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撮影も納品もスピーディーに行える性能を集約したカメラ。プロの現場でしっかり働き、成長にも貢献するFX6

ビデオグラファー・フォトグラファー 佐藤綾真 氏

α Universe editorial team

将来が約束された大手電機メーカーを退職し、さらに自身が輝ける場所を求めてビデオグラファー・フォトグラファーの世界に飛び込んだ佐藤綾真氏。独立当初は他社メーカーのカメラを使っていたが、今はソニーのCinema Line FX6をメイン機に幅広い活躍をみせている。なぜ、ソニーに移行したのか、そしてソニーのカメラを使うことで乗り越えられた壁とは。若き映像クリエイターがリアルな思いを語る。

佐藤綾真/ビデオグラファー・フォトグラファー 1997年、香川県さぬき市生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーに就職し、コンシューマー向けエアコンの設計開発に携わる。在職中に趣味であるカメラを仕事にしたいと決意し、メディアサイトを運営する会社に転職し、クリエイターチームの立ち上げに携わる。2021年からフリーランスのカメラマン・映像クリエイターとして活動。企画、制作、撮影、編集までワンストップで行っており、学校行事からWeb広告、ドラマスチールなど幅広い分野で活躍している。 https://www.instagram.com/ryooooo_01/ https://twitter.com/ryooooo_01

シネマカメラとして小型・軽量で、優れた高感度性能も武器になる。
最終的には「ソニー一択」で移行を決意

――佐藤さんはどのような経緯で写真や映像の業界に入ったのですか? 写真は父の影響で始めたのですが、旅先で撮る程度でずっと趣味の域を出ませんでした。会社員として働いていてコロナ禍に入り、社内での自分の価値を見出すことができず「もっと自分が輝ける場所がないか」とカメラの道を模索し始めました。その頃はちょうど一眼カメラでも動画が撮れるようになり、YouTubeなど映像系のSNSが流行り出したタイミング。ビデオグラファーという方々も注目され始めていたので「僕にもそういう道があるんじゃないか」と思うようになりました。学びやすい環境も整っていたのでオンラインサロンなどで勉強し、映像に挑戦してみようとWebメディアを運営するベンチャー企業への転職を決め、クリエティブチームの立ち上げから携わったのです。 ベンチャー企業にいた頃は趣味でソニーのカメラを使っていましたが、独立するにあたって揃えたのは他社メーカーのカメラ。尊敬するビデオグラファーがそのメーカーのカメラを使っていたので、それに倣う形で選択しました。当時はソニーユーザーがとても多かったのですが、僕は天邪鬼な性格なので、あえてソニーは避けた、というところもありましたね(笑)。

――今はソニー製品を使われていますが、ソニーにシステム移行したのはなぜですか? 独立して1年くらいするとメインとなる仕事がわかってきて、当時使っていた他メーカーの一眼スタイルのカメラには限界を感じ始めていました。それを機に同メーカーのシネマカメラにステップアップしようと思っていたのですが、そのメーカーのシネマカメラは解像性能を重視しているため製品自体が大きく、周辺機材も必要になるのでこだわってしまうと結果トータルコストもかかってしまう。そこでもっと自分の仕事に合ったシネマカメラがないか探したところ、候補に挙がったのがCinema Line FX6でした。 独立後に従事していた師匠(鈴木佑介 氏)がソニーユーザーだったので、ソニー製品のことはよく知っていて純粋にいいカメラだと思っていました。FX6に魅力を感じた一番の理由はコンパクトなところ。その頃は「バジェットも撮影規模もコンパクトな形でやってほしい」というクライアントの要望も多くなっていたので、小型・軽量であることは第一条件でした。予算が限られていると移動にも撮影にも小型・軽量のほうが圧倒的に便利ですからね。さらに照明機材を入れられないような撮影場所もあるので高感度性能が優れていたほうがいいし、AF性能も優れていればフォーカスはカメラ任せにできて自分は構図など他のことに集中できる。いろいろ考えると、もうソニーしかないだろう、と移行を決めました。

4K 120Pの内部収録が可能でオーバーヒート耐性も十分。
一眼カメラにはないシネマカメラのメリットは多数

――ソニーにシステム移行した理由を聞くと「デジタル一眼カメラαでも良いのでは?」と感じてしまいますが、映像制作のメイン機にFX6を選んだのはなぜでしょう。 いろいろありますが、まずは4K 120Pが撮れること。4K 120Pが撮れるカメラは他メーカーにもありますが、優れたAFが有効の状態で120Pが撮れるのはソニーの強みです。さらに内蔵NDフィルターのおかげでクイックに撮影ができますし、タイムコードのIN/OUTがあって、信頼性のあるSDI端子というところもFX6を選んだポイントになります。 一眼カメラとシネマカメラの一番の違いはオーバーヒート耐性です。デジタル一眼カメラαでも動画撮影をすることがありますが、やはり長回しでは止まってしまうこともありました。シネマカメラは筐体が大きい分、オーバーヒートの耐性が強いので、安心して長回しできるところは一眼カメラにはない大きなメリットです。でも、一眼カメラは持っていて、スチール撮影の仕事や動画撮影のサブ機として働いてくれていますよ。

――撮影機材はどのように使い分けているのですか? 今はFX6、α7R V、α7 IVの3台を持っていて、基本的にはFX6を使っていますが、イベント撮影やドキュメンタリーなど「一発撮り」になる場合はラン&ガンスタイルで画数を撮りたいので機動性の高いα7R Vを使っています。ただし屋外での撮影ではNDフィルターが内蔵されているFX6を優先しますね。α7 IVは趣味でフラッと出かける時に持って行くくらいで、仕事ではあまり登場しないかな。

――主に使っているレンズを教えてください。 頻繁に使っているのはFE 24-70mm F2.8 GM IIとFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIです。ズームレンズは画数が撮れる必須アイテム。しかもG Masterのズームレンズは単焦点に負けないほど描写が素晴らしいので一発撮りの時は本当に頼りになります。さらに、ここぞという勝負の時には単焦点のFE 50mm F1.2 GMといった感じで、主にこの3本を使い分けています。

撮って出しでも納品できるS-Cinetoneなど
効率よく撮影・編集ができる機能が充実

――実際に現場で使ってみて、FX6の性能はいかがですか? 購入して半年になりますが、現場では大活躍です。ライブ撮影では舞台裏まで追いかけてドキュメンタリーを撮影することもあるのですが、その時はISO12800の高感度モードが活躍してくれます。S-Log撮影時はISO感度を12800に上げるとノイズが一瞬にして消えますから、暗い場所でも鮮明で美しい映像に仕上げることができます。 こういったドキュメンタリーではAF性能も頼りになります。人物を追いかけて撮る時は、タッチトラッキングで人物を指定するだけで粘り強くピントを合わせ続けてくれる。僕は技術的にMFだと不安な部分もあるので、AFなどの使えるテクノロジーはフルに活用して、より確実に撮れる選択をしています。 テクノロジーに頼る、という点ではS-Cinetoneにも恩恵を受けていますね。納期まで時間がなかったり、予算的な問題があったりして「撮って出し」で納品することも少なくありません。そんな時に頼りになるのがS-Cinetoneの素晴らしいルックです。S-Cinetoneを使うと、簡単にきれいな映像が撮れて、スピーディーに納品できるので本当に助かっています。

―― 一眼スタイルのカメラではなく、FX6を使っていて良かったな、と思うのはどんな時ですか? 一眼カメラを使っていた頃と比べると、撮影時間が圧倒的に短縮されました。NDフィルターが内蔵されているので装着する手間を省けるし、4K 120Pでも撮れるので画数が増えて結果として映像の幅に厚みをもたすことができます。僕にとってFX6のアドバンテージは、映像を仕事にする上で大事な、とにかく時短で画数が稼げることですね。 なかには、よりハイスペックな、内部RAW収録ができるモデルを視野に入れている人も多いと思います。僕もFX6を手にした時「内部RAW収録できないのか」と思っていましたが、実際のところ僕の場合はRAW収録が必要な仕事はほとんどありません。S-Logで十分ですし、S-Cinetoneがあるからこそ短い納期に対応できる、というのもある。大は小を兼ねると言いますが、大があっても使い道がなければ宝の持ち腐れですから、経験を積んだ上で自身の仕事に必要かどうかしっかり見極めてからカメラを選ぶのがいいと思います。 これは余談になりますが、「クライアントに説得力を持たせる」という意味でもFX6はちょうどいいと思っています。現場の人もある程度はカメラのことを知っているので、一眼カメラよりはFX6のようなシネマカメラのほうが、安心感があるようです。

手ブレ補正ができるアプリCatalyst Browseを使えば
ジンバル不要で撮影時間も短縮できる

――FX6には本体内手ブレ補正機能が搭載されていませんが、動きの多い撮影現場ではどのように対応していますか? このゲーミングチェアのプロモーションビデオを撮影した時は、時間が限られていたのでジンバルをセッティングする時間がなく、手持ちでバンバン撮っていくしかありませんでした。そこで活用したのがソニー純正の無償ツールCatalyst Browseです。Catalyst Browseはカメラのメタデータなどを見ることができるツールです。撮影時の手ブレ情報がメタデータとして収録ファイルに付加され、そのメタデータを解析して手ブレを補正した映像に仕上げてくれる機能もあって、これがかなりの優れもの。ソニー純正レンズを使った撮影時のカメラの手ブレ補正設定をオフ、またはアクティブの状態で撮影した素材であれば、この機能を使うことができます。 このツールのおかげでジンバル不要で撮影時間を短縮できましたし、機材も少なくて済みました。正直、これができるからソニーに乗り換えたといっても過言ではないくらいCatalyst Browseを活用しています。おそらく、これがなかったら終わらなかった撮影もいくつかありますね。 また、映像内にはNANLITE社製のPavoTubeという棒状のライトを部屋にセッティングして撮影したシーンも出てきますが、この時はかなり暗かったのでISO12800の高感度モードが活躍してくれました。

全てのカットを手持ちで撮影。実際にFX6で撮られた映像はこちら

――他にもFX6で撮影した映像作品はありますか? 島で撮ったフラダンスの作品もFX6で撮影しました。撮影時は天気がコロコロ変わるような状況でしたが、内蔵NDフィルターのおかげで天候の変化にもすぐに対応できました。 踊っているシーンは1カメのみでの撮影で、ほぼ一発撮りです。画数を撮りたいし、動きやすいようにジンバルも持ちたくなかったので手持ちで撮影しました。この時も後からCatalyst Browseで手ブレ補正をかけましたから、僕がどれだけCatalyst Browseを多用しているかわかりますよね。しかもその時に使ったのがFE 24-70mm F2.8 GM II。G Masterのズームレンズの描写力はこれを見ていただければ一目瞭然です。

天気も悪く、時間がない中でほぼ一発撮り。実際にFX6で撮られた映像はこちら

プロの現場でしっかり働いてくれるソニーのカメラ。
キャリアを問わず「次」があるCinema Lineにも注目

――佐藤さんはソニーのカメラにどのような印象を持っていますか? プロの制作現場で働いてくれる、活躍してくれるカメラが揃っているという印象です。つまり、どんな撮影にも幅広く対応できる、ということ。僕らの仕事には、事前にクライアントと打ち合わせして準備期間があって撮影する、という流れもありますが、ほとんどの仕事はギリギリに依頼が来てすぐに納品、というパターンです。そんな時にもすぐ対応できるのがソニーのカメラです。コンパクトに済ませたい、車は使えない、となってもローリングケースで1つに収納できて、しかもレンズが小さいから複数のレンズを持っていける。そんなところにいつも助けられています。 デジタル一眼カメラαに関しては静止画と動画をまたいで使える、というイメージもありますね。僕の場合、ビデオグラファーとしてはまだまだだと思っていて、現状では動画・静止画どちらか一方で食べていくのは厳しいと感じています。しかも今はスチールも映像も仕事がある状態なので、どちらにも対応できるカメラを、と考えるとソニーが一番ではないかと思っています。だから駆け出しのクリエイターや、「静止画と動画、どちらの仕事もしたい」という人にはソニーのカメラをおすすめしたいです。

――ソニーのCinema Lineについてはいかがでしょう。 よくできた、ステップアップしやすいラインアップだと思います。FX6のように業務用のしっかりとしたシネマカメラがあり、それを小型化したFX3もあり、しかも手の出しやすい価格帯に抑えたFX30もある。さらに上にはFX9があり、最終的にはVENICEまでステップアップが可能ですからね。どんな人にも「次がある」、動画専用機においても選べるラインアップがあるというところは強みだと思います。

性能の高さは折り紙付きで、仕事を呼び込むFX6。
大きな壁を越えられたのも頼れる機材があってこそ

――今まで映像クリエイターとしてぶつかった「大きな壁」みたいなものはありましたか? 正直、自分の技量不足で「画数が撮れていない」「手ブレしている」「フォーカスが合っていない」という失敗が多い時期がありました。都度、直してはいますが、どうしても最後の詰めが甘かったりするので、そういったところは最終的にカメラに頼りました。良くも悪くもそこが大きな壁だったように思います。その壁を自身のスキルアップで壊していくのか、機材で壊していくのかは人それぞれですが、僕はFX6やα7R Vに壊してもらっているので、そういう意味ではシステム移行してよかったと感じます。 カメラの機能に頼ったことで、メリハリのある映像が撮れるようになりました。4K 120Pで撮れるので、通常の24Pで撮った映像とスローモーションというメリハリもありますし、手ブレが効果的に働いた躍動感あふれる映像と、Catalyst Browseで手ブレを抑えた映像のメリハリもある。撮れる素材が増えてメリハリのある映像に仕上げられた時に、「次のステップに行けたかな」と思うことができました。

――今後はどのような機材を使って、どのような映像表現をしていきたいと考えていますか? 正直なことを言うと、この先のことは未だ考えられていません。依頼された仕事に全力で取り組み続けてきたからこそ今があると思っているので、これまで通りクライアントの要望に応えていけば、いずれは大きなステージに行けるのではないかと思っています。だから当面の目標は、目の前の人を満足させることです。 でもソニーのCinema Lineとは長く付き合っていきたいと思っています。あまり大きな声では言えませんが、FX6が仕事を持ってくることがあるんですよ。それだけソニーのカメラは認知度が高いというか、業界の人はFX6の優位性もよく知っていらっしゃる。例えばライブ配信の仕事では「FX6を持っているなら来てほしい」ということが何度もありました。こんな感じで、このカメラを持っているだけで来る仕事があるので、今後も良き相棒でいてほしいです。そして、最終的にはいろいろと教えていただいた師匠のように、なんでもこなして、なんでも対応できる映像クリエイターを目指したいと思います。

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