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東京カメラ部10選2015
黒田明臣〜前編〜
「計算と挑戦のポートレート」

α Universe editorial team

ポートレート写真を専門としたフォトグラファー。広告・雑誌・企業のビジネス写真を中心に活動する傍ら、セミナー・ワークショップ講師としても活動中。独学で学んだ撮影技法・RAW現像・ライティングに関するテクニックを、カメラ誌・書籍・ウェブメディアにも執筆中。元フリーランスのウェブエンジニアで、大規模ウェブサービスの設計・運用や立ち上げを担当。国内外でのコンテスト入賞やSNSでの評価を経て撮影案件が増えたことで元々フリーランスであったことも活かしフォトグラファーへとキャリアチェンジ。写真とウェブエンジニアリング、両方のスキルを活かしてSNS時代に何か寄与できないかと模索している。フォトグラファーWEBマガジンであるヒーコのファウンダー
http://xico.media/ ホームページ http://artratio.net/

──αシリーズをメインで使うと決めたきっかけはなんだったのでしょう。 35mm、50mm、85mmの純正単焦点レンズが発売されたからですね。α7R IIはサブ機として早くから導入していましたが、当初はマウントアダプターに他社のレンズを装着して使っていました。ちょうどプロのフォトグラファーにキャリアチェンジし、仕事用にひとつのメーカーのカメラに統一したいと考えていた時にSEL85F14GMを使用してみたらとても素晴らしく、α7シリーズをメインのカメラにすることにしたのです。α7R IIは十分に高解像で自分の求めるダイナミックレンジがあると感じてはいましたが、SEL35F14Z、SEL50F14Z、SEL85F14GMと、主要な焦点距離を明るい単焦点レンズで揃えることができるようになったことは大きいです。現在はそれらに加えて、マウントアダプターを利用してオールドレンズなどを利用しています。

──レンズが豊富になったことで、あらゆるバランスが最高レベルになったということですね。 ボディの小ささと軽さもメリットのひとつには間違いないですが、もっと広い意味でα7シリーズを選んでいます。僕にとってセンサー、画像処理エンジン、レンズのバランスが高次元で融合しているから生み出せる、素晴らしいRAWデータが写真の全てです。もっとα7シリーズが大きく重たくても、僕は使うと思います。ミラーの有無などは問題にはならない。そのくらい画質がいいんです。

──レンズに求めるものとは? 最近のレンズは解像感重視で、パキっと見えたらいいというレンズが多いという感覚を持っていますが、自分の場合は現像時に、階調を大きく編集することが多いので、色調が緩やかに変化する、いわゆる低周波成分が多い領域もなだらかな色調変化で表現できるレンズが欲しいです。ですが、レンズに限らずさまざまな側面から見た画質の良さが必要だと思っています。センサーで言えば一定以上の解像度やRAWで14bit以上の豊富なデータ量などですね。その上で描写力の高い純正レンズがあるか否か。解像感を保ちつつ、階調性に優れ、現像した時に自分がこれが正解と思えるかどうか、です。

α7R II,FE 50mm F1.4 ZA,F3.5,1/3秒,ISO200
α7 II,FE 85mm F1.4 GM,F2.8,1/160秒,ISO100
α7R II,FE 85mm F1.4 GM,F1.4,1/3200秒,ISO100
α7R II,FE 85mm F1.4 GM,F2,1/160秒,ISO100

──もっとも使用頻度が高いレンズはなんですか? 仕事の場合はほぼSEL50F14Zです。楽屋や打ち合わせスペースなど狭い場所での撮影も多いため、それよりも狭い画角は使いづらいです。とはいえ、85mmは非常に好きな焦点距離なので、使うタイミングがある場合は、できる限り使うようにしています。SEL85F14GMは、「GMは間違いない」というブランドイメージを僕の中に作ってくれた思い出深い1本。レンズは秀でている部分があったとしても、どこかに欠点があることが多いものですが、SEL85F14GMはどこにも欠点がないうえに突出した描写力を持っています。開放から解像感が高く立体感に優れており、ピント面からボケまでの階調がシームレス。単純に解像感があるだけの場合、少しチカチカと見えてしまうことがありますが、SEL85F14GMは違います。普通はライティングをしない限り難しい描写を自然光でやってのけてしまう。作品を変えてくれたレンズだと思います。

α7R II,FE 50mm F1.4 ZA,F1.4,1/250秒,ISO100

(写真雑誌用の撮影で、狭い室内の中立って撮影した作品。50mmは寄っても引いても使いやすいので重宝する。)

α7R II,FE 85mm F1.4 GM,F1.4,1/400秒,ISO100

──ズームレンズは使用しないのですか? 現在は単焦点レンズのみを使用していますが、一度SEL70200GMを広告の仕事でお借りしたことがあり、これは神レンズだなと。東京の観光地を撮る仕事だったのですが、ズームレンズってこんなに便利なのかと感じました。50mmでは絵がまとまらないようなときに力を発揮してくれましたし、ズームレンズの場合は、単焦点レンズに比べて解像感が失われがちですが、これは気になりませんでした。

──AFのスピードや精度などについて気になる点はありますか? SEL85F14GMのスピードも十分に満足しています。AFでピントを合わせたあと、手動で微調整するDMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)で拡大表示をして最終的なピントの追い込みをすることが非常に多いのですが、DMFが非常に優秀で、そこに対してストレスを感じる部分はないですし、今まで使っていた一眼レフではできなかったことなので大きなメリットを感じています。

──レンズの使い分けの基準を教えて下さい。 モデルによって使い分けるということはなく、あくまでカメラもレンズも補助であるべきと考えています。ただし、自分の場合は撮影前に目的を100%決めており、それに到達するための最適解に見合うレンズを選択するという感覚でしょうか。例えば、光をコントロールしきれない自然光では、特に低周波が優れていて階調をしっかり表現してくれるSEL85F14GMなどや、50mmを使います。一方で、スタジオで光をコントロールできる場合は、SEL90M28Gなど解像度が抜群に高いレンズを使います。SEL85F14GMの陰に隠れて使用頻度は少ないですが、このレンズは脅威的ですね。シャープネスをまったくかけなくても驚くほど解像感が高い。

『90mm液体シリーズ』

α7R II,FE 90mm F2.8 Macro G OSS,F16,1/125秒,ISO160

──室内でのナチュラルな雰囲気のシリーズは少し傾向が異なりますね。 最近になって取り組んでいるシリーズで、制限のあるシチュエーションの中で自分と被写体のシナジーを際立たせようと模索しています。このシリーズを撮るときは、モデルにこちら側からポーズを指示することなく、自由にくつろぐモデルのありのままの自然な姿を撮影するようにしているんです。計算ずくで撮影するタイプであると同時に、こういった自分自身も想像していないような写真を撮りたいという欲もあります。このシリーズは顔を合わせている時には気づかなかった表情や見えなかった一瞬を写真に残したいというのが根底にあります。自分なりの挑戦であったり実験であることが多い他の作品とは違い、珍しくステイトメントがあるシリーズです。

『これまでに見たことのない、想像のできない顔』

α7R II,FE 85mm F1.4 GM,F2.5,1/125秒,ISO100

──αシリーズをメイン機に変えたことに満足していますか? プロとしてやっていく以上、どこまで機材に投資し、数年先を見て自分の写真生活を任せられるかが重要じゃないですか。レンズが充実したいま、これに関してはまったく心配していません。プロサポートの担当の方ともお話しする機会が増えていますが、商品の改善要望等のフィードバックを含めてとても信頼しています。

――今回はレンズをはじめとする「画質」にスポットをあてましたが、次回の後編はポートレート撮影におけるα7シリーズの機能面のメリットについて、新しい作品とともに紹介していきます。

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