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特集:CP+で届けたかった思い
「α9II・α9 が野生動物撮影の意識を変える」
野生動物写真家 野口純一 氏

α Universe editorial team

残念ながら中止になってしまったカメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+ 2020」。ここでは、ソニーブースのスペシャルセミナーで講師のみなさんが伝えたかった思いとともに、セミナーのために撮り下ろした珠玉の作品群をご紹介します。今回は、世界各地で野生動物を撮影する野口純一氏が「α9」と「α9 II」を使うようになってからの撮影に対する変化や、撮影で役立つカメラの機能について語ります。

野口 純一/野生動物写真家 1968年埼玉県出身 北海道在住。2輪・4輪エンジニアの経験を経て、自然の中で暮らしたいと2000年北海道に移住する。独学で写真を学び、道内に生息する野生動物を撮影し写真家として活動を始める。以後「自然の中で力強く生きる生命」を求め世界各地で撮影を続けている。
(JPS)日本写真家協会会員
(SSP)日本自然科学写真協会会員
http://www.junsetsusha.com

〜Special Message〜
野口氏がスペシャルセミナーで伝えたかった思いとは

難しい作業をカメラが担ってくれることで
撮影の意識が大きく変わった

今回は「α9とα9 IIが野生動物撮影の意識を変えた」ということを、自分の体験を踏まえてお話したいと思います。 写真撮影とは、目まぐるしく変わっていく状況下で多くの情報を瞬時に、並行して処理していかなければならない作業です。撮影場所の環境、被写体との距離感、瞬間を切り取るタイミング、構図のつくり込みやピント合わせ、露出の調整と、非常に多くのことを考えて実行していかなければなりません。 私が「α9」で撮影して最初に感じたのは、撮影をする時に「やるべきこと」の意識の振り分けに変化が生じている、ということ。つまり、通常は自分の能力だけが頼りだったことを、カメラに任せることができるようになった、ということです。一番の驚きはオートフォーカスの精度でした。動きが予測できない「野生動物」という被写体を撮る私にとって、的確なピント合わせは重荷とも言える難しい作業。そこから解放してくれる驚異的なカメラが出てきたな、というのがα9を使った時の第一印象です。 自由気ままに動き回る、動きが速い動物たちに対しては、ピンポイントで瞳にピントを合わせる、あるいはチャンスを待つ間もピントを合わせ続ける、という作業はかなり大変なこと。非常に熟練した撮影者が集中して懸命に取り組んでも、うまくいかないことが非常に多い分野です。でもαシリーズに搭載された動物対応の「リアルタイム瞳AF」を使えば、この難しい作業が驚くほど簡単になります。 その結果、写真を始めたばかりの人でも、この機能を使えば長年野生動物撮影に取り組んできた我々と同じ精度で、動物の瞳にピントを合わせた写真を撮ることができる、ということです。初めて動物対応の「リアルタイム瞳AF」を使った時、「私の撮影に対する姿勢を根本から覆してしまうようなすごい機能が出てきたな」という大きな驚きがありました。 そして今は、第2世代の「α9 II」も登場。大きな進化はありませんが、小さなブラッシュアップが操作性を格段に良くしています。ボタンが少し大きくなって、間隔が広くなっていたり、グリップが多少深くなっていたり。ほんの少しの違いですが、誤操作が圧倒的に少なくなり、操作系についてはかなり極めてきたように思います。 僕は世界各国で撮影するので極寒地や猛暑での撮影もありますが、バッテリー性能もかなりいいですね。8時間程度の撮影ならポケットに予備バッテリーを2個入れておけば問題ないほど高性能です。

人間を超えた能力を持つ。
リアルタイム瞳AFでピントはカメラ任せに

ここからは「α9」、「α9 II」の機能を生かして撮影した作品を見ながら、その魅力を紐解いていきましょう。 まずは僕が一番衝撃を受けた、動物対応の「リアルタイム瞳AF」を使った作品群です。今回ご紹介するのはどれもロシアで撮影したヒグマですが、とにかく動きが激しいので瞳にピントを合わせるだけでも大変です。下の作品はエサをくわえて川の中を走っているところを捉えましたが、絶好のシーンで瞳にピントを合わせるのは至難の業といえます。

α9,FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconverter 840mm,F5/6,1/1600秒,ISO2000
α9,FE 600mm F4 GM OSS+2X Teleconverter 1200mm,F8,1/1600秒,ISO1600

動物対応の「リアルタイム瞳AF」という素晴らしい機能が搭載されたので、今回は神経を一番使うピント合わせの作業をすべてカメラに任せて撮影しました。悪あがきせずにカメラの性能を試すつもりで撮ったおかげで、今までよりも歩留まり良く、狙い通りの成果を得ることができたのです。

α9,FE 600mm F4 GM OSS+1.4X Teleconverter 840mm,F5.6,1/1600秒,ISO3200
α9,FE 600mm F4 GM OSS +2X Teleconverter 1200mm,F8,1/1250秒,ISO1600

上の作品のようにヒグマが鮭をくわえて向こうから走ってくるシーンや、頭を上下左右に激しく動かしているようなシーンでも、ヒグマの顔を認識して瞳にピントを合わせ続けてくれます。通常はヒグマの動きに合わせて自分でピントを合わせなければなりませんが、カメラが自動的に瞳を捉えてくれる。今まで難しいと思っていたことが、フルオートの状態で撮れるようになったということですね。

上は連写を繋げた動画です。これを見てもわかる通り、野生動物の撮影では途中で被写体の向きが変わり、動きの質が変わることも多くあります。動きが急に変化する状況では、ピント合わせで慌ててしまうことが多いですが、完全にカメラ任せにできるので動きの質が変化しても難なく瞳を捉え続けてくれる。その結果、フレーミングだけを考えて撮影でき、連写した中から最高の1枚を選択することができるのです。 オートフォーカスに関しては、人間の能力を越えるだけのものを「α9」は持っている、ということを実感しました。この時、僕は初めてロシアを訪れましたが、こういった慣れない土地で限られた短い期間でも、納得できる成果を上げることができたのは「α9」のおかげです。

α9,FE 600mm F4 GM OSS +2X Teleconverter 1200mm,F8,1/1600秒,ISO2500

超望遠でも撮影に夢中になっているとヒグマの恐怖を感じる距離感。「身の安全に気を配りながらでも、動物対応の『リアルタイム瞳AF』で瞬時に瞳にピントを合わせることができる」と、野口さん。

α9,FE 600mm F4 GM OSS 600mm,F4,1/500秒,ISO100

犬猫の仲間には精度が高い動物対応の「リアルタイム瞳AF」。アフリカで撮影したライオンは横顔でもしっかり瞳を認識して撮影することができた。

野鳥の撮影には欠かせない
精度が高いリアルタイムトラッキング

野鳥の撮影で活躍するのは、状況が変化しても被写体を追い続けてくれるAF機能「リアルタイムトラッキング」です。このモードではフォーカスエリアを選択できますが、私はやや広めの範囲を捉えることができる「ゾーン」に設定しています。大きめの枠の中に一度被写体を入れて捉えれば、後はカメラが自動で追いかけてくれる。自分はフレーミングとタイミングだけを気にするだけです。

α9 II,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 200mm,F8,1/2500秒,ISO400

野生動物の撮影というと、今まではいい作品を撮るために気合いを入れてがんばらなければいけませんでしたが、この機能があれば近所でスナップを撮るような感覚で撮ることができますね。「いいな」と思ったらカメラを向けてシャッターを押すだけと、かなりハードルが下がったように思います。

α9 II,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 289mm,F8,1/3200秒,ISO640

きらめく海面のような派手な背景でも、リアルタイムトラッキングは迷うことなく被写体を追い続けてくれる。その信頼性は抜群だと野口さんは太鼓判を押す。

α9 II,FE 600mm F4 GM OSS +2X Teleconverter 1200mm,F9,1/3200秒,ISO800

エサを奪おうと飛び込んできたオオワシに対し、飛び上がって避けた瞬間を撮影。人間では反応できないような動きでもカメラが素早く被写体を判別し、的確にピントを合わせてくれる。

目では追いきれない動きまで捉える
約20コマ/秒という圧巻の高速連写

「瞬間を捉える」ということを考えると、被写体の動きを刻み、瞬間をどう捉えるか、ということも大事な要素になります。下の3つの作品は水面から飛び立つオオワシを捉えたものです。動きがかなり激しかったため、約20コマ/秒の超高速連写で捉え、その中からセレクトした3枚になります。

α9 II,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 600mm,F6.3,1/4000秒,ISO1600

一瞬の動きをどれだけ細かく刻めるかによって、「いい瞬間」の選択肢が増えます。10コマ/秒連写のカメラよりは20コマ/秒連写で撮れたほうが、選択肢が多くなりますからね。例えば上のような羽ばたくシーンでは、格好良く翼が広がって、しかも水しぶきが上がっている瞬間が欲しいと思いますよね。 昔は羽を広げるタイミングを見計らってシャッターを切っていましたが、翼の形や水のしぶきの上がり方までは目で追いきれません。しかも動きを予測してもその通りにはならないことが多いので、こういったシーンでは連写を活用するに限ります。私自身、α9シリーズは最も連写性能に優れたカメラだと思っていますから、その機能に存分に頼るべきでしょう。 1秒間に1枚でも多く残せれば、1日の撮影の結果、あるいはそれをずっと積み重ねた1年の結果の差は非常に大きなものになります。そういった点でも「α9は動体の撮影に対しては非常に強いカメラ」だと信じ、私は使い続けているわけです。

専用設計のレンズが豊富で
作品のバリエーションが多彩に

野生動物を撮影する私がαを選んだ理由のひとつに、幅広いレンズのバリエーションがあります。αはボディの性能だけでなく、専用設計の優れたレンズが多く揃っているのも大きな強みです。豊富なレンズから被写体にあった1本を選べることは、撮影システムを選ぶ上では非常に重要なポイントになりますね。 私は、「FE 600mm F4 GM OSS」、「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」などの望遠系を持って出掛けることが多いですが、最近は「FE 24-70mm F2.8 GM」も気に入って使っています。 「FE 600mm F4 GM OSS」はテレコンバーターを装着して使うことも多いです。通常テレコンバーターを使うとピントが少し甘く感じることがありますが、このレンズは非常に解像力が高く、シャープに仕上げることができます。素直なぼけと質感の捉えかたが素晴らしく、高いシャープネスと自然なぼけを両立することで立体感を生み出しているのです。 「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」は焦点距離域が野生動物を撮るのに適しているので、どんな撮影にも必ず持って行くレンズ。「FE 24-70mm F2.8 GM」は、画面全体、周辺に至るまで均一に、非常にシャープに写してくれる優秀なレンズです。 同じ場所、同じ被写体でも豊富なレンズ群の中から好みのままに選び、多彩なバリエーションを撮ることができるのがαの魅力のひとつといえますね。

α9 II,FE 600mm F4 GM OSS +2X Teleconverter 1200mm,F8,1/500秒,ISO400

このレンズは水面のきらめきや質感を表現できる描写力が魅力。水面とオシドリの両方を主役にして、美しさを競っているようなイメージで撮影した。

α9 II,FE 24-70mm F2.8 GM 24mm,F2.8,1/640秒,ISO200

夜明けとともにエサ場に向かって一斉に飛び立つマガンの群れを捉えた1枚。圧倒的な解像感でうっすらと氷が張っている水面の質感まで再現している。

α9 II,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 200mm,F5.6,1/1000秒,ISO100

九州で撮影したマナヅル。夕暮れ時に連なって空を飛ぶ、その場の空気感を出すために広角側の200mmで撮影している。

α9 II,FE 600mm F4 GM OSS +2X Teleconverter 1200mm,F8,1/8000秒,ISO1600

上の作品と同じ場所からレンズを変えて撮影。超望遠レンズの圧縮効果で太陽を大きく写し、目で見るのとは違った美しい世界を表現した。

カメラ設定が反映されるEVFが
肉眼では見えない世界を見せてくれる

αは設定が反映されるEVFが搭載されているのも語るべきところです。ここではαならではのEVFの利便性についてお話ししたいと思います。

α9 II,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 345mm,F8,1/640秒,ISO100

上の作品は、実際に肉眼で見ているものとはまったく違う写りかたをしています。パッと見は夕景に見えると思いますが、撮影したのは昼間。日中の強い光が水面に反射しているので周囲は真っ白に近い状態で、肉眼では見ていられないくらいでした。でも EVFを見ながら露出を絞っていくことで、目には見えなかった水面に張っている氷の質感まで見えてきます。 目の前にはない世界を、EVFで見せてくれるのがαです。そしてEVFを見ながらその世界をつくっていくという楽しさがあります。光の現象など、露出を絞ることで初めて見える世界がありますからね。こうした遊び心というか、新しい試みをしてみようと思わせてくれるのもαのいいところです。

α9 II,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 145mm,F5.6,1/125秒,ISO100
α9 II,FE 24-70mm F2.8 GM 24mm,F8,1/4000秒,ISO100

新しいことに挑戦したいと思わせる。
それがソニーのカメラ

野生動物撮影ではよく海外に行きますが、機内への持ち込みに苦労するので小型軽量なαには助けられています。「FE 600mm F4 GM OSS」といった超望遠レンズは驚くほどの軽さですし、ボディ自体もバッテリーとメモリーカード込みで700g弱ですからね。プロ仕様でα9シリーズと同等の性能を持つカメラと比べたら半分くらいの重さ、という感覚です。小さくて軽くて気軽だけど、能力はモンスター級。そのアンバランスさがすごい(笑)。いろいろなところにどんどん持ち出して、気構えることなくさっと撮れるのも素晴らしいところです。 AFをカメラ任せにすることで、いろいろなことに挑戦する余裕も出てきました。α9 IIを購入してからは動画のおもしろさにも目覚め、マイクまで購入して撮り始めています。静止画と動画を1台でシームレスに使っていきながら、被写体を追うだけではなく、自分が撮っているところを撮影するなど、今まで見せる機会がなかったような姿も今後は見せていけたらと思っています。 実はCP+のセミナーで披露しようとオープニング動画もつくってあったので、お見せできなくて非常に残念です。今回紹介した作品に関連した動画をはじめ、僕が撮影している姿も撮影したので、機会があればどこかでお見せできればと思います。 ソニーは、新しいことをやってみたいと思わせてくれるカメラをどんどん出してくれるのが魅力です。カメラの技術が進化して、多くのことをカメラに任せられるようになったおかげで、自由な気持ちで構えずに写真を楽しめるようになりました。それは私にとって、とても大きな変化です。 野生動物の撮影というと、どうしても敷居が高いイメージがありますが、そんなことはありません。α9シリーズを使えば、撮るのが難しいと思われていた瞬間を誰でも簡単に捉えることができる。カメラはそれだけ進化していますので、みなさんにもぜひα9を使っていただき、今まであきらめていたようなシーンにもチャレンジして欲しいと思います。

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