商品情報・ストア Feature Hi-Res 10 songs vol.2 [後編] : ハイレゾ10曲
 

Hi-Res 10 songsvol.2 : 石塚真一
[後編]
_漫画家

ハイレゾで、聴きたかった10曲

漫画家・石塚真一さんによる「ハイレゾで、聴きたかった10曲」。
今回の選曲は、石塚さんにとって、
「青春とジャズ」が大きなテーマでした。
プレーヤーそれぞれの若い頃の葛藤や苦悩が、糧となり、音に生きる。
一筋縄ではいかない彼らの意志や生命力が、
ハイレゾによって、ありのままに伝わってくるようです。

「新しい録音音源は、ハイレゾで聴くのが本当に楽しい」

06/10

Hiromi
「ドリーマー
(feat. Anthony Jackson, Simon Phillips)
from 『Alive』

上原ひろみさんの「ドリーマー」は、とくに冒頭のピアノの旋律が好きです。ハイレゾで聴くと、サイモン・フィリップスのドラムもすごく近くに聴こえました。たくさんのタムを操ることで知られるプレーヤーですが、ライブ会場で聴くのと同じくらいタムの音階がクリアで、一つひとつの音がよく聴こえてきて楽しい。とにかく、次から次へといろんな音が鮮明に聴こえてくるから、息つく暇もなくて、他のことが手につかなくなる(笑)。体感として、濃いですね。

07/10

Robert Glasper Experiment
「I Don't Even Care
(feat. Macy Gray, Jean Grae)
from 『Black Radio 2 (Deluxe)』

これもピアノの旋律が好きな曲。ロバート・グラスパーのピアノには歌心があるというか、エモーショナルに音が紡がれていきますね。こういう高音質なレコーディングは、ハイレゾで聴くのが本当に楽しい。もう笑っちゃうくらいに(笑)。上原ひろみさんもまさしくそうですが、こうしてリアルタイムで新しい挑戦をしているジャズプレーヤーたちにも、いつも心を開いていたいと思います。

08/10

Kenny Dorham
「Lotus Blossom
(Rudy Van Gelder Remaster)
from 『Quiet Kenny (Rudy Van Gelder Remaster)』

ちょっと暗いテーマで、劇画っぽい雰囲気もある。渋い出だしから、とてもカッコいい楽曲。ケニー・ドーハムのトランペットが、ひたすらクールな印象です。一流のプレーヤーたちとの呼吸も見事で、どこか安心して演奏しているように感じました。ハイレゾでは、曲の重みや深みがしっかり再現されているように思います。やっぱり、各プレーヤーの個性が鮮明に伝わってきますね。

09/10

McCoy Tyner
「Four By Five
(2012 Remastered)
from 『The Real McCoy (2012 Remastered)』

ジョン・コルトレーンのバンドを脱退した後の作品ですが、マッコイ・タイナーらしさが変わらず発揮されていると思います。彼のピアノはどこか淡々としていて、人間としての丸みのようなものも感じられる。左手を駆使した演奏も大きな特徴で、ハイレゾでもそのパートがよく聴こえてきました。音からだけでも、彼の左手の動きが目に浮かぶようですね。ちなみに『BLUE GIANT』に登場する(沢辺)雪祈は、左手が強いピアノプレーヤーなのですが、高い所から叩きつけるような奏法など、マッコイのスタイルにイメージを重ねたところがあります。

「迫りくる躍動感に、プレーヤーの声まで聴こえるようだった」

10/10

John Coltrane
「Giant Steps」

from 『Giant Steps』

この曲を聴いてはじめて、ジョン・コルトレーンのすごさを知りました。こんなにも目まぐるしくて複雑な展開を、正確無比に演奏しきるなんて、とてつもない努力が必要だったに違いないと。とにかく圧倒されます。周りを押しのけてでも、前へ前へと出てくるところが、いかにも彼らしくて、僕はやっぱり好きですね。ハイレゾで聴くと、さらに彼の声まで聴こえてくるようで、その迫力に驚きました。

取材を終えて。ジャズは自由で、個性が生きる音楽。その魅力を楽しく語ってくれた石塚さんに、『BLUE GIANT』の宮本大の姿が重なりました。歌詞のないジャズには、自分のすべてを楽器に込めるかのような、奇跡的な演奏が確かにあります。音に触れて、人に触れる。ハイレゾならではの高い再現性を通して、プレーヤーたちの個性にぜひ触れてみてください。(Hi-Res 10 songs編集部)

前編はこちらからご覧いただけます。

取材時にはハイレゾ対応のウォークマン「NW-A35」、ヘッドホン「MDR-1000X」で試聴しました。
本製品は生産を完了しました。同じシリーズの最新モデルはこちら

ウォークマン「NW-A45」についてはこちら
ヘッドホン「WH-1000XM2」についてはこちら

音楽配信サイト「mora」で配信されている曲の中から選曲をしています。

ハイレゾで聴く場合は「mora」で購入する必要があります。

本ページに掲載している情報は2017年3月22日現在の情報であり、予告なく変更される場合がございます。

PROFILE

石塚真一(いしづか しんいち) 1971年生まれ。茨城県出身。中学校ではブラスバンド部に所属。22歳から27歳までアメリカに留学し、ロッククライミングや気象について学ぶ。帰国して会社員を経験した後、28歳で漫画家に転身。代表作に『岳-みんなの山-』『BLUE GIANT』。現在、小学館『ビッグコミック』にて『BLUE GIANT SUPREME』を連載中。『BLUE GIANT』完結編となる第10巻、および『BLUE GIANT SUPREME』第1巻の単行本が、3月10日に同時発売されたばかり。

特設サイト
http://bluegiant.jp/

Edit by EATer / Photography by Kiyotaka Hatanaka(UM) / Design by BROWN:DESIGN

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