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風景写真家 高橋真澄 氏 × α7R IV
特集:先進画質×俊敏性。新しい表現領域へ

〜中判に迫る解像と階調で描く、北海道の風景〜

α Universe editorial team

光が織りなす自然現象を独自の感性で芸術的な作品へと昇華し続ける、風景写真家の高橋真澄氏。秋の訪れとともに自然がきらめきだした地元・北海道を、「α7R IV」の有効6100万画素の高解像と豊かな階調性で、どのように描き出したのか。珠玉の作品とともに、「α7R IIIからα7R IVの進化は想像以上」と語る、その魅力についても話をお聞きした。

高橋 真澄/風景写真家 1959年北海道生まれ。北海道上富良野町在住。大学時代より北海道の山を中心に撮影し始める。丘をはじめとする美瑛・富良野の自然風景を独自の感性で表現し続けている。「風景」四季シリーズなど、著書多数70冊以上。

風景撮影は一瞬一瞬が勝負。
導線が優れたα7R IVで流れるように撮影

――α7R IVを最初に手にしたときの感触はいかがでしたか。

持った瞬間にグリップのホールド感がよくなったのがわかりました。形状が深くなったので、5本の指でしっかり握れます。あと、ボタン類の配置が風景写真を撮るのにスムーズな導線になっているし、ボタンに割り当てられた新機能では露出補正ダイヤルにロックボタンが付いたのはありがたいことです。不用意に露出が変わるのを避けられますから。よく、みなさんは勘違いするのですが、私が撮る風景写真は、じっくり構えて待って撮るのではなく、まるでスポーツ写真のように一瞬一瞬が勝負なんです。ほんの束の間、自然が見せてくれる美しい光景を走るように撮っています。こうしたスピード感が必須な現場では、導線のちょっとしたズレも命取りになります。ですが、α7R IVには無駄なところがありません。 今回、紹介する作品はどれも今までのカメラでは表現しきれなかったもので、私も撮ることが楽しくて仕方がない。導線やEVF、そして表現力。すべての面が進歩して、プロの写真家ではなくても、誰もが見たままの光景を感覚的に撮影することができるようになった。これは、実は大変なことなのです。声を大にして言いたい。たとえば、絵画はプロでもアマチュアでも同じ絵筆で描きますよね。それと同じことが、αの登場で写真の世界でも可能になった。そしてα7R IVの登場で、これまで以上に芸術家にとっての道具、誰もが感覚的に扱える良い絵筆になったと実感しました。

中判〜大判カメラに引けを取らないと感じる
解像と階調が両立する高い表現力

――今回は、秋の北海道の風景を撮影されていますが、これまでよりも細かな描写が多い印象です。

画像処理エンジン「BIONZ X」と有効約6100万画素の進化を感じました。ついにここまできたかと。これも想像以上の進化で、見たままの世界を再現してくれる。α7シリーズをずっと使っていて、α7R IIからα7R IIIへのときも相当感心しましたが、α7R IIIからα7R IVへの進化はそれ以上。自然の風景が表す多彩な表情をしっかりと写し撮ってくれるカメラです。

――では、実際に撮影された作品を見ながら話をお聞かせてください。まずは、樹木の繊細な描写が印象的な作品です。

α7R IV,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 143mm,F16,1/20秒,ISO400

α7R IVの描写力については、すべての作品にいえることですが、「解像」と「階調」を併せもっているのはすごいことなのです。光の当たっている樹木のシャープ感、これは高い解像度の証です。そして、暗部はグラデーションがなめらかに描写されています。本来、解像と階調は相いれないものです。どちらかが優れていると、もう一方が粗くゆるくなる。それを同時に表現できるというのは、これはもう4×5(シノゴ)や8×10(エイトバイテン)、中判〜大判カメラの世界です。しかもそれを軽々と持ち歩ける、これは革命的なことです。

光の当たる樹木の一部を拡大してみると、枝先までしっかり解像していることがわかる。

――続いても、紅葉が鮮やかな一枚です。遠くまでしっかり解像しています。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 34mm,F16,1/50秒,ISO400

ここは十勝岳温泉という日本十大紅葉のひとつでいち早く紅葉が見られる場所です。夕陽があたり一面に当たっている時間帯で、本当に細かい部分がしっかりと解像していて立体感がありますよね。解像度が高くなればなるほど描写が細かくなりますから、このような景色は浮き上がるように見えてくるのでしょう。色の表現力もほとんど現実世界のままです。解像感のすごさを最も感じる一枚です。

――こちらは、夕焼けと夜空のグラデーションを繊細に描いていますね。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 49mm,F16,1/10秒,ISO400

樹木のカリカリ感と赤く染まった空のグラデーションの美しさは、まさに解像と階調表現の調和があってこそ表現できました。赤系統の色味は飽和して表現が難しいように個人的には思うのですが、α7R IVはしっかり粘ってくれますね。そして、ピントがきているかどうかはピント拡大で確認できるので重宝しています。もともとある機能ですが、この機能のおかげでピンぼけはまったく心配なくなりました。

――こちらの作品は、手前の真っ暗な木々から、中間の畑、奥の山脈まで徐々に明るくなっていく表現が難しそうですが、いかがでしたか。

α7R IV,FE 70-200mm F2.8 GM OSS 156mm,F8,1/5秒,ISO400

これまででしたら、そうですね。山脈がもっと暗くなって、それを明るくしようと調整すると、ザラザラした感じやバンディングの縞が目立っていたでしょう。その点、α7R IVは粘りが優秀です。薄いベールのように掛かった霧も破綻せずに、繊細に描写することができました。 このときは、1/5秒のシャッタースピードで切っていますが、ブレていないのが頼もしい。風景写真はカメラを三脚に据えてワイヤレスリモコンで撮っていますが、これまでのミラーがある機械シャッターでは半分はブレると思います。それはもう物理的に仕方がないのですが、αの電子シャッターだったら動かない。もう歩留まりが全然違います。これも画期的なことなのだと改めて思いました。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 62mm,F16,1/250秒,ISO200

「一般的なカメラでは解像度でキレを表現できても、階調表現が難しかった。α7R IVは画が荒れたり、粒状感が出ずに見事なグラデーションを表現することができた」と、高橋氏。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 26mm,F16,1/250秒,ISO400

朝霧が広がる花畑を昇ってきた太陽が照らしている。白飛びや黒潰れに悩まされがちな難しいシーンだが、太陽の暖かいほわっとした感じを出しつつ、暗部からのグラデーション表現も生きている。

肉眼とファインダー越しの画が近くなり
見えてきた“明るさ”の中に潜む世界

――α7R IIIと比べて α7R IVの電子ビューファインダー(EVF)は約1.6倍も高解像化されましたが、いかがでしたか?

なによりも驚きました。とても見やすくなりましたし、実際に撮影を始めてみると照度差のある被写体にも対応できていて、すぐに進化の度合いを体感できました。肉眼で見る光景とファインダー内の画がこれほど近くなるとは、想像を超えていました。これまではファインダーを覗いて、特に明るい被写体に対しては経験から少しアンダー寄りに撮るといった保険をかけていましたが、この視認性があれば保険を掛ける必要がなくなる。経験値でフォローしてきた部分が必要なくなりました。

――EVFの進化を感じた作品はありますか?

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 70mm,F16,1/800秒,ISO50

明るいところがよく見える強みが生きた、こちらの一枚です。今までは、ファインダーを覗いても陽が強すぎるので幻惑されて気づかなかった一瞬です。プロなら経験と勘でしかるべき設定をしたらこのように写ることは予想できますが、それが必要ありません。α7R IVだったら誰でもこの画が見えるのですから。 そして、もう一枚。強い逆光を撮影したこちらの作品です。

α7R IV,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 291mm,F16,1/800秒,ISO400

EVFが見やすくなったので余計なものは写りこまなくなり、照度差の確認などもラクにできると感じました。いくつかの作業がラクになった分、私は構図やタイミングに集中できるので助かります。

――虹の撮影ではEVFが役立ちそうですが、実際に撮影していかがでしたか。

α7R IV,FE 70-200mm F2.8 GM OSS 200mm,F16,1/200秒,ISO400

虹をEVFで確認できるのはもちろんですが、このときは被写界深度がはっきり確認できることのほうが強みだと感じました。今までだとなかなかできないことで、どこからどこまでピントがきてるかを撮る前から認識できるのは、すごいことなのですよ。 水平の虹は、雨上がりの午後、太陽が高い位置にあるときに現れます。虹は3Dでじりじりと動くのでピントを合わせるのがとても難しい。でも、α7R IVは被写界深度が確認できるので、ピントがどこに合っているか一目瞭然です。 それと、カラフルな虹の色を表現しようとすると、これまではグラデーションを潰して犠牲にするしかなかったのですが、α7R IVでは両方生きていますよね。我ながら感心します。

――こちらは強い逆光のシーンですが、EVFではどのように見えていたのでしょうか。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 38mm,F11,1/100秒,ISO400

橋の上からカラマツ林を撮ったのですが、強烈な逆光で、木の枝に朝霧がついて光っています。以前のファインダーでは白いところがもっと白くなって飛んだように見えていましたが、肉眼に近い状態で見えていました。 この例をひとつとっても、α7R IVがひとつの段階を超えたというか、道具としての信頼性が増したといえるでしょう。今までは、明るすぎて見えなかった細部が見えるようになったのですから。

カメラに撮ってもらうのではない。
風景写真は“撮影者がつくるもの”だ

――最後に、高橋さんのような風景写真を撮りたいユーザーに向けてメッセージをお願いします。

何度も繰り返しますが、「α7R IV」は画家にとっての絵筆のように写真家にとっての道具になった。もはや経験や勘は必要なくて、プロではなくても誰でも撮りたい風景をそのまま撮れるようになりました。撮影前からEVFやモニターで絞りの変化などがダイレクトに反映されるαでは作品をつくり込める。それが、私がαを選ぶ一番の理由でもあるが、αを使うことで撮影者は、「これだ」と思った光景を感覚的に撮影できる。逆にいえば、これまでは“風景写真はカメラの性能が撮ってくれた”という側面もあったように思いますが、α7R IVの登場で風景写真は「撮影者がつくるものだ」という責任感がなおさら増しますね。大自然のなかで、美しいと思った風景を思う存分楽しみながら切り取ってください。

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