね!皆さんには頑張って貯金して買って欲しいと思います。でも、実現しちゃうと危険!戻れないというか・・・。やっぱり若い子には渡さないほうがいい(笑)。前のNEX-7のときでもワンカットだけ作中に入れたのですが、画(え)として強すぎて映像の流れに合わないことがある。その強さはカメラを知らない人でもわかっちゃいます。今回の撮影では、Planar T* 85mm F1.4 ZA をよく使いました。135mm F2.8 STFも画(え)が素晴らしいのですが、さすがに手持ちだとシビアなので、あまり使用していません。

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