1977年に第1作目『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が米国で公開されてから40余年。世代を超えて世界中のファンに愛され続けてきた「スター・ウォーズ」サーガが、昨年末、ついにその幕を引きました。新世代のヒーローたちを主人公に据え、銀河帝国崩壊後の混乱を描いた続三部作が、エピソード9『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にて完結したのです。そこで、その感動を自宅で追体験できるディズニーデラックスでのレンタル配信およびMovieNEXの発売を記念し、肩に乗せるだけのウェアラブルネックスピーカー『SRS-WS1』と、サウンドバー『HT-X8500』で本作を再体験。人気映画情報サイト「シネマトゥデイ」編集者・入倉功一さんが、その楽しみ方を語ります。
『HT-X8500』なら、劇場感覚で
「スター・ウォーズ」サウンドを楽しめる
ジョン・ウィリアムズの担当した素晴らしい音楽も『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の魅力の一つ。昨年、映画公開前にJ.J.エイブラムス監督にインタビューした際、彼が「今回の仕事でジョンは“自分を超えた”みたいなんだよ」といっていたのですが、私も『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の楽曲群はシリーズの中で最も感動的なスコアだと評価しています。
今回『HT-X8500』で視聴して、改めて気づかされたのが、本編のほぼ全体にわたって劇伴(げきはん)が奏でられていること。特に冒頭十数分は、シーンの変遷に合わせて名曲がメドレーのように途切れることなく再生されます。これに気がついたのも『HT-X8500』のサウンドがあまりに印象的だったから。ウェアラブルネックスピーカー『SRS-WS1』のまるで4DXシアターのような迫力あるサウンドも素晴らしいのですが、ジョン・ウィリアムズが指揮するオーケストラを聴いているかのような『HT-X8500』の、リアルで繊細なサウンドも必聴です。
砂漠の惑星パサーナの祝祭や、惑星エイジャン・クロスの秘密基地、惑星エンドアの衛星ケフ・ビアーなど、屋外のシーンはDolby Atmosに対応する『HT-X8500』の良さをしっかりと実感できますね。葉ずれや風の音などといった環境音で自然な空間の広がりを感じさせつつ、地面をギュッと踏みしめたような足下の音もきちんと聴こえてきます。それぞれの惑星の違いを音でも感じられるのが面白かったです。
その上でぜひ体感していただきたいのが、パサーナの祝祭の最中にレイとカイロ・レンが感応し、フォースを通じて会話をするシーン。2人の意識が繋がった瞬間、周囲が夜のように暗くなるのですが、それに合わせて音場もグッと狭くなり、くぐもった感じになります。そして、会話が終わった瞬間にそれがワッと広がり、元に戻る。この感覚は良いサウンド環境で聴かないと、なかなか実感できないのではないでしょうか。
おすすめシーンその②では屋外のシーンにおける空間の広がりを紹介しましたが、『HT-X8500』では、それとは逆の閉鎖された屋内の空間もしっかり感じ取ることができます。代表的なシーンが、ケフ・ビアーに落下したデス・スター内部。低くて重い音の反響によって、デス・スターという建造物がいかに巨大だったのかを耳で実感できるんです。これまで何度も登場しているデス・スターですが、その大きさをここまで明瞭に感じられるシーンって実はあまりなかったように思います。その後、隠し部屋に入ると大きな音とともに扉が閉まり、環境音で閉じ込められたことがわかるような閉塞感を表現。空間を意識した音作りをしっかりと感じることができます。
こうした効果は、惑星パサーナの後半、渓谷や洞窟のシーンでも感じられます。渓谷を吹き抜ける風などによって、まるでその場にいるかのような臨場感を味わえます。
「スター・ウォーズ」の音響面を担当しているスカイウォーカー・サウンドは、他に類を見ない細やかな音響設計で有名なスタジオ。その最新作である『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』では、同社の実力をこれでもかというほど感じることができます。シネマトゥデイでも過去にスカイウォーカー・サウンドのエンジニアにインタビューしたことがあるのですが、彼らはクリーチャーの鳴き声ひとつとっても物凄いこだわりを持って細かく作り込んでいるんですよね。そうした細かな仕事を『SRS-WS1』や『HT-X8500』では、よりクッキリと聴き取ることができます。
中でも気に入っているのが『SRS-WS1』で体感できるライトセーバーの音。「ぶおおおおん」という動作音や、「バシン! バシン!」 とライトセーバーをぶつけ合う衝撃音などが振動の力で伝わってくるのが快感ですね。ぜひ『SRS-WS1』の振動機能を強にして楽しんでください。そのほか、宇宙船の中など、閉鎖的な空間での没入感では『SRS-WS1』そして『HT-X8500』に大きなアドバンテージを感じました。劇場で観るのとはまた違った喜びがありますよ。
対する『HT-X8500』の良いところは、映画館顔負けの上質なサウンド環境を自宅に構築できること。特に音の広がりは見事で、よりリアルに“空間”を感じることができました。作品に込められた小さな音も聴き逃したくないのに、映画館では周囲の雑音が気になってしまって……という人には『HT-X8500』をぜひ試していただきたいですね。
スター・ウォーズのサウンドは、それぞれ公開当時の最新技術を駆使して生み出されたもの。つまり、その魅力を引き出すためには最新のオーディオ環境が必要なのだということを、改めて強く感じましたね。
今回の視聴をきっかけに、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』だけでなく、これまでの作品全てを『SRS-WS1』そして『HT-X8500』で再体験したくなりました。皆さんもぜひ!
●識者プロフィール
シネマトゥデイ編集部・入倉功一
映画にまつわるさまざまな情報を発信する映画情報サイト「シネマトゥデイ(https://www.cinematoday.jp)」所属。映画スターへのインタビューから、国内外映画イベントのレポート、最新映画の見どころ紹介など幅広い記事を執筆している。