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最先端の現場+α Vol.3 「HDR合成を使った
新たな表現のモノクロ
作品を作る」

星野尚彦:8×10でしか撮れなかった濃密表現を
α7RⅡで具現化

α Universe editorial team

Interview
星野尚彦 / フォトグラファー
ほしの・なおひこ

サントリー ザ・プレミアム・モルツ 香るエール
右の写真が実際の広告。缶のパッケージも星野さんが撮影している。

企画制作=博報堂+サン・アド クリエイティブディレクター=高上晋・塚田雅人・高田毅・星野尚彦 アートディレクター=西浦晃史 コピーライター=小西利行・竹田芳幸 デザイナー= 榊原準(MOSH) 撮影= 星野尚彦 プロデューサー= 南川高廣・布施剛 シズル=味方俊哉(topup)

数多くの広告を撮影する星野尚彦さんは、国内外で写真展を開催するなど作家活動も積極的に行なっている。現在、α7RⅡでHDRを使った作品を制作中。そこでαの表現の可能性を語ってもらった。

―― ソニーのカメラを使うきっかけを教えてください。
星野 RX1を使い始めてから「ソニーのスチルカメラの絵作りはいいな」と思ったのがきっかけです。その後、α7Rを経て、今はα7Ⅱとα7RⅡの2台を仕事と作家活動に使っています。  仕事ではビールグラスなどの物撮りでα7R Ⅱをよく使います。泡が白くて、透明なグラスには水滴という、ハイライトまでの諧調が豊富でないとリッチに見えないとても難しい場面なのですが、α7R Ⅱは期待に応えてくれます。硬い光で白飛びするところは白飛びしてももいいという撮り方をしたとしても、飛ぶまでの粘りがあるのとグラデーションの幅が非常に細かく表現できています。

―― 星野さんが広告写真を撮る際に心がけていることはなんでしょうか。
星野 商品を好きにならないといい写真は撮れません。ビールならビールが美味しそう、飲みたいと思わせたい。サントリー宣伝制作室で「広告はお客様に届けるラブレター」だと教わりました。広告を見た人が幸せになる一助になればいいなと考えています。

―― 最近では積極的に作家活動に取り組んでいます。HDRを使ったモノクロ作品は今までに見たこともないような表現になっていますね。

京都府立植物園

星野 商業的な活動だけでなく、作家活動にも軸を置いてみようと考えた時に、 ただ美しいものを撮るのではなくテーマや社会性が求めらると気付いたんですね。ただ綺麗なだけでない、写真のもう一歩裏側を表現するにはどうしたらいいのかと。過去に「閉じ込められた自然」が生む自由、というテーマで「温室」をフィルムで撮っていた時代があったのです。ただ、その時はまとめきれなかった。  α7RⅡを使うようになって、高い解像感、広いダイナミックレンジを実感して、HDR合成でさらに階調を広げて表現すれば大判カメラに匹敵するモノクロ作品が作れると思った。それで,もう一度「温室」のテーマに取り組んでみようと思ったんです。この写真をぱっと見てHDRだと分かる人は少ないと思いますけど。これらの写真は5枚から9枚の写真を重ねています。実際にモノクロ出力したものを見て、手応えを感じましたね。フィルムでこのディテールを出そうとすると、8×10で撮るしかありません。非常に濃密な絵にすることができます。

―― 大判カメラを三脚に据えて撮影するのは現実的な選択ではないですよね。
星野 植物園は三脚禁止のところが多くて、一脚もしくは手持ちで撮る時もあります。α7RⅡ(α7Ⅱ)は5軸手ぶれ補正が効いているので歪みやずれもありません。

―― 実際どのように作っているのですか。
星野 作品は全てJPEGで撮影しています。露出を変えて5〜9枚撮影して、PhotomatixというソフトウェアでHDR合成するんです。JPEGの撮って出しでここまでのクオリティのモノクロファインプリントが作れることに満足しています。αはHDRのブラケット(撮影条件を変えて複数枚撮影する機能)が充実してるんですよ。露出をずらしながら撮影コマ数9枚まで選択できるのが重宝しています。HDRで高解像度の作品を作ろうという人に薦めたいカメラですね。

伊豆

ほしの・なおひこ 1983年 日本大学芸術学部写真学科卒業。サントリー宣伝部制作室に入社、サントリーの広告制作全般に携わる。2006年2月「ホシノ★カメラ」を設立。

玄光社 「コマーシャル・フォト」2016年10月号より転載。
http://www.genkosha.co.jp/cp/ コマーシャル・フォト Shuffle
http://shuffle.genkosha.com/

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