商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α α Universe

4240万画素×高速連写&AF性能が
高速レーシングカーを捉える

フォトグラファー 池之平 昌信
〜意のままに操ることができる、
35mmフルサイズ一眼の誕生〜

α Universe editorial team

世界20カ国以上、約50カ所のサーキットなどへ赴き、約300以上のレース・ラリー等のモータースポーツを撮影し続けてきた「流し撮り」の達人である池之平氏に、お話を伺った。

実際に撮影して感じたα99 IIの優位性

――池之平さんがレースを撮影するようになったきっかけは?
東京工芸大学短期大学の写真技術科に在籍していた頃から、先生に連れられてモータースポーツの撮影をしていました。そこで魅力に取り憑かれて、もう30年近くもレースやラリーを撮り続けています。90年代のバブル時代はF1を全戦撮影していましたし、今も週末はレースやラリーの撮影に出掛けます。そのほかに市販車の撮影などもしているんですよ。撮影以外にも、車やレース関連の雑誌で執筆をしたり、セミナーの講師としてテクニックを伝授したりと、どれも車やバイク関連ですが仕事の内容は多岐にわたっています。

――普段はどのようなカメラで撮影していますか?
仕事では、デジタル一眼レフのフルサイズとAPS-Cサイズ、センサーサイズの違うカメラを併用しています。現場では個人的に購入したα6300も大活躍です。まず、僕が得意としている「流し撮り」という撮影方法に“ミラーレス”はとても向いていると考えています。例えば、一般的な一眼レフカメラではシャッターを押した時に「ミラーショックブレ」という現象があるんですね。シャッタースピードが1/8前後になると、ミラーが駆動することによるブレが出始めると言われています。風景撮影ではしっかり構図を決めてから撮影できるので、ブレを抑えるためミラーアップで撮影する。ところが流し撮りをするレースシーンでは、次々に被写体が向かって来るから常に一瞬で構図を考えなくてはいけません。しかも被写体が見えなくなってしまうので、ミラーアップで撮影ができない。そのためミラーショックブレをシャッタースピードなどでカバーしていたんです。でもα99 IIはフルサイズセンサーでありながらミラー駆動がない。しかも常時AFが働き続けてくれるので、常に被写体を捉えることができる。これはレース撮影では今後も可能性を感じるところです。さらにα99 IIは、4000万画素超のクラスで最速秒12コマも撮れる連写性能という最大の武器を持っている。瞬きが多い選手の表情や、水しぶきを上げて走るラリーカーを撮る時などは、この圧倒的な連写が大いに活躍してくれます。

35 mmフルサイズ42.4MBの圧倒的な高解像度

500mm F4 G SSM 500mm 1/400 F5.6 ISO100

――35mmフルサイズで4240万画素という高解像度は、どのような意味があると思いますか
圧倒的な解像感で、画質の美しさは目を見張るものがありますね。その分、いろいろな部分がシビアになるので、狙いを明確にさせられている気がします。例えば、今まで見えなかったブレまで見えるようになったので、レースではシャッタースピードを半段上げることがあります。1段まで上げてしまうとタイヤの回転量も変わってしまうので、再生確認をして微調整、より狙いをシャープにして際立たせる部分を明確にする、という感じですね。ピントが合っているところの精細感が際立つということは、ボケ感も際立つということ。それだけ解像感の高い、美しい作品が撮れるということです。ちなみに、α99 IIで撮影を始めて、連写後の画像の再生速度が早くなっていることにすぐ気づきました。SDカードへ書き込み中でも再生できて、撮影、確認が手際よく進んだのでストレスなく撮影が行えました。それから、カメラの性能が良くなるほどレンズ選びは重要だと感じますね。今回の撮影では500mmF4(500mm F4 G SSM)とサンニッパ(300mm F2.8 G SSM II)も使いましたが、画面全域で端まで甘さがなく、しっかり表現できているという印象です。α99 IIは4000万画素超えなので、レンズの解像力の差がはっきり出ますし、AFもレンズのモーターが対応していないと力を発揮できない。とくに僕が撮るようなレースシーンでは、その能力がカギになりますから。ボディの性能を活かすためにも、純正レンズとの組み合わせに勝るものはないと思います。

フルサイズ初の4D FOCUSによる連写&AFの向上

――最高12コマ/秒の連写性能や向上したAF性能などが実感できたシーンがあれば教えてください。
実際のところ、レースを連写で撮影するのは難しい場合もあります。例えばスピードが落ちない高速コーナーで自分に向かって走ってくる場合、超望遠を使っていると連写しても当たりが少ないんですよ。なので、以下のような場面では単写で撮るようにしています。

500mm F4 G SSM 500mm 1/320 F8 ISO100

でも2台並んで撮影した次の作例のように、被写体の像面での倍率が比較的小さく、シケインのような低速になる部分では、連写で追従することも、引きつけてから単発で撮ることもできます。8コマ/秒以上の連写ができれば後ろの車との重なり具合も選ぶことができるので、こういうシーンではAFが高い精度で追従する高速連写性能が大きな武器になりますね。

500mm F4 G SSM 500mm 1/400 F5.6 ISO100

今回はコンティニュアスAFで、スイートスポットを広く取れる拡張フレキシブルスポットを多用しましたが、AFの追従性もα99よりさらに良くなった印象です。レースでは急加速だけでなく急減速もあるので追従が相当難しいのですが、自分の意図する場所にピントが合ってくれました。AFには加減速した時に予測する能力も求められますが、きちんと追従していて感動しました。

500mm F4 G SSM 500mm 1/640 F6.3 ISO100

それから、レースでがっつり連写を使うのはスタートの瞬間です。スタート時は車の動きも激しいので、誰かが陰に隠れてしまうこともあります。4〜5秒連写し続けましたが息切れすることなくシャッターを切り続けることができたので、バッファの容量が増えていることも実感できました。

達人・池之平氏が語る―α99 IIでの流し撮り―

――α99 IIでの流し撮りはいかがでしたか?

300mm F2.8 G SSM II 300mm 1/30 F11 ISO100
300mm F2.8 G SSM II 300mm 1/20 F11 ISO100

この作例は、300mm F2.8 G SSM IIレンズを使って手持ちで撮影したものです。こちらもコンティニュアスAFで撮影しましたが、追従性の高さが光りました。被写体を浮き立たせて、スピード感を表現するのが流し撮りの特長です。4000万画素超えのα99 IIなら、「ここを見て欲しい」というところのピント面をしっかりと見せることができます。流し撮りは、一番美しいと思う角度のところで引きつけて、待って撮るのが僕のやり方。だから秒4コマしか撮影できないカメラなら単発で撮るのが基本です。でもα99 IIならば秒8コマでライブビュー連写が使えるので、2〜3コマ連写するケースもあります。秒4コマでは2枚目に期待はできないけど、秒8コマなら2枚目の方がいい場合もありますから。2枚目、3枚目も狙えるコマ数は、写真を選べるようになった、という部分で単純に助かりますね。しかも連写中もタイムラグなくライブビューで追えるので、流し撮りでも連写が生かせるカメラと言えますね。僕は流し撮りが得意なので(笑)、みなさんからいろいろな質問を投げかけられます。流し撮りというとどうしても遅いシャッタースピードで決めたくなってくると思うんですけど、実は背景も重要。流した感じをイメージして、被写体が際立つような背景を選ぶことも頭に置いて、撮影に臨んでください。

小さなボディでもしっかりグリップできる

――ボディに触れて、操作してみて「ここが良かった」という点は?

α99よりもボディサイズが一回り小さくなりましたね。アタッチメントグリップがなくても小指までしっかり引っかかるので、小さくても扱いやすかったです。ボディグリップが小さなカメラの場合、小指が引っかからなくて指が痙攣しそうになることもあるので、アタッチメントグリップを付けているカメラもあります。でもα99 IIは僕の手にはちょうどいいサイズ感でした。また繰り返しになりますが、秒8コマまでならライブビュー連写ができるのも利点です。連写中でもタイムラグが少ないファインダー表示ができるので、被写体を追いかけやすいです。構図だけでなく、被写体がしっかりフォーカスエリアに乗っているか確認できますから。このライブビュー連写ができることもAFの追従性アップに一役買っていると思いますよ。夜の撮影では、EVFもとても便利ですね。暗い場所でも明るく見やすく映してくれるので、ピント位置の確認もサポートしてくれて助かっています。

Sonyがミノルタから「α」を引き継いで今年で10年。さらなる進化を遂げたAマウントのフラッグシップモデルの進化した機能は、その実力がシビアに試されるレース撮影でも頼りになるようだ。

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