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一瞬を圧巻のスピードで捉える高精度AFがゴルフ撮影に革命を起こす

〜プレー中に発揮されるα9の真価〜

α Universe editorial team

プロゴルファーやツアートーナメントの撮影を数多く行っているフォトグラファーの岡沢裕行さん。ゴルファーたちがツアー中に見せる真剣な表情、スイングやインパクトの瞬間など、一瞬を逃さないために選んだカメラは「α9」。カメラのどのような性能がゴルフ撮影で有効なのか、「α9 II」への期待感も含めて語ってもらった。

岡沢 裕行/フォトグラファー 1965年生まれ。1980年代後半から日本のゴルフトーナメント、海外のPGAメジャートーナメントの撮影に携わる。『週刊ゴルフダイジェスト』、『月刊ゴルフダイジェスト』(ともにゴルフダイジェスト社)など、雑誌・広告でスポーツ分野を中心に活動中。日本ゴルフ写真家協会副会長。

選手の人間性に迫れることが
ゴルフ撮影の醍醐味

――いつからゴルフ撮影を始められたのですか? 普段のお仕事について聞かせてください。

早いもので、ゴルフの撮影を始めて約30年になります。ゴルフダイジェスト社をはじめとする週刊誌、月刊誌、臨時増刊など雑誌媒体の仕事が多く、毎週行われるトーナメントに行ったり、海外のゴルフツアーに行ったりしています。仕事の8割がゴルフ関連の撮影です。 2月末から12月頭くらいまでのオンシーズンは国内ツアーに同行。それ以外はゴルフメーカーの新製品発表会や、企業が主催するプロモーションの大会、プロアマ大会などを撮影します。

――岡沢さんにとって、ゴルフ撮影の醍醐味(だいごみ)は何ですか?

撮影自体が難しいので、うまくいったときの達成感が醍醐味に繋がっていると思います。トッププロは練習日と試合中、試合前と試合後では表情がまったく違うものです。試合前は目を合わせられないくらいピリピリしていますが、練習日はフレンドリーに独自のテクニックを教えてくれたりする。勝負している時の表情を含めて、その人の人間性を写真で表現できるのは興味深いところです。

最初は周りから軽視されていた「α」
今は多くの人が興味を持つ話題のカメラに

――ツアートーナメントにはどのような機材を持って行くのですか?

α9を2台、レンズは「FE 12-24mm F4 G」、「FE 24-105mm F4 G OSS」、「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」、「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」の4本を持って出掛けます。

シチュエーションにより異なりますが、「FE 24-105mm F4 G OSS」は常にカメラに装着していますね。試合中は望遠レンズがメイン。ティーグラウンドに上がってくる選手を撮影したり、ホールの雰囲気を入れて選手のバックショットを撮ったりする時は「FE 12-24mm F4 G」の出番です。このレンズでは風景的な撮りかたをすることが多く、アングルファインダーをつけてローアルグルで撮ることもあります。どれも描写力が非常に良く、使い勝手もいいので、どのようなシチュエーションでも満足のいく写真を撮ることができます。

――ツアーではスタミナも重要視されると思いますが、バッテリー性能はいかがですか?

十分に満足しています。この小さいバッテリーで今までのカメラの1.5倍は撮れますし、予備バッテリーを2本持って行けば、僕の場合は1万枚以上撮影できますからね。撮れている枚数からすると、かなり省エネだと思います。バッテリー自体も今までのものと比べるとサイズが小さいので、ポケットに入れて持ち歩けますし、充電も速い。しかも僕の場合は2年半使っても劣化を感じていないので、性能は申し分ありません。

さらに僕にとって頼りになるのが、「TOUGH(タフ)」シリーズのSDカードです。これまでのSDカードは接点がむき出しになっているので破損しやすく、僕自身も破損した経験があります。でもこのシリーズはそもそもの構造が異なり、強度・防水・防塵性に優れているためトラブルによる破損を防止し、大切なデータを守ってくれる。さらに書き込みと読み出しのスピードも速い。これは相当優秀だと思いますよ。

――α9を使っていて、他のカメラマンなど周囲の反応はいかがですか?

僕はα9を使い始めて約2年半が経ちますが、使い始めてすぐのころは、周りのカメラマンから「そんな小さいカメラで大丈夫なの?」と言われましたし、プロゴルファーに「今日は小さいカメラで手を抜いているね」と言われることもありました。「そうではなくて新型のカメラだから」と、わざわざ説明しなければいけないような状態だったのです。 ですが、最近は多くの人がα9に興味を持っているようです。「どんな設定で撮っているの?」「実は買おうと思っているんだけど使い勝手はどう?」など、相談されることも多く、ソニーのαがゴルフ撮影の世界でも認められてきていると実感します。

サイレントシャッターで撮れるシーンが増え
消音のための苦労がなくなった

――サイレントシャッターを使うメリットはありますか?

ゴルフの撮影では「打つ気構えを見せていたらインパクトまではシャッターを切ってはいけない」というルールが明文化されています。以前はシャッター音がしない4K動画で撮影して切り出したこともありますが、どうしても画像に歪みが出てしまう。だからサイレントシャッターが使えるようになって、今まで撮れなかったシーンをしっかり美しく撮れるようになりました。 今まではシャッター音を出さないために、さまざまな工夫をしていましたからね。10年ほど前までは自作の消音ボックスに入れて撮影。音を封じ込めるために、金属のボックスに消音のためのゴムシートやスポンジなどを入れてつくったのですが、驚くほど重くて(笑)。その後も防寒カバーに綿を足して音を吸収させたり、晴れているのにレインカバーをかけたりと「消音」については本当に苦労しました。シャッター音がしないできっちり撮れる、ゴルフ撮影に特化した小型のデジタルカメラを使っていた時期もありましたね。最初はそれに変わる特殊機材としてα9を導入したのですが、機能が優れていて驚きました。 α9は音がしないことばかりが強調されていますが、音のオン・オフを選べることのほうが僕にとっては利点です。ポートレート撮影では、撮られていることがわかるように音が相手に聞こえるほうがいいですからね。

コマ間を埋めたことで新たな世界が見えた。
ブラックアウトフリー、約20コマ/秒の連写

――ブラックアウトフリー、約20コマ/秒の連写はどのようなシーンで活躍しましたか?

インパクト付近など、スイングする間に撮れる画のバリエーションが圧倒的に増えました。今ではコマ間に当たっていた画も撮り切ることができ、今までにないものを見ることができている、という印象です。正直、約20コマ/秒の連写は驚くほどたくさん撮れます。ただ、多く撮って後で間引くことはできても、コマ間を埋めることはできませんからね。その中から最高の1枚をセレクトできるのはありがたいことです。 しかもブラックアウトフリーで連写ができますから、被写体をずっと見続けていられる。動きを目で確認しながら撮れるので、クラブの先端など、大事なところがフレームアウトするという失敗もありません。また、アンチディストーションシャッターにより高速シャッターでも動体の歪みを抑え、正しい動きに近い画が撮れるのも魅力です。

フルスイングを約20コマ/秒の高速連写で撮影。歪みがなく、臨場感のある瞬間をセレクトできた。

作品を見る

ローリングシャッターでは、顔まで歪んでしまったり、歩いている時の足の動きが不自然に写ったりすることがありました。数年後にはこのトラブルを解消するカメラが多く出てくると思いますが、それを先陣切って最初に実現したのは素晴らしいこと。α9は、僕らの道具のレベルを上げてくれる、秘めた可能性を感じます。

α9 II,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 200mm,F5.6,1/1600秒,ISO400

α9はファームアップでどんどん進化しています。最初は性能が良すぎて、上のようなバンカーショットでは砂にピントが合ってしまうこともありました。つまり、ピントが敏感過ぎて最初のターゲットが砂に合ってしまい、後から障害物が入ってきてもターゲットを追って食いついてしまっていた。でも今はそんなこともなくなりました。どんな状況でも本来のターゲットを見極めて認識し、追ってくれるようになったわけです。そんな繊細な改善はソニーのAIテクノロジーがあってこそ、ですね。もちろんα9 IIでもそれはしっかりと踏襲されています。

ボールを追い続けるリアルタイムトラッキング。
広範囲をカバーするAFで瞬間を逃さない

――ツアー写真は、AFで撮影しているのですか?

今はほとんどAFで撮っています。α9であれば、状況に合わせて設定さえきちんとしておけば、ピントはカメラ任せにしても安心です。手動で合わせるより確実ですからね。僕は試行錯誤した結果、トラッキングAFのワイドで撮影しています。かなり高性能に被写体を捉え続けてくれるので、AFの苦労がなくなりました。 しかも、α9はフォーカスエリアがとても広い。下のような写真を撮る場合、今までのカメラではこのフレームをキープしたままでボールにピントを合わせることができません。画面の端にはAFセンサーが置かれていないため、フレームを動かしてボールでAFをロックし、フレームをつくり直さなければならないのです。

α9 II,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 518mm,F6.3,1/1600秒,ISO200

選手は待ってくれませんから、そんなことをしているうちにボールを打たれてしまいます。でもαはフレームの隅のほうまでピントを合わせられるので、フレームをつくり直す手間も必要ありません。もし、ティーアップし直すためにボールを持ったとしても、それすら追いかけてくれますからね。AFエリアが広いことで、ピントが思いのままで、瞬間を逃さず撮影できるわけです。α9を使う前までは、AFエリアがもう少し広いといいのに、と思っていましたが、技術的に難しいと聞いていました。それがあっさりできてしまったのは、ミラーレスを知り尽くしたソニーの技術のたまものでしょう。

肩への置きピンも必要なくなり
表情をミスなく捉えるリアルタイム瞳AF

――「リアルタイム瞳AF」は使っていますか?

プレー中もかなり活用しています。以前は、ショットのシーンでは肩にピントを合わせて撮るのが当たり前でした。そうするとショットの時に顔が前に出てきて、ちょうど顔にピントを合わせることができるのです。今はα9に「リアルタイム瞳AF」が搭載されたので、この不確定で面倒な作業もなくなりました。

ゴルファーが動いていても「リアルタイム瞳AF」が瞳のピントを掴んで離さない。真剣なまなざしも鮮明に描写。 

作品を見る

リアルタイム瞳AFは一度瞳をトラッキングすれば、ずっと追い続けてくれますからね。この機能のおかげで、スイングのいいシーンでシャッターを押せたのにピントが合ってない、という失敗もなくなりました。選手の真剣な表情を的確に捉えられる、とても頼もしい機能です。

片手でも安心して撮れる高性能AF。
試合中は200-600mmのレンズが必須

――表彰式などでポートレートのような写真を撮る時に役立った機能はありますか?

もちろん、「リアルタイム瞳AF」ですね。表彰式では目線をもらうために手を振るので、片手でカメラを持つことになります。手を振っていると当然カメラも揺れてしまいますが、それでもきちんと目にピントを合わせて離さない。だから僕は構図のバランスを見てシャッターを押すだけで済みます。

優勝カップを掲げ、笑顔の一瞬も瞳にしっかりフォーカス。ボディ内5軸手ブレ補正が片手での撮影をサポート。 

作品を見る

「リアルタイム瞳AF」があれば、歩きながらの撮影でもしっかり瞳を捉えてくれます。選手が歩いている前に出て撮影するとなると、ファインダーでずっとピントが合っているか、確認することができない。でも「リアルタイム瞳AF」でピントを目に合わせておけばノーファインダーでも撮影できる。以前は、カメラを向けてもピントが合わないだろうと諦めていたシーンでも、「リアルタイム瞳AF」があることでトライしやすくなりました。

――試合中は望遠で撮ることが多いと思いますが、使用頻度の高いレンズやお気に入りのレンズはありますか?

「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」は全身から顔のアップまで1本で撮れるので、とても助かっています。あまりに便利で、試合中は毎日1万枚近く撮影するほどお気に入りのレンズです。

ゴルフ場は幅が狭いところ、広いところとさまざまですし、同じ組の選手がそれぞれ離れた場所にいても、ズームを使って最高の構図でフォローできる。600mmという焦点距離がこんなに簡単に手に入り、日々使うことができるのはこのレンズが登場したおかげですね。

ゴルファーの自然な表情を、離れた場所からでも600mmの望遠端で捉える。柔らかなぼけ表現により、被写体を浮き立つように描写。

作品を見る

  描写力が素晴らしく、ぼけ表現もいい感じでピントも速い。ファインダーを見ながらでも表情の変化を感じやすいので、顔の動きを見て、「なんか、手を動かしているな」と思ったら、引いて手元まで入れることもできる。単焦点よりも構図のバリエーションが増えますし、持ち出すレンズの本数も減らせます。利便性を考えても試合中は200-600mmのズームレンズに軍配です。

2020年はカメラが進化する年。
通信機能を強化したカメラが主流に

――「α9 II」も使用されているとのことですが、使用感はいかがですか?

実はまだあまりα9 IIで撮りに行けていなくて、α9との比較が十分にできていませんが、感想と期待している部分をお話したいと思います。 5軸ボディ内手ブレ補正が最高5.0段から5.5段にアップし、より強力になりました。悪天候で遅い時間まで試合をしている場合は高感度を使いますが、どこまで感度を上げるべきか、どこまでシャッタースピードを落とすべきか、常に悩むところです。そういった時、強力な手ブレ補正は大きなアドバンテージになります。ボディ全体のサイズは変わっていませんが、グリップ感が向上したこともこれを後押しします。 さらに、誤動作を防止するためにダイヤルロックが採用され、防塵防滴性能も強化されている。防塵防滴についてはもっと使ってみないとわかりませんが、これまでの進化の具合から察すると、そう謳っている以上は相当力を入れているだろうという期待と信頼があります。 あと、通信機能もかなり強化されているようですね。僕も時々使いますが、これからは必須の機能だと思います。一般の人も、撮った写真を簡単に相手に渡せるようになりますからね。Wi-Fi機能などの通信機能を内蔵していないデジタル一眼では専用のアダプターが必要になるので、画像を共有するだけでひと苦労です。これからは通信が速く、一瞬のうちに画像を共有できるカメラが主流になってくると思います。あと、ボイスメモ機能で撮影した写真の整理がしやすくなったのも便利そうですね。

――今後、スポーツジャンルにおけるカメラの未来はどう変わっていくと思いますか?

2020年はスポーツジャンルにおけるカメラが進化する年となるはずです。今はWebサイトで速報を発信することが主流になっているので、「α9 II」のように通信機能を強化したカメラが増えると思います。そうすればプロのスポーツカメラマンも快適に、スムーズに画像を送ることができ、仕事効率も上がりますからね。 その中でもα9シリーズはユーザーが増えると思います。シャッター音のオン・オフが可能で、高精度なAFで動く被写体にもピントを合わせ続けてくれる。さらに瞳へのトラッキングもでき、フレームの端までピントを合せることができる。そうなれば、テニスやバドミントンの試合中、ネットの向こうで転がりながら球を拾うシーンなど、撮影がとても難しいシーンでもしっかりピントを合わせて撮ることができるでしょう。スポーツ写真に限ったことではありませんが、ピントが合っていなければ話になりません。α9シリーズはAFが圧倒的に優秀で、現状はどのフィールドでも相当なアドバンテージがあるのでユーザーは加速度的に増えると思いますよ。

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